テント日誌8/22日 経産前省テント広場―347日目…朝夕には涼しい風が感じられる頃となった
- 2012年 8月 23日
- 交流の広場
- 経産前省テントひろば
残暑というにはまだ早いのだろうが確かに日中は暑い。早朝は涼しいのであるが段々と暑くなってきて、「暑いね」という言葉が口について回る。けれどもの朝夕には涼しい風もあって幾分かは凌ぎやすくなった。風通しのいい蚊帳のある部屋では朝方は寒いほどである。竹島や尖閣諸島のことが巷では騒がしくなっているためか、テントの中でもこのことが議論になった。この問題はなかなか難しく結論めいたものが出たのではなかったが今後も議論の続くことだと思う。
私の考えは竹島にせよ尖閣諸島にせよ、帰属問題が日韓と日中の間で提起されている以上、話し合い(外交)で解決をめざすしかないということだ。固有の領土であるということを双方で主張しあったところで解決がつくわけではない。どのような経緯からであれ、双方が対立関係に入れば武力による解決か、話し合いによる解決しかない。現実的なこととして武力解決を国民は望んではいない。こういう扇動《過激な扇動》をする政治家やメディアはいるがそれは国民の意向ではない。偶然を含め地域紛争に発展する契機がありこのことに警戒がいると言えようか。
誰もが話し合い(外交)での決着をめざし、領土的な帰属の棚上げや共同開発を含めた解決が望ましいと思っていても外交の場につくことが難しいという現状がある。何故だろうか。それは竹島問題や尖閣諸島の問題を政治的な問題にしようという動きが絡んでいるからだ。これを民族感情や意識の高揚に用い、それを通して自己の政治的威信を高めようとする動きがあるのだ。民族感情や意識は対抗的に発展し高まる契機を有するがそれを利用しようとする政治家はいるしメディアはその扇動に走りやすい。民族感情や意識は歴史的に形成されてきたものだから、残存基盤が一定の形であるためと言える。ナショナリズム的な契機を排除し話し合いによる解決が望ましいというよりそれしか道はないのだ。ナショナリズムで自己の政治基盤を強化しようとする政治家やメディアに警戒が必要だ。彼らには領土問題は政治的道具であるのだ。その意味で李明博大統領や石原慎太郎の言動は批判さるべきだ。
段々と暑さの増す中で首相官邸では野田首相と首都圏反原連合のメンバー十人の会談が行われた。焼けつくような暑さの中で午後13時頃から首相官邸前では激励のための集会が開かれた。集会に集まった人に見送られてメンバーは官邸に入った。会談は午後2時から2時30分まで開かれたが外からは様子はわからなかったがネットなどでも中継されていたようで見た人も多いと思う。会談中も激励の集会は続けられ、2時30分過ぎには会談に参加したメンバーからの報告があった。中でも官邸前からの声は聞こえていたようで毎週の集会での声は届いているのが確認された。大飯原発の再稼働の停止や原子力規制委員会の人事案撤回等の要求を野田首相は拒否したが、メンバーは毎週金曜日の官邸前行動は続ける事を宣言して引き上げてきた模様である。この行動が永田町の住人(国会議員)に与えている衝撃は予想以上のものがあると推察できるが、この影響は今後いろんな形で出てくると思われる。この会談は政府側が予想を超えて動きに反応したということだろうが、脱原発の動きが議員に浸透していることを現わしている。
経産省テント前ひろばでは8月20日より原発問題での「国会議員意見聴衆活動」をはじめた。これは各議員に「1原子力発電について Aやめるべき B続けるべき 2現在ある原発について A稼働させない B稼働させるべきだ《 何年》」というシンプルな質問に答えを求めた活動である。これは9月5日に締め切られ、内容は9月10日以降にマスメディア、ネットメディア等で公表して行く予定である。選挙でも原発に対する候補者の考えをはっきりさせ、判断の目安として提示したいと思っている。この活動に注目して欲しい。 (M/O)
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