孫崎享氏のTwitterより”尖閣諸島問題G8仲間」から日本の立場への協力を望んだが、手応えはつかめなかった”など
- 2012年 10月 23日
- 時代をみる
- 孫崎享
10月20日
戦後史の正体・朝日新聞書評訂正:10月21日朝日新聞13面は「訂正」として、「9月30日付「売れてる本」『戦後史の正体』の記事で、1段落の記述に事実誤認がありました。この段落10行分を削除致します」と掲載いたしました。削除部分はこの訂正の中に示されていませんので、紹介します。「ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。米が気にいらなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたのだという。著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押ししているのか、たいへん売れている。しかし本書は典型的な謀略史観でしかない」。朝日新聞のこの削除がなされた背景には、本twitterの読者が朝日新聞社ないし関係者に問題点を指摘されたことによる所極めて多大です。ご支援を心より感謝いたします。残念ながら、大手新聞は『戦後史の正体』が発刊2月にして二〇万部の増刷し、書店によっては著者コーナー作成という社会的現象を出している状況ながら、完全に無視を続け、ようやく出た社説は「段落10行分を削除」の訂正記事をだしたものしかありません。このことは、大手新聞の偏向を示すものとして極めて残念です。なお、この間、多くの地方紙においては、共同通信配信の岡留氏書評を掲載して戴き、感謝いたします。朝日新聞社は本来、佐々木俊尚氏の「自立への一助にできるか」という書評は掲載すべきでなかった。しかし訂正に踏み切った勇気に感謝します。了。
尖閣;仏英独、尖閣問題で日本支持せず。日本は段々世界の孤児化していく。「尖閣固有の島。領土問題ない」は国内だけで通用する論。20日朝日「尖閣諸島問題G8仲間」から日本の立場への協力を望んだが、手応えはつかめなかった。背景には、対中関係も重視する欧州の現実的な対応がある」。
10月19日
原発・米国の圧力:20日東京「藤崎氏は9月6日NSCフロマン補佐官と面会。Fは日本が示した原発ゼロに強い懸念表明。米側は閣議決定回避への圧力を強めた。九月に行われた日米交渉の場で米側が”日本国内で外圧と取られないように注意してほしい”と口止めしていたことが分かった」
朝ナマ:書き込みの半分以上が私の発言への抗議だったようだ。無理もない。これまで、尖閣諸島や北方領土(国後、択捉)は日本固有の島と教えられ、従順にそれを信じ、自分の見解が正しいと思っていた所に、それは間違いと言えば怒り狂うのは間違いない。しかし、日本の多くの人は、日本の国境問題を考える際の基本的事実を知っていない。教科書の記述などみればそれは恣意的に作られている。その中、どうしても了解しておくべき事実は次の点である。日本はポツダム宣言を受諾して戦後を踏み出した。第八項、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ。これは山川の高校教科書日本史にも記載されていない。だから多くの国民は知らない。この時点で、日本は「本州、北海道、九州及四国」除いて「固有の領土」という主張が通らないことを受諾したのである。だから「歴史的に尖閣、国後・択捉が固有の領土だから日本のもの」という論は国際的に通用しない。更にサンフランシスコ条約で日本は南千島を放棄し、吉田首相は国後・択捉は南千島と定義している。共産党は「そもそもサンフランシスコ条約は認めない」と言っているようであるが、こんな論は国際的に通じない。さらにカイロ宣言では「日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコト」となっている。尖閣諸島は1895年に日本のものにしたから、この条項の対象になり得る。自分達が教わった「尖閣、国後・択捉」が「日本固有の領土」論は国際的に通用しないと、私が主張するものだから、視聴者は怒る。怒られても構わないが、しかし、現実を客観的に直視出来ない国民には哀れな将来しか待っていない。我々が御マナすべきは、国境問題に関する基礎的文献、ポツダム宣言、カイロ宣言、サンフランシスコ条約の関係部分を見て、自ら考えることである。
国連:19日朝日「安保理理事国に韓国など5カ国 任期満了による改選で」。米国べったりの日本なんか、別に安保理理事国にする意味ないということ。今回は東アジアの番という何となしのコンセンサスで負け。次は又ASEAN等に回るだろうから当分駄目でしょう。
10月18日
戦後史の正体:元大蔵省次官が元通産省幹部に”あの本読んだか”と聞き、この通産省幹部が元外務次官に”読んだか”と聞く。外務官僚、読まない振りしながら、周りが読むので、否応なしに読まざるをえない。読めば考えるだろう。
米国学生:18日付 USA「2011年度大学卒業生の3分の2が借金。借金平均$26,600。彼らの失業率8.8%。但し高卒失業率は19.1%」
戦後史の正体:外国人記者クラブでの講演、勿論日本の大手メディアは報じない。中国反応。18日人民網「日本の元外交官”中日紛争は米国の戦略の一部”」。「『戦後史の正体』たちまちベストセラー上位。東京の米国大使館の女性報道官は、孫崎氏の著書における指摘や非難にコメントを拒否した。」
10月17日
18日読売社説批判。厚顔無恥。他が苦しんでも、自分達だけが栄えれば良い。「消費税率引き上げでは、新聞に対する税率を低く抑える軽減税率を導入すべきである」。そしてこれを支持しているは「公明党の井上幹事長、自民党安倍総裁、石破幹事長」なんですって。既得権益擁護集団か。判りやすい。
脱原発:どの政治家が本当に脱原発を実施するか。次の選挙の選択基準にしよう。17日東京「小沢代表は17日、独環境相と会談。小沢氏は10年後の脱原発を主張。独側は「福島の事故後『このままでは駄目』と、国民8割と全政党脱原発支持」ドイツは東電原発事故後2022年までの「脱原発」を決定
10月16日
17日読売社説批判:「原発住民投票 再稼働の判断にはなじまない。原子力政策は経済成長や雇用、安全保障等に関わる問題。住民投票によって是非を決めるべきではない」。民主主義の大前提は民意。読売新聞に、日本が民主主義国家という認識はないようだ。権威のある者が決める。旧ソ連並みだ。」
尖閣:「石原。我々の被った損害を賠償しろ」といえる経済人はいないんだろうな。経済人は日本の右傾化で刃が自分に降りかかる事を恐れてる。16日「トヨタ、中国・天津主力工場で生産の大半停止へ。天津工場の生産車種はカローラ、クラウン、昨年はトヨタの中国での生産の約6割約50万台生産」
尖閣・米軍:米国従来「尖閣諸島は安保条約の対象」。尖閣の火つけたが軍事紛争の可能性出るや火消しに一生懸命。16日朝日:ヘイニー太平洋艦隊司令官は16日、「米国政府は、領土紛争でどこの国の味方もしない」「いかなる国の武力行使にも反対する」などと語る。同盟国も敵も「いかなる国」入り。
オスプレイ・尖閣:「尖閣一ミリたりとも譲らない」と言う安倍氏等の人々、今沖縄の人がオスプレイ配備ですっかり冷え込み、”本土の人は何だ”という気持ちが広がっているのを知っているか。沖縄、独立しますと言ったら1ミリどころの話でない。中国に厳しく臨む前に基地で蹂躙下の日本どうかしたら
10月15日
原発・15日小沢記者会見(書き起し=来栖)「独が22年に原発ゼロという決定を国民の総意で決定し実行に移しつつある。我々(「国民の生活が第一」)の原発ゼロということが現実離れしたものでもなく、我々の方針が正しいものであるということを、わかっていただけたらと思っています」
尖閣・安倍・16日日経新聞は「1ミリたりとも中国に譲らず」との標題で次の報道「安倍総裁はバーンズ米国務副長官と会談し、領有権を主張する中国と“話合いの余地はない。尖閣については領土問題がないのだから、我々は1ミリたりとも中国に譲るつもりはない”と述べた」。恐ろしいことだ。次の首相になるかも知れないという人が尖閣の歴史は全く知らない。日本はポツダム宣言受諾。ポツダム宣言第8項は「カイロ宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ」。3つポイント。カイロ宣言は履行、日本が問題なく主権を及ぼすのは本州、北海道、九州、四国、その他は連合国側が決めるもの。更に1972年以降、米国は尖閣の領有権問題で中立表明。「尖閣については領土問題がない」は日本が勝手に思っている考え方。この考え方が日本中を覆っている。この異常を誰も指摘できない
尖閣・読売:日本社会は驚くべき右傾化が進んでいる。次の読売新聞1979年5月31日「尖閣問題を紛争のタネにするな」の社説を是非読み、この主張が正しくないか考えて欲しい。・尖閣諸島の領有権問題は、1972年の時も、昨年夏の日中平和友好条約の調印の際にも問題になったが、いわゆる「触れないでおこう」方式で処理。日中双方とも領土主権を主張し、現実に論争が“存在”することを認めながら、この問題を留保し、将来の解決に待つことで日中政府間の了解。・それは共同声明や条約上の文書にはなっていないが、政府対政府のれっきとした“約束こと”ことは間違いない。約束した以上、順守が筋道。・その意味では今回の魚釣島調査は誤解を招きかねないやり方。三原沖縄開発庁長官は「自然条件や動植物の調査をやったまでで、他意はない。これ以上の実行支配や地下資源調査は考えていない」というが、ヘリポートを作り、調査団派遣は、わざわざ実効支配を誇示ととられかねない。・どうしても学術調査が必要なら、事前に中国と話合い、共同調査やる方法なかったか。“小さな岩”で争うより、こうした重大な事業で日中両国が協力する方向に、双方の雰囲気を高めて行くことが大事だ。もし成功すれば、とかくこじれがちな領土問題に、よき解決の先例を国際的にもつくることになる。・魚釣島調査は、幸いにして無事に終わりそうに見える。こんごとも、尖閣諸島問題に関しては慎重に対処し、決して紛争のタネにしてはならない。」今日我々1970年代英知を何故失ったか、何故我々が過激な発言を好むようになったか
講演・戦後史の正体:外国人特派員クラブで講演。政治家が①中国問題で米国の先に行く②在日米軍基地の縮小を図ることを行った政治家は日本人の手によって排斥されてきた。その代表例が鳩山由紀夫氏。冷静に考えて見よう。野田氏の政策と鳩山氏の政策とどちらが良いか・鳩山氏が首相だったら①大飯原発再稼働なし②消費税増税なし③TPP前向き発言無し、④オスプレイ配備なし、⑤尖閣諸島騒動なしの可能性あり。日本社会は米国の指示を背景に鳩山氏を追い込んだ。追い込まれ辺野古容認に向かったのが鳩山氏の失敗であったが、我々が追い込んだ結果何を得たかは考える必要がある。
野田首相・自衛隊:野田狂い始めた。「首相”領土めぐる新時代”と訓示。”諸君が一層奮励努力を切に望む”。と締めくくった。”一層奮励努力”は、日本海海戦で掲げられたことで知られる”Z旗”で使われた表現。訓示では旧海軍兵学校の”五省”も読み上げた」、尖閣巡る軍事衝突で日本勝利はない。
菅原文太;対談収録終了。菅原文太氏のリベラル的思考と国際政治を含め政治に対する深い関心に感銘を受けた。冒頭菅原氏の発言「沖縄は変わった。これまで暖かく迎えられてきた。最近の訪問時、オスプレイ配備の影響で沖縄県民の本土に対する冷たい距離感を感じた」から会話スタート
10月13日
14日読売社説批判・新聞:「読者の期待に応えて正確な報道と責任ある論説を提供できているのか。日々、自問しながら、最善の紙面をお届けしたい」。読売新聞って「読者の期待に応えて」という理念あったんだ。でも再稼働、消費税、オスプレーで世論と逆行の論評。読売読者って世論と違う人々かしら
尖閣と教科書:我々は教科書は基本的に客観的と思っている。我々の考え方に大きい影響を与えている。この中教科書は領土問題はどの様に扱っているか。戦後体制はポツダム宣言の受諾から出発。。際社会で生きていく以上、その順守は不可欠。ではそのポツダム宣言は、領土問題にどう記載。第8項は「カイロ宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ」と記載。3ポイント。①カイロ宣言は履行、②問題なく主権を及ぼすのは本州、北海道、九州、四国、③他は連合国側が決定」。日本史で定評ある、山川出版社の「詳説 日本史」を見た。ポツダム宣言第六条、第十条、第十二条、第十三条は記載、しかし第八条は記載されていない。山川のカイロ宣言は「満洲・台湾・澎湖諸島の中国返還」を記載。カイロ宣言では「満洲、台湾及澎湖島ノ如キ日本国カ清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域ヲ中華民国ニ返還スルコト」と記述、山川で「清国人ヨリ盗取シタル一切ノ地域」の表現は削除。更にサンフランシスコ平和条約を見たい。サ条約の領土記述は 「第二章領域 第二条(a)日本国は、済州島、巨文島放棄。(b)台湾、澎湖諸島の放棄。(c)千島列島の放棄」がある。山川は第二条を抜かし琉球を扱う第三条を掲載。今日日本の領土問題で北方領土、尖閣諸島、竹島が問題、沖縄は解決。第二条を抜かし、第三条を記載は極めて不可思議である。領土問題は教科書では意識的な操作。従順な我々日本人はここで偏った歴史観が形成。「教科書に書いてるでないか」
10月10日
10日読売社説批判・オスプレイ:読売社説は驚きの連続だが今回は「オスプレイ配備。より強固な日米同盟の象徴に」。沖縄県民の大多数が反対しているオスプレイ配備が何故日米同盟の象徴になる。国民の意志に逆らい、米軍の利益に奉仕することを、読売新聞は崇高な事と思っているのか。隷属読売新聞。
10月9日
経済界と尖閣;9日読売「奥田碩元トヨタ社長は、尖閣諸島を巡る日中関係の悪化について「日本の経済界は大いに困惑している。政治的なコンフリクト(摩擦)が収まり、日中間の貿易が復活することを望む」。当然だろう。10日付日経「9月トヨタ新車販売台数48.9%減」。この悪化は経済界にも責任。日本の対中輸出は対米輸出よりも大を無視し、米倉経団連会長等が{TPPに入らなければ世界の孤児になる}という極論。この中日本国内で、中国強硬論をぶつことが正しいという世論を作った。経済界は勉強して、「尖閣諸島での棚上げは英知」と言える人位は出して欲しい
10月7日
戦後史の正体・鈴木邦男。15日付AERA「イメージは作られた。僕らは騙されたのか」「戦後の歴史について僕らは何も知らなかった。何も教わってこなかったんじゃないか。この本を読んでそう思った。自立派がいた。『そして彼らの多くは米国によって政治の表舞台から排斥されています』と孫崎さんは言う。マスコミに叩かれ、検察に逮捕される。背後に米国からの圧力や裏工作は確実に存在すると断言する。吉田茂は『自立』派じゃないかと僕らは思う。今に続く『追随』の基礎を作ったのだと孫崎さんは厳しい。僕らは多くの映像を見ることで、かえって何も見えなかったのか。怖い話だ」。私は鈴木邦男氏の評を読んで思う事がある。本の肯定的評価を堂々と述べる人は鈴木邦男氏や岡留安則氏等。共通している事がある。覚悟を決めて生きている人だ。 覚悟を決めて生きている人だからこそ、この本が響く。覚悟を決めている人にしか書評無理。日本よ。
孫崎享氏のツイットhttp://twitter.com/magosaki_ukeru
を許可を得て転載。孫崎享氏は元外交官・元防衛大学校教授
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〔eye2076:1201023〕
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