孫崎享氏のTwitterより”エコノミスト誌の激烈安倍首相批判”など
- 2013年 1月 11日
- 時代をみる
- 孫崎享
<1月9日>
安倍首相:エコノミスト誌の激烈安倍首相批判。1月5日付で、「国(日本)の危険なほどナショナリスチックな新内閣はアジアが必要とする最後のもの(The country’s dangerously nationalistic new cabinet is the last thing Asia needs)」という論評。・現在日本は数年間で最も危険な状況。日本はロシア、韓国、中国と領土問題を持ち、近隣諸国との関係で外交的に孤立化。日本支配の係争地尖閣諸島に対する中国の増大する攻撃性は紛争の現実化する可能性。・安倍内閣は安全保障面は経済にもまして警戒心を呼び起こす。たんに内閣を保守主義と呼ぶと、その内閣の持つ修正主義的妄想を見逃す。・彼らは平和憲法を排除の意図・これらは米国を不都合な場所に置く。安倍氏は憲法に対する考えにもかかわらず、米国とのより親密な関係を築こうとしている。この政権は悪いスタートを切った。」米国を含め世界の知識人はエコノミストの論評には関心を払う。 こうした評価は、安倍氏の米国訪問が実現しなかった一因。米国は安倍政権そのものに大きい疑問。日本は中国、韓国、ロシアの近隣諸国だけでなく世界の多くの国から孤立する危険性。
ニコニコ動画コメント:(オスプレイ関連)国民の安全<米軍の軍用機の運用・・・ミジメだな…、米軍が日本を守るというのが幻想、残念ながら日本の空は米国のもの、たしかに、まずは地位協定に手を付けないと(自民党の公約)日本と取り戻す・・・じゃなくて・・・日本を売り渡す・・・だな。安倍は日本を売り渡す 売国奴、安倍がいくらしっぽ振っても米国は信頼しない、(集団的自衛権)アメリカの軍事行動は先制攻撃も含む、米国いう集団自衛権と国連の集団自衛権とは違う、わざわざ戦争に巻き込まれ、国内ではテロ報復リスク発生、米国と一緒に不正義の戦争に加担か大量破壊兵器どころか内政干渉にまで踏み込むんだ米国の先制攻撃、威勢の良い人達は米国の小間使い、日本人は単純、一度洗脳されちゃうと、原発54基は破壊工作阻止極めて困難 戦略の無さ、自民党は原発(核弾薬庫)を並べ何が防衛だ。通常弾で日本終了、お~い金がないから、お前自腹 きって協力しろ!って、ポチ未満だ!犬はそれなりにプライドがある。(ワンちゃんに謝って欲しい・・・長期政権を望むならば、米国隷属しかないと思っているから。)次回12日(土)夜10時、浜岡原発停止の署名運動に貢献された元在スイス大使の村田光平氏をお招きします。
<1月8日>
宣伝:本日の読売新聞です。PHP文庫『カナダの教訓 超大国に屈しない外交』ベストセラー『戦後史の正体』著者の伝説的名著を文庫化。国力は10分の1以下。それでもアメリカの言いなりにはならない!隣の超大国アメリカからの強い圧力にカナダはいかに対峙し、自主外交を貫いてきたか。『カナダの教訓』2:TP、Pオスプレイ、尖閣問題。。。混迷を極める日米外交に貴重な示唆を与えてくれる一冊」、本twitter読者のお蔭でしょう。PHPによれば出足好調とのことです。有難うございます。値段は文庫なので700円です。
安倍首相:閣僚経験の方から「自分は近く発売される英エコノミストのleaderという論文を読んだ。驚くべき厳しい表現で安倍首相を批判している」という電話連絡を今もらった。
国防長官:オバマは次期国防長官にヘーゲル元上院議員を指名。この指名は必ずしも、米国議会、メディアで強い歓迎の意が示されていない。逆にヘーゲル元上院議員の指名を阻止せんとする動き。この動きには2つの流れ。 一つは、産軍複合体を中心とする抵抗。今一つはイスラエル・ロビー関連。American Jewish Committeeはすでに、任命反対キャンペーンを開始。オバマ大統領は、安全保障では2つの重要課題。一つはアフガニスタンの撤退と国防費の削減。産軍複合体以外に人材求めた。ヘーゲルは熱烈なイスラエル支持者ではなくユダヤロビーが反発。
案内・フライデイ1月18日号「大予測2013、日米関係、アメリカが企む”日米属国化のシナリオ、孫崎享」、女性の裸の写真が大々的にでてる週刊誌ばかりたまってくる。見るつもりはないのだが、どうしてもちらちらと見る。 私の記事を読むためと400円払って、女性の裸体の週刊誌を堂々と持っているという手はある。
<1月7日>
原発:読売新聞は社説で執拗に原発再稼働を繰り返している。読者は気づかぬ内に洗脳されるのであろう。原発の危険への配慮全くなし。8日付・読売社説「茂木経産相が”原子力規制委員会が安全性を確認した原発は、政府の責任で再稼働を進める”と述べたのは心強い。」
<1月6日>
米国のアジア回帰:欧州は平和になって、武器買わないし、石油の値段低下で中東も武器買わないし、そうか”やっぱり金持っているのかアジア諸国だから危機煽って武器買わせよう」。煽れ煽れ中国の危機煽れ。煽る新聞社や出版社には宣伝費・購入たっぷり。日本いい国。従順にシナリオにのって動く。
軍需産業:中国の脅威を煽る。これで儲ける人々がいる。6日ロイター「中国や北朝鮮の周辺国への米国武器輸出は今年、地域緊張の高まりで、戦闘機やミサイル迎撃システムなどを中心に大きく増える。米国からアジア地域への武器輸出の増加につながり、欧州への輸出減速分を十二分に相殺」アジア重視です
日米関係:ああ、みっともない。安倍首相、会わせてほしいと懇願なのに、宗主国へのおめどおりが、かなわないのですと。7日朝日「安倍首相、1月訪米困難に 米側、成果重視で慎重姿勢」。やくざの親分に「上納金が少でダメ」の如し。TPP,辺野古移転、集団的自衛権、オスプレー購入宿題山積です
7日付・読売社説;この新聞の骨子は対米隷属と大企業への奉仕。大企業が購読するならわかるが、何故多くの国民はこの新聞を購読するのだろう。社説「◆法人税下げの検討を◆、高齢化で需要の増える医療や介護などの分野には、もっと高額でもいい。米国が主導するTPPへの参加は不可欠である。」
国防長官指名:オバマ大統領は国防長官にヘーゲル元上院議員(66)を指名の予定と伝えられてる所、5日CSMは「ヘーゲルはイランに厳しくなく軍事より外交を優先、イスラエルと距離を保ってきたことにより、国防長官指名の過程は困難が予想される」と報道。
新聞の信頼度:冷戦時代のチェコのジョーク「新聞でサッカーの試合の点数報道があったら100%信じていい。天気予報だったら50%。政治だったらゼロ。」読売新聞を見る時にも妥当。野球報道なら信頼度高い。しかし政治報道なら操作を意図だから信頼度極めて低い。この差、日本国民のどこまで理解?
講演・明治神宮至誠館「武道事始め」:「日本は外国軍が駐留する世界でも異常な国。戦闘地除き米軍の世界展開の3分の1、費用負担の2分の1以上が日本。日米地位協定で米軍のおもいのまま運用。この状況の脱却必要」と説明。200-300名の若き武道家達、これをどのように聞いただろうか
戦後史の正体:明治神宮至誠館「武道事始め」で、「占領期マッカーサーやトルーマンを日本を米国の奴隷とみなしてた。その時の吉田首相は独立後も首相で奴隷体質ぬけず、吉田学校と呼ばれ後の首相に引き継がれ今日まで。対するに重光葵は毅然と対峙。しかし日本人自らこれを排除」と説明。どう消化?
<1月5日>
ニコニコ放映・「カナダの教訓」・コメント:日本もカナダみたいに自立派が続けばいいんですね。何度折れても立ち上がるべく、イギリス系フランス系などが国家の主権を協力して守っている、日本には戦後奴隷根性がしみついた人がいる カナダにはいない、日本にピアソンが居たとしてそれを国士として誇りを持って迎えられるだろうか、. 英雄を望むよりも国民の民意こそが重要と思える、自国を維持するために米の圧力と対峙、孫崎さん。悲しいことに日本とカナダの民度には差がありすぎる。日本にカナダを求めるのは・・・戦後史の正体を読んだが、日本にも多くの国士が居たと感じた国土を蹂躙されたドイツができて、本土決戦を回避した日本にはできない・・・何で強い者に付いて行くこうとするのかね、自らが強くならずに。。沖縄は日本の一部なのに米兵がやりたい放題..、傭兵国家は御免だ、教育と報道が変われば、、長い道のりだ・・
イスラエル:4日CSM「パレスチナ人の対イスラエル軍事行動支持は昨年1月の29.3%から50.9%と大幅に上昇」
イラン情勢:3日付ロイターは大議論(The Great Debate)のコーナーで「今年はイスラエルがイランと戦争する年になるか」のSerwer論評。イラン情勢は引き続き国際政治の最大注目点の一つ
5日読売社説批判:「原発再稼働は欠かせない。 参院選で与党が過半数の議席を獲得すれば、憲法改正や集団的自衛権の行使を巡る問題にじっくりと向き合う環境が整う。」リベラルは総選挙で惨敗した。次の参議院選挙までにどう戦う態勢を構築できるか。出来ないと憲法改正等大変な事態到来
<1月3日>
原発:福島第一原発4号機の原子炉建屋が危険な状況。使用済み燃料1300体余り。東電は震度6強に耐えられるとしているが、建屋が倒れるのではと心配する声も。建屋倒壊事態には大惨事。村田光平元大使は「時限爆弾」を抱えた事故現場に日本内で危機感が存在しない現状は由々しきことと警告。
中国の監視体制:3日USA TODAY「中国には2千万ないし3千万の監視カメラ設置。2011年に1300万設置。今後5年間、年20%増。北京に80万個。2009年から2011年にかけ監視ネットワーク整備に160億ドル費やす」
日米:日本は全く異常な国だ。自国の軍を外国の傭兵(それも自分で金払い)にするのに嬉々としている。4日日経「自衛隊と米軍協力拡大。指針見直し世界に派遣。高まる米軍補完機能」 米国の海外活動は「望ましくない」と判断した政権を倒す戦略。こんなことし日本に中東テロリスト活動開始にどうする
韓国外交:「聯合ニュースは、ソウル高裁が3日、靖国神社放火容疑で日本側が引き渡し要請の中国人の劉強容疑者を中国に送還するとの決定」。2011年韓国の対中輸出は24.2%、対日は7.1%。韓国は日本より中国重視 日本側は日韓犯罪人引き渡し条約に基づき、韓国政府に引き渡しを求めたが
北朝鮮:4日朝日「グーグル社シュミット会長とリチャードソン前ニューメキシコ州知事らが、近く北朝鮮を訪問。韓国系米国人男性の解放や、弾道ミサイル発射、今後の米朝関係などを話し合いか」リチャードソンはカーター元大統領と並び、米国が北朝鮮との融和路線を模索する際に利用する人物。
ピアソン元カナダ首相演説:(『カナダの教訓』からの引用)ノーベル賞受賞スピーチ「今日の世界は、もはや、戦争によって防衛しうるものではない。平和は力ではなく、紛争の源を絶つことで達成。残念ながら、過去きわめて容易かつ頻繁に人々を戦争に駆り立ててきた。普通は平和な人間が集団的感情の高ぶりの下で野蛮になる。第2次世界大戦中のクリスマス・イブの晩、自分はロンドンに。突然空襲警報、音は対空射撃に、爆撃の落ちる不気味な音。爆弾は、自分の部屋の近くに落ちたよう。自分はベットの中、気を静めるため、ラジオのダイヤルを回した。『クリスマスキャロル』の美しい、平和に満ちた音色が部屋に充満。戦争の音をかき消した。そしてアナウンサーの声。それはドイツ語。ナチの爆撃は、戦争と死を告げつつ、響き渡る。他方、平和と救済のメッセージを込めて、音楽が響く。我々は一つの国から、二つの異なった音色が出るという矛盾を解決した際平和と戦争の問題を理解し、解決しうる立場にたてるであろう。このピアソンは1965年北爆反対の演説を行い、急きょジョンソン大統領に呼び出され、文字通り吊るし上げに合う。しかし、カナダ人はピアソンを外交の最大の思索家とみなしている。
<1月2日>
『カナダの教訓』:『カナダの教訓』は20年前に書いた本。私は2012年8月『戦後史の正体』を書いた。占領期以降、日本社会のなかに“自主派”の首相を引きずりおろし、“対米追随派”にすげかえるためのシステムが埋めこまれている。ではその中、日本はどう生きていけばよいか。石橋湛山の言葉にヒント。終戦直後、膨れ上るGHQの駐留経費を削減の石橋蔵相は、すぐに公職追放。その時の彼の言葉。“後に続く大蔵大臣が、俺と同じ様な態度をとることだな。また追放になるかもしれない、まあ、それを二、三年続ければ、GHQ当局もいつかは反省”米国は本気ならいつでも日本の政権を潰せる。 しかしその次に成立するのも、基本的には日本の民意を反映した政権。次の政権と首相がまたがんばればいい。自分を選んでくれた国民のために。それを現実に実行したのが、カナダの首相達。まずカナダのピアソン首相が米国内で北爆反対の演説をして、翌日、ジョンソン大統領に文字どおりつるしあげ。カナダは自国の一〇倍以上の国力をもつ米国の隣に位置。当然米国から非常に強い圧力。しかしカナダはピアソンの退任後も、歴代の首相達が“米国に対し、毅然と物をいわなければならない”という伝統、二〇〇三年 “国連安全保障理事会での承認がない”と イラク戦争への参加を最後まで拒否。国民も七割がその決断を支持。私が1992年『カナダの教訓』を書いたのはカナダ外務省局長の助言。彼は「日本は米国の関係で苦労している。しかし、米国との関係で、世界で最も苦労しているのはカナダである。日本がこの歴史を学べばきっと役立つ」と助言。私は歴史家ではない。カナダの地域研究家でもない。私がカナダを学んだのは、ひとえに、日本の行く末、日本として行うべき外交を考える参考として、である。何故カナダがイラク戦争に参戦しなかったか、学ぶ価値がある。
本日放映ニコニコ・コメント:今年勝負、参議院選挙までの半年間、重要、本当の情報をどこまで広められるかだ。再稼働やるきまんまん。濱野智史さん良かった、アーミテージを軍産複合体利権の代表者だとよくぞNHKで言った!!Nスペ後、岡本行夫氏は酷すぎるとNHKにクレーム(本情報は全くの未確認情報。そのように理解下さい)。世界の勢力図が変わる時何かが起こるって、落ちるところまで落ちないとわからん人が多すぎるのか、ASEANも元は米国主導だったけど米国の枷を外せたのは見事、昨日のNスペ再放送は5日、最終的日本暴走。そして孤立。米国の思う壺
孫崎享氏のツイットhttp://twitter.com/magosaki_ukeru
を許可を得て転載。孫崎享氏は元外交官・元防衛大学校教授
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye2150:130111〕
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