テント日誌 5/30日経産前省テント広場―263日目 原発ゼロ25日目 …珍客に楽しませてもらった、こんな珍客なら歓迎である
- 2012年 6月 1日
- 交流の広場
- 経産前省テントひろば
昨日の迷惑この上ない珍客にこまった。マイクで汚い言葉をわめき散らしていた。揚句の果に接近してきて口論となるや「暴行された《蹴られた》」と被害者届けを警察に連絡し、警察が駆けつけ事情聴取を要求される。彼が口実を作り警察の介入できる事件化を目論んでの汚い挑発をやっているのは分かっている。こういう動きは以前からあり、わたしたちはこれに関わらない態度をつらぬいてきた。勝手な被害届にはおそれ入谷の鬼子母神とでもいうべきだが、弁護士立会い事情聴取には応じた。こういう汚い手口の超発にはうんざりだが、これも運動の広がりの中の波紋なのだろう。
昨日の雨も晴れてテント前の椅子に座り込んでいると、可愛い子供がお母さんに手を引かれて通る。挨拶をしてくれる。こちらもうれしくなって子供用の鯉のぼりをあげようと思ったが行ってしまった。となりに座っていたEさんから最近孫が出来て子供に目が行くのではとからかわれた。そうだね、応じているとEさんは定期入れの孫の写真を見せてくれた。しばし、孫の話になったが、テントに張られている子供や孫の世界に原発を存在させたくないというのはそれなりの切実さあるのだと思う。こんなことをいうととうとうあいつもやきが回ったかという声も聞こえる気がするが、世代のことを以前とは違って意識するようになっていることも事実である。原発問題が世代にわたる問題であることは事実だが、そうした形で社会ということを問うているのだと思う。前の世代にとっては戦争であったのだが、私たちの世代では原発ということになりつつあるのだろう。
テント前にはいろいろの人が集まってきて賑やかになり始めるが、今度は奥さんを荷台に乗せ子ヤギに引かせた人が訪れた。以前のテント日誌でも少し、紹介されていたが、時折、メェーンと鳴くのが可愛い。たちまち、みんあに頭などを撫ぜられ、道行く人も立ちどまり、写真などに収めても行く。かわるがわるに周辺から草をちぎってきて来て与えるが美味しそうに食べる。背中の「原発はいらない」という文句が様になっているが、写真で紹介できないのは残念である。テント前ひろばで人々を楽しませてくれたヤギさん、今度は経産省を一周する。虎ノ門の方面では大通りの歩道を歩く。たちまち、奥の人がたちどまり写真を撮る。植え込みのところの草を食うように仕向けるが、食うのと身向きもしないのがある。一周をして返ったがみんなを楽しませてくれる珍客なら大歓迎である。
今日もまた夕方には街宣車の右翼がやってくる。同じ、文句や言葉の繰り返しだが今日はテントを揺さぶるなどの行為はなかった。野田首相の再稼働決断が近づいているというメディアの報道がある。再稼働をめぐる動きがあわただしくなるなか、テントの周辺も緊迫してくる。ヤギさんと楽しんでいるなんてことの出来なくなるのだろう(?)「六月の女すわれる荒筵」(石田波郷)。六月も近い。(M/O)
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