“「国会事故調」の提言を無視して原子力ムラから委員を選ぶ政府・国会の許されざる暴挙を止めよう”など―地震と原発事故情報
- 2012年 8月 25日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
2012年8月25日(土) 【TMM:No1555】 -4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.原子力規制委員会の決め方に重大な問題あり。
「国会事故調」の提言を無視して原子力ムラから委員を選ぶ政府・国会の
許されざる暴挙を止めよう (山崎久隆)
★2.8/19~20、松山集会と伊方ツアー 心に残る光景(葛飾区 青山晴江)
★3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
◆9月4日(火)午後7時から、役立つ反原発基本講座・15回★
『東京湾に浮かぶ原子炉2基 米原子力空母』
講師 呉東正彦さん(弁護士)、山城保男さん(横須賀市議)
★4.テントひろば テント日誌
<テント日誌 8/22(水)―経産省前テントひろば347日目>
国会議員内に浸透していく脱原発の動き
朝夕には涼しい風が感じられる頃となった(M/O)
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┗■1.原子力規制委員会の決め方に重大な問題あり。
│ 国会が法律に基づき制定した「国会事故調」
│ その提言を無視して原子力ムラから委員を選ぶ政府・国会の
│ 許されざる暴挙を止めよう
└────(たんぽぽ舎 山崎久隆)
●規制機関に関する国会事故調の提言を実現せよ
『東京電力福島原子力発電所事故調査委員会』いわゆる「国会事故調」は法律に基づき国会の下に設置された委員会であり、「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法」に規定された組織です。この法律は衆参両院全会一致で可決されたものであり、国会で全会一致で可決されたということは、国民の総意に基づいて設置された委員会です。
その国会事故調が、今後の課題の中でも大きなものとして提言したのが「原子力安全行政をどうするのか」という点です。国会事故調報告書(東京電力福島第一原子力発電所事故調査委員会報告書(2012年6月22日)の「提言5」において具体的に規定されています。実は政府が最も嫌ったのが、これであることも明白です。提言は記憶して繰り返し国会議員などに主張し続けるくらい、重要な内容を含みます。
以下に報告書の「ダイジェスト版」から要約します。
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▼新たな規制組織は以下の要件を満たすものとする。(要約)
1)高い独立性-政府内の推進組織からの独立性、事業者からの独立性、政治からの独立性。
2)透明性-意思決定過程を開示し、電気事業者等の利害関係者の関与を排除し、国会に対して全ての意思決定過程、決定参加者、施策実施状況等について報告する義務を課し、推進組織、事業者、政治との交渉折衝等には議事録を残し原則公開。
委員の選定は第三者機関で1次選定、相当数の候補者の選定を行わせた上で、国会同意人事として国会が最終決定。
3)専門能力と職務への責任感-新しい規制組織の人材を世界でも通用するレベルにまで早期に育成、グローバルな人材交流、教育、訓練を実施、外国人有識者を含む助言組織を設置、「ノーリターンルール」を当初より、例外なく適用。
4)一元化-特に緊急時の迅速な情報共有、意思決定、司令塔機能の発揮に向けて組織体制の効果的な一元化。
5)自律性-常に最新の知見を取り入れながら組織の見直し、自己変革を続けることを要求し、国会はその過程を監視。
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この中で、原子力規制委員会人事については『委員の選定は第三者機関で1次選定、相当数の候補者の選定を行わせた上で、国会同意人事として国会が最終決定』を実施しなければなりません。その前提として、選定委員会を国会内に設置し、幅広く候補者を集め、それを国会で審議し、決めていくことになります。この「候補者」は、「高い独立性」を有しなければならず、当然ながら過去に政府内外を問わず原子力推進組織の主要メンバだった人は除かなければなりません。また、候補者選定段階から「透明性」を確保する必要があります。
しかし、これを実現するどころか、国会事故調が報告書を出す前後に、原子力規制庁のと原子力規制委員会の根拠法を大慌てで成立させ、さらに田中俊一以下の原子力規正委員候補メンバー5人を早々に内定し、その案を国会に提出しています。これは国会事故調を軽視しているに止まらず、調査報告そのものの存在を無化しようとする悪質な行動に他なりません。このような妨害をする理由ははっきりしています。原子力産業や原子力学会等のいわゆる「原子力ムラ」にとっては、規制当局が「まともな」規制をはじめれば、推進体制が完全に行き詰まることは目に見えているからです。
新しい規制委員会が「まとも」に機能しないよう、原子力ムラの利益を守るような人物を送り込む、そのためには国会事故調の提言などは無視することを政府に迫った結果が、これでしょう。
福島原発事故調査で最も重要な点である「再発防止」に関わる原子力規制のあり方を、政府も国会も全く無視してしまったことで、国会事故調は意義を喪失させられようとしています。その点を国会議員一人一人は一体どのように受け止めているのか、その点を迫っていく必要があります。
今からでも遅くはありませんから、原子力規正委員会の委員候補を選ぶための選考をやり直し、国会の場で所信を聞いて審議すべきなのです。
そして当然ながら、次の選挙などでは今回のやり方に対する国会議員の立場を重大な判断材料とすべきです。次の選挙後の新しい議会においては、再度国会事故調の報告書に基づく、国会における常設委員会の設置と、事故調メンバーの招致を含む国会審議が行われなければなりません。
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┗■2.8/19~20、松山集会と伊方ツアー 心に残る光景
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└────(葛飾区 青山晴江)
8・19の松山集会では、酷暑の青空から一転、雷を伴う激しい雨に見舞われた。本部テントの前の演壇では、元京大原子炉実験所の小林圭二さんが話されている最中だった。土砂降りになって濡れても、姿勢を変えず、熱心に話されている。「われわれがつながることで、再稼働を止めることができる」と。その隣でかんしょ踊りの衣装をまとった福島の木田さんが、「原発などいらないのだ」と書いた自分のメッセージパネルを、傘代わりにして二人の頭上に掲げている。手話通訳の方もびしょ濡れで続けている。雷で空が光り、聞いている人がまばらになっても、まっすぐに立ち訴え続けている。心打たれる光景だった。
その後テントに皆逃げ込んだが、雨は驚くほどの勢いで、芝生に水が溢れ流れ込んでくる。資料書類などを机に上げる人、風にテントが飛ばされないように押さえる人、溜まる水を落とす人、ぎゅぎゅう詰めの嵐の難破船のようなテント屋根の下で、それでも「原発はんたーい!」と全国各地から集まった人たちが、心一つにして明るくシュプレヒコールしていた。雨はまもなくあがったが、忘れられない居心地のよい空間だった。
翌日の全国ネットワーク準備発足会の後、伊方原発のビジターハウスから瀬戸内海と原発敷地を眺めていたときのこと。伊方八幡浜の斉間淳子さんが、「3号炉の温排水口の前からずっと一面に魚が死んでいたことがあった。60種類の魚などが目が飛び出て、膨らんで腹を見せて死んでいる。その腹で海が白くなっていた。」と話されると、北海道の泊原発反対運動をしてこられた小林善樹さんが「泊もそうですよ。変に大きな魚なんで、地元の漁師は誰も食べないですよ。」と相槌を打たれた。「そちらもそうですか。」そう応える斉間さん。伊方と泊のお二人の姿に、遠く離れた地をつなぐ力の始原を見たような気がした。
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┗■3.読者からイベントのおさそい(問い合わせは主催者へお願いします)
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★役立つ反原発基本講座・15回★
『東京湾に浮かぶ原子炉2基 米原子力空母』
講師 呉東正彦さん(弁護士)、山城保男さん(横須賀市議)
日時 9月4日(火) 開場 午後6時30分 開始 午後7時
会場 スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2 ダイナミックビル4F)
参加費 1000円 (資料を用意します)、無業・学生は半額
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東京湾に浮かぶ二つの原子炉の危険!!
米軍原子力空母に反対する学習会
大飯原発だけではない、もうひとつの危険・核空母
横須賀を母港として、年100日は停泊。
地震・津波をはじめとした災害に対応できるのか
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主催 反原発自治体議員・市民連盟
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┗■4.テントひろば テント日誌
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<テント日誌 8/22(水)―経産省前テントひろば347日目>
国会議員内に浸透していく脱原発の動き
朝夕には涼しい風が感じられる頃となった
(M/O)
http://tentohiroba.tumblr.com/post/30033835557/8-22-347
※シンプルな画面で読む http://tppsa.sakura.ne.jp/wp/?p=946
残暑というにはまだ早いのだろうが確かに日中は暑い。早朝は涼しいのであるが段々と暑くなってきて、「暑いね」という言葉が口について回る。けれども朝夕には涼しい風もあって幾分かは凌ぎやすくなった。風通しのいい蚊帳のある部屋では朝方は寒いほどである。
竹島や尖閣諸島のことが巷では騒がしくなっているためか、テントの中でもこのことが議論になった。この問題はなかなか難しく結論めいたものが出たのではなかったが今後も議論の続くことだと思う。
私の考えは竹島にせよ尖閣諸島にせよ、帰属問題が日韓と日中の間で提起されている以上、話し合い(外交)で解決をめざすしかないということだ。固有の領土であるということを双方で主張しあったところで解決がつくわけではない。
どのような経緯からであれ、双方が対立関係に入れば武力による解決か、話し合いによる解決しかない。現実的なこととして武力解決を国民は望んではいない。こういう扇動《過激な扇動》をする政治家やメディアはいるがそれは国民の意向ではない。偶然を含め地域紛争に発展する契機がありこのことに警戒がいると言えようか。
誰もが話し合い(外交)での決着をめざし、領土的な帰属の棚上げや共同開発を含めた解決が望ましいと思っていても外交の場につくことが難しいという現状がある。何故だろうか。それは竹島問題や尖閣諸島の問題を政治的な問題にしようという動きが絡んでいるからだ。これを民族感情や意識の高揚に用い、それを通して自己の政治的威信を高めようとする動きがあるのだ。
民族感情や意識は対抗的に発展し高まる契機を有するがそれを利用しようとする政治家はいるしメディアはその扇動に走りやすい。民族感情や意識は歴史的に形成されてきたものだから、残存基盤が一定の形であるためと言える。ナショナリズム的な契機を排除し話し合いによる解決が望ましいというよりそれしか道はないのだ。
ナショナリズムで自己の政治基盤を強化しようとする政治家やメディアに警戒が必要だ。彼らには領土問題は政治的道具であるのだ。その意味で李明博大統領や石原慎太郎の言動は批判さるべきだ。
段々と暑さの増す中で首相官邸では野田首相と首都圏反原連合のメンバー十人の会談が行われた。焼けつくような暑さの中で午後13時頃から首相官邸前では激励のための集会が開かれた。
集会に集まった人に見送られてメンバーは官邸に入った。
会談は午後2時から2時30分まで開かれたが外からは様子はわからなかったがネットなどでも中継されていたようで見た人も多いと思う。会談中も激励の集会は続けられ、2時30分過ぎには会談に参加したメンバーからの報告があった。中でも官邸前からの声は聞こえていたようで毎週の集会での声は届いているのが確認された。
大飯原発の再稼働の停止や原子力規制委員会の人事案撤回等の要求を野田首相は拒否したが、メンバーは毎週金曜日の官邸前行動は続ける事を宣言して引き上げてきた模様である。この行動が永田町の住人(国会議員)に与えている衝撃は予想以上のものがあると推察できるが、この影響は今後いろんな形で出てくると思われる。この会談は政府側が予想を超えて動きに反応したということだろうが、脱原発の動きが議員に浸透していることを現わしている。
経産省テント前ひろばでは8月20日より原発問題での「国会議員意見聴衆活動」をはじめた。
これは各議員に「1原子力発電について Aやめるべき B続けるべき 2現在ある原発についてA稼働させない B稼働させるべきだ《 何年》」というシンプルな質問に答えを求めた活動である。
これは9月5日に締め切られ、内容は9月10日以降にマスメディア、ネットメディア等で公表して行く予定である。選挙でも原発に対する候補者の考えをはっきりさせ、判断の目安として提示したいと思っている。この活動に注目して欲しい。(M/O)
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【編集部より】
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