IPPNW-なぜノーベル平和賞がEUに授与されるのか?
- 2012年 10月 14日
- 時代をみる
- ノーベル平和賞理恵グローガー
「ノーベル平和賞がEUに授与されると決定」と謂うニュースを聞いたとき、唖然としたのは私だけではありませんでした。 ドイツでも、「いったい、これはどういうことなのかね?」と、人々はこのノーベル賞委員会の決定に不満の様子です。
今日、ご紹介させて戴きます「IPPNW peace and health blog」」に掲載されていました記事、「また同じ事をやらかしたノーベル賞選考委員会(Nobel Committee does it again.)」で、筆者のWestberg氏は、ノーベル平和賞が持つべき価値そのものに対して疑問を呈示しています。IPPNW(核戦争防止国際医師会-International Physicians for the Prevention of Nuclear War)は、1985年に「核戦争がもたらす悲惨な結果について理解を広 めるのに貢献した」という理由でノーベル平和賞を受賞している組織ですので、Westberg氏の論点には軽視できないものがあると思います。
原文へのリンクです。:
http://peaceandhealthblog.com/2012/10/12/nobel-committee-does-it-again/
概説:また同じ事をやらかしたノーベル賞選考委員会
2012年10月12日
筆者:ガナー・ウェストバーグ(Gunner Westberg)
彼等はまた同じことをやらかした: ノーベル平和賞はEU(欧州連合)に
またもや、ノルウェーのノーベル賞選考委員会は、平和のために尽力してきた功績そのものを基にすることなく、受賞者が、平和の為に努力してくれるようにと激励する意図に基づいて、ノーベル平和賞受賞者を決定した。
EUは、欧州連合の創立者の趣旨によれば平和機関として見なされる。しかし、欧州連合は平和を推進するために、そして軍備縮小を為し遂げるために殆ど何もしてこなかった。最も重要な事-それは、EUが人類にとって最大の脅威である核戦争、その核戦争の脅威を減少させるために何の努力もしてこなかった事である。EUの加盟国の中で、有力な二国が核武装国であるという事が、欧州連合には核ハルマゲドンを防ぐために貢献する意志がないということを示している。むしろEUは、EU加盟国によって、核兵器反対のために尽力することを阻止されてきたのである。ヨーロッパの中で核廃止のために最も活動してきた国は、スイスとノルウェイであり、この二国はEU加盟国ではない。
ノーベル賞選考委員会のメンバーはノルウェイ議会によって指名される。議会が指名したノーベル賞委員会メンバーは殆どが政治家である。もしかしたら、それが理由で委員会は、政治家や政治的機関にノーベル平和賞を与え続けているのかも知れない。ノーベル賞委員会の委員には、ピースリサーチ研究所や平和機関のメンバー、社会で尊敬され政治に関係していない共同体のメンバーがなるべきである。
アルフレッド・ノーベルの遺言に従えば、EUはノーベル平和賞受賞者としての必要条件を満たしていない。ノーベル平和賞は-国家間の友愛関係の促進、常備軍の廃止・縮小、平和のための会議・促進に最も貢献した人物に授与すべし -となっている。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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