造反に理あり、天の声はやがて姿を現す
- 2012年 6月 25日
- 評論・紹介・意見
- 三上 治
権力の側のやり口はいつも同じだ。それにしてもだと思う。消費増税や原発再稼働などに異議申し立てをする民主党の小沢一郎や彼に同調する面々への攻撃は凄まじい。これを象徴するのは小沢一郎に対するメディアを含めた攻撃である。小沢一郎を「政治資金法」の容疑などで政治的監禁をしてきたことはその裁判で無罪判決がでることで明瞭になった。体制や権力側はそれでも控訴という形でそれを継続しているだけでない。小沢の家族問題を持ち出し政治生命の抹殺に乗り出しているのだ。家族問題は小沢一郎の抱える悲劇的事柄かもしれないが、少なくとも政治とは関係がない。小沢の政治的信念や理念を殺すために家族の問題を持ち出すことは家族や子供を人質にして脅迫するのと同じであり、この間のメディアの動きは全部リンクしてのことである。政治的裁判、政治的抹殺の報道、除名を掲げての脅迫すべてはつながった行動である。
消費増税法案、この民主、自民、公明の野合法案にどんな理があるか。細り行く税収に対する官僚の国民収奪である。国家の経済的危機に対する官僚中心の既得権益部分の反動的対応策だ。官僚は富を収奪する階級であるが、この消費増税はその露骨な現れだ。これと歩調を合わせているのは独占資本であり、経済界である。これからこの道はどんどん深くなるのだ。原発再稼働→原発保持も同じだ。TPPも同じである。背後には日米同盟の名によるアメリカの対日支配がある。アメリカと官僚・財界・政界の国民支配の現れであり、沖縄支配、消費増税、原発再稼働。TPPなど一見するとばらばらに見えるものも連なっており、根源と放射線的政策をリンクさせて理解できる。これはアメリカと組んだ官僚主導政治の復権であり、その一翼に組み込まれているのが民主党の首脳である。壊れゆく社会や政治に対する既得権益側からの保守というよりは反動的動きである。官僚は民主・自民・公明の野合政治を背景に強権政治を画策しているのであり、この動きはやがては憲法改正まで進むかもしれない。小沢一郎はあらゆる方法で政治的抹殺を図られている。だが、ここは試練であり、己の政治的なものが試されている。政治をめざした小沢一郎にとっては不足のないことだと思う。造反に理ありだ。「百万人といえども我行かん」という孤立した中での闘いを強いられることはある。だが、政治に必要なのはビジョンであり構想である。政治的見識だ。壊れゆく社会と政治を再生に導くビジョン以外に必要なものはないし、怖れるものもないはずだ。小沢一郎や同調するものよ今は何も怖れずに造反し、旗を高く掲げよ。必ず道は開かれる。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion0918:120625〕
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