〝病める米国〟でまたまた銃乱射事件
- 2012年 12月 18日
- 時代をみる
- 池田龍夫
米国でまたまた凄惨な銃乱射事件が起きた。12月4日コネチカット州の小学校に20歳の男が銃を持って乱入、児童20人を含む計26人を射殺して犯人も自殺。2007年バージニア工科大学での32人射殺事件に次いで犠牲者が多い銃乱射事件となった。犯行前に自宅で母親を殺害しており、錯乱した男の犯行とみられる。
イラク、アフガン戦争に喘いでいる米国だが、内政の経済危機に次ぐ銃乱射事件の続発は〝病めるアメリカ〟を象徴するもので、「民主主義の旗手」の旗を降ろさねばならない危機的状況といえよう。
全米ライフル協会によると、人口約3億1500万円の米国で、民間人が所有する銃は約3億丁。建国当初から銃による自衛の権利を重んじる気風があり、憲法修正第2条は「武器を保持、携帯する人民の権利は侵害されない」と定めている。ライフル協会はこれを根拠に、銃規制反対の圧力団体になっている。
オバマ大統領は「胸が張り裂けるような事件だ。意味のある行動を」と訴えたものの、具体策に触れなかった。この背景には、ライフル協会を中心とした米議会へのロビー活動を無視できないためという。2007年の調査によると「100人当たり米国の銃の数は88・8丁で、2位のイエメンの54・8丁を大きく上回って世界一だ。連邦最高裁は08年の判決で「銃を自宅での自己防衛になどに使う」と認定し、自宅での銃所持を禁止した法律は違憲と判断しており、オバマ大統領には悩まし銃規制問題である。これらの背景を探れば探るほど、規制の早急な具体化は難しそうだ。
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〔eye2118:1201218〕
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