研究業績水増しの改善を
- 2012年 12月 31日
- 交流の広場
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人事や予算獲得の審査で有利になるために二重投稿等で見かけの発表論文数を多くする不正が現在の学界で横行している。例えば国立環境研究所では研究所外部評価の際に業績リストで二重投稿論文をすべてリストに加え、見かけの論文数で評価していた。
さらに重複をごまかす偽装も施されていた。水増し論文は業績リストに「EU KLEM データに基づく代替弾力性に関する研究」と載っていたが出版機関に照会してもそのタイトルの論文は存在しなかった。業績リストではタイトルが虚偽記載され、本当のタイトルは「Estimation of substitution elasticities for CGE models」だった。この論文は別な出版機関からも全く同じタイトル、内容で重複発表され、それも同じ業績リストに記載されていた。つまり、業績リスト上で重複がばれないように重複論文のタイトルを偽って記載していた。
これを環境研に指摘すると「水増しではなく不適切ではない。タイトルは不注意で間違ったもの。」と回答し、論文を削除するどころか虚のタイトルを直しさえしなかった。この論文の著者は他にもデータ流用や改ざんを複数の論文等で20 項目以上にわたって行い、それも指摘した。規定上調査しなければならないが、環境研はほとんど調査せず、著者は誤りの訂正さえしなかった。
他にも井上明久東北大前総長は大学公式ページによると2800 編以上の論文を発表した。こんなに発表できるわけがないから少なからず不正に業績数を水増ししたとわかるはずだが、これまでなぜか不正とされていない。
水増し業績等をもとに評価したら不適切な審査を誘発し妥当でない。国民の税金が無駄に支出され、本来必要とする研究ができなかったりする。これは大きな損害だ。
環境研等のように競争に勝つため等に不正を不正と認めないことがあってはならない。必ず改善してほしい。
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