「東電のとんでもない認識に唖然とする、西と東をつなぐ重要な変電所が失火で停止。呆れ、そして怒り!」など―地震と原発事故情報
- 2012年 8月 7日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
(配信ミスがありました。連続受信されたかたにはお詫びいたします)
2012年8月7日(火) 【TMM:No1542】-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.東電のとんでもない認識に唖然とする、西と東をつなぐ重要な変電所が
失火で停止。呆れ、そして怒り! (山崎久隆)
★2.8/1講演会「プロメテウスの罠」に参加して
『東電は原発放棄を決めた』→当時の事実からの結論はこれだ!
「10人残して撤退」を決めた意味とは? 原発放棄だ。 (渡辺マリ)
★3.新聞・雑誌から
◇67%が「ゼロ」選択、全11都市で意見聴取会終了、脱原発の民意明確に
(8月5日 東京新聞より)
◇平和式典に出席した浪江町長、「首相の言葉はごまかし」
(8月7日 東京新聞より)
★4.<テント日誌 8/5(日)―経産前省テントひろば330日目>
原発労働者の指摘を受けて・・・死の灰=使用済み核燃料問題を考える
(I.K)
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◆あす8日(水)18:45から、講師:山崎久隆さん、参加費800円
【危険な原発・大解剖 第3回:狙われる志賀原発、柏崎刈羽原発】
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◆初級編が好評だったツイッター講座の中級編は8月25日(土)14:00開催です
会場:スペースたんぽぽ、参加費1000円
何かと話題のツイッター。勧められて始めてはみたけど、よくわからない、
楽しくないからほったらかし。そんな悩みを解消する講座です。参加歓迎。
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┗■1.東電のとんでもない認識に唖然とする
│ 西と東をつなぐ重要な変電所が失火で停止。呆れ、そして怒り!
└────(山崎久隆)
「新信濃変電所が火災」との一報を聞いて、飛び上がるほど驚いた。電力の安定供給にとって本来ならば最重要設備が、失火焼失かと、呆れ、そして怒りがこみ上げてきた。
実際に流れた東電の発表文を以下に貼り付ける。
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(お知らせ)新信濃変電所構内の火災による周波数変換設備の停止について
平成24年8月4日
東京電力株式会社
平成24年8月3日17時37分頃、当社新信濃変電所(所在地:長野県東筑摩郡朝日村古見2896-1)1号変圧器に接続される電力用コンデンサ付近で火災が発生し、その影響により同変電所構内にある周波数変換設備(1号:30万kW、2号:30万kW)を停止いたしました。
火災については、17時40分、消防に連絡し、21時47分頃に消防から鎮火を確認いただきました。
現在、火災の原因について調査中であり、周波数変換設備の復旧見通しも現時点では不明であります。
なお、当社の供給力については、当社ホームページでもお知らせさせていただいておりますが、本日時点で、8月6日~10日、13日の週においては、それぞれ予備率10%以上を確保しており、安定供給に直ちに影響はないものと考えております。
以 上
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既に設備は復旧し、今現在変換所は稼働可能だそうだ。何事もなかったと言えばそうなるが、杜撰さは目に余る。
原発が止まっている現在、東電が設備不足になり広域連係で103万キロワットの供給を受ける可能性があると、多くの人は思っているのだろうが、実際は全くの逆である。
東電管内はもはや設備が余っている。上記プレスリリースの通り、10%の供給予備を常に有しているというわけだ。さらに東電、東北電に北海道電を加えた東日本は、連携をすれば80%台を維持している。西日本が広域連係をして90%を超えていることを考えれば、東日本のほうがずっと余力がある。
7月27日程度の気温だと、もし50万キロワットほどを東電から関電に送れば、どちらもちょうど90%ほどになった。さらに大飯原発を止めると仮定すると西日本は連携をしても93%を超えるだろう。103万キロワットの最大量を東電から西に送れれば、おおむね1%強に相当する融通が可能だ。つまり西日本の使用率を1%引き下げる効果がある。だから、今年の夏は東京電力が西日本に電気を融通する役割が期待されていたのだ。
ところが、新信濃変電所が火災で機能停止したために、その能力は半分以下の43万キロワットに下がってしまった。全く大事なときに肝心の装置が使えないということになりかねない状態だった。
まるで福島第一そのものではないか。
東電にとっては、ECCSが使えない、ベント装置が使えない、そして冷却材を押し込むポンプが使えないと、次々に安全装置が死んでいき、原子炉が破壊されていったあの恐怖の経験は、もう遙かに昔のことなのだろう。
こんな会社だから、解体すべきなのだ。
日本の国家リスクがあるとしたら、このような会社がとてつもない危険物である原発を未だに保有し続けていて、ほとんど不可能な事故収束を「しているつもり」になっていることだろう。
日本の電力システムを根底から変えない限り、今後も「東電リスク」は続き、本当に広域停電を引き起こすだろう。
「安定供給に直ちに影響はないものと考えております。」もちろんこの安定供給は東電管内を指す。このプレスリリースの末尾の文章だ。ここには東電から西に融通して、バランスを取ろうという発想さえ最初からないことが分かる。まさしく「自分だけが大事」だ。西に電気が送れなくなったら大変だと考えた人間が、東電内部には居たのだろうか。
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┗■2.8/1講演会「プロメテウスの罠」に参加して
│ 『東電は原発放棄を決めた』→当時の事実からの結論はこれだ!
│ 「10人残して撤退」を決めた意味とは? 原発放棄だ。
└────(たんぽぽ舎ボランティア 渡辺マリ)
この講演会を企画した者として、どのくらいの人が来てくれるのか、不安だった。しかし、いざ蓋を開けてみれば満員の盛況。しかもリピーター以外の人が多かったことにも驚いた。では、何を求めて?何が真実なのか知りたいという渇きのようなもの?
講師の木村さんは言う「報道は主語を曖昧にしてはいけない、ファクト(事実)の積み重ねだ」と。「撤退はあり得ない」と怒鳴り散らした菅首相、そして「撤退など言っていない」と主張する東電。国会事故調は「菅首相の誤解に基づくもの」と認定した。(委員である、野村修也氏は「誤解ということでよろしいでしょうか」と誘導したそうで!)。
東電が相当数の人員を引き上げると申し出たことは事実。では引き上げた後、誰が、あの原発をコントロールするのだ? それゆえ木村記者は言う。「あれは撤退ではない、放棄だ」と。
「撤退」せざるを得ない状況に陥る可能性のある原発とは何か?「放棄」しようとした東電の企業体質、そのような東電にこれからも任せていっていいのか?という本質に触れることなく、いつの間にか「何人残すか」という「数」の問題に矮小化されていったことに対する問題提起。
その他、情報、報告が殆ど挙がらなかったため、対応が遅れたことなどを事例ごとに説明してくれたのだが、その全てが現場にいた記者のみが語り得る生きた言葉であり「そうだったのか!」ということばかりだった(「ゴニョ、ゴニョ」、「モゴ」「ムッツイー」などの内輪での呼び名の披露があり、会場爆笑)。
今、真実を知りたいと思う人が大勢いるということ、そして真実を伝えたいという木村記者のような人がいるということに大きな感銘を受けました。
当日参加して下さった方の期待に応えて、何とその日のうちに次回の講演が決まりました。今度は「ベント、海水注入、その他、その他」です。
木村記者は何を語ってくれる?ご期待を!
日時:9月10日(月)18:30開場、19:00~21:00
会場:スペースたんぽぽ
(もう少し時間を長くして質疑の時間が欲しいという参加者のご希望により)
(終了時間を少し延ばす(30分ぐらい)ことも木村記者に相談してみます)
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┗■3.新聞・雑誌から
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◇67%が「ゼロ」選択、全11都市で意見聴取会終了、脱原発の民意明確に
(8月5日 東京新聞より)
(省略します―「ちきゅう座」編集部)
--(編集部:注)--
政府が示す「三択」には大きな前提があることを忘れてはいけない、政府や電力会社はあくまで「2030年のエネルギー政策」だ。福島の事故から、私たちは「すぐに停止が必要だ」ということを学んだはず。原発が一旦暴走 を始めたら止め手立てはほとんどなく、甚大な被害が起きる。大地震発生の危険もせまってことを考えれば、今から20年も待つ余裕はないはずだ。
福島事故の根本的な原因がまだ究明されなていないことに加え、老朽原発の即時停止や、福島第一と同型の原発の稼働停止、もっと根本的なこととして使用済み核燃料の保管体制が危険的など、ちょっと考えただけで、「今すぐ原発を止める理由」はこんなにある。意見聴取会を終えたからといって、 政府任せにはできない!
◇平和式典に出席した浪江町長、「首相の言葉はごまかし」
(8月7日 東京新聞より)
東京電力福島第一原発事故後、福島県の自治体の長としては初めて、広島市の六日の平和記念式典に出席した浪江町の馬場有町長は「震災や原発事故後の町の様子と六十七年前の広島の姿が重なり感慨深い」と語った。
松井一実広島市長は平和宣言で脱原発に言及しなかったが、「明確に答えられなかっただけで、気持ちは同じだと思う」と感想を述べた。
一方、エネルギー政策に触れた野田佳彦首相のあいさつを「中長期という言葉はごまかしだ」と強い口調で批判。式典終了後、原爆ドームを見学し「爆発した原発の建屋のようだ」と話した。
午後には、広島県被害者団体協議会の坪井直理事長と市内で面会、原爆の被爆者健康手帳を参考に町独自で作成した「放射能健康管理手帳」について、医療費無料化などを含む法整備への協力を求めた。
坪井理事長はいつ、どこで何を食べたかと言った当時の記録がないため、手帳をもらえない人もいた。われわれがすぐできなかったことを実行してくれてありがたい」とエールを送り「放射能の影響は長期に渡るので、油断しないで」と助言した。
馬場町長は面会後、「放射能についての話を聞き、慎重に対応していかなければいけないと感じた」と話した。
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┗■4.<テント日誌 8/5(日)―経産前省テントひろば330日目>
│ 原発労働者の指摘を受けて・・・
│ 死の灰=使用済み核燃料問題を考える
└────(I.K)
8月5日(日) 晴
福島の原発作業員のSさんから厳しい言葉をいただいた。
「あなたたちは何を反対しているのか? 再稼動反対だけ言っていても仕方がない。原子炉が動いてなくても中には燃料棒が水につけて存在しているのだから危険だと言うことを多くの人たちは知らない。そういうことを広めるべきではないか。」と。私たちの最終目的は全部の原発の廃炉であるとお伝えして納得していただきました。
午後80近いという女性が訪れ、今の状況で自分も何かしなくては居られない気持ちで、29日の集会に参加し、日曜日にまた官邸前で何かあるのではと思って来たそうです。定期的な行動は金曜日の夜であることを説明し、時々テントに来て下さるようお願いしました。
前にも来て下さったフリーの牧師さんが寄ってくださり、板橋の教会でテントの様子などお話して行動することの大切さを伝えてきたそうです。通りがかりの人のがんばってくださいという声にも励まされました。(I.K)
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8月5日のテント日誌は後半があります。
つづきはテント日誌ホームページでご覧ください。
http://tentohiroba.tumblr.com/post/28834459071/8-5-330
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【編集部より】
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