沖縄首長らの官邸要請団との面会で首相が言った言葉の報道にばらつきがある
- 2013年 1月 29日
- 時代をみる
- ピース・フィロソフィ―報道のばらつき沖縄首長の首相直訴
沖縄からオスプレイ配備撤回、普天間基地県内移設断念を求める150人の41市町村長ら直訴団が東京の日比谷野音で27日に大集会を開いた翌日の28日、官邸に要請に行った翁長那覇市長、稲嶺名護市長らが沖縄の「建白書」を安倍首相に直接手渡した。安倍氏は当初面会を拒否していて菅官房長官が対応することになっていたが、急きょ会うことになり、4分だけ滞在した後退席したという。このときの安倍氏の言葉の報道で、沖縄と本土の新聞に随分食い違いがあるようだ。
沖縄紙の報道では建白書を渡したときの安倍氏の言葉は
琉球新報
「ぜひ、意見に耳を傾け、これからも沖縄の基地負担軽減を含め頑張っていきたい」(「要請団によると」)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-201916-storytopic-53.html
沖縄タイムス
「みなさんが要請に来たことは、私も思うところがある。意見に耳を傾け、これ
からも基地負担軽減に向けがんばりたい」
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-01-28_44559
とあるが、
産経
「沖縄の負担軽減は、日米安全保障上からトータルで考えて対応したい」(「稲嶺市長によると」)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130128/plc13012812020011-n1.htm
これは共同(東京新聞サイト)。
「沖縄の負担軽減は、日米安全保障上からトータルで考えて対応したい」(「稲嶺市長によると」)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012801001448.html
(上記産経の記事はこの共同の記事とよく似ているので共同の記事である可能性あり。)
しかし東京は独自記事も出している。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013012802000223.html
「皆さん方が来たことに、私も思うところがある。ぜひ意見などにも耳を傾けながら、基地負担軽減を含め頑張っていきたい」(「翁長市長によると」)
NHKは
「日米安全保障上の観点から、トータルで考えて、沖縄の負担が軽減されるよう検討したい」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130128/k10015113011000.html
時事
「皆さんの意見に耳を傾ける。安全保障上の観点からトータルで考えたい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130128-00000057-jij-pol
毎日
「これからも基地負担の軽減を含めて頑張っていきたい」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130128-00000085-mai-soci
読売は記事がネットでは見つからない。
こう見ると、「耳を傾ける」と報道したのは沖縄二紙と東京新聞だけということになる。
「耳を傾ける」と「日米安全保障からトータル」では随分ニュアンスが違う。
「耳を傾ける」発言は東京新聞によると「翁長市長によると」となっており、「トータル」発言は共同では「稲嶺市長によると」となっている。翁長市長に取材するか稲嶺市長に取材するかで安倍首相の発言報告が異なったということであろうか。
「トータル」発言は、「沖縄にはこれからも日米安保の犠牲でいつづけてほしい」という含蓄がある。これを安倍氏が本当に言ったのだったら沖縄紙もこれを問題視して報道する必要があると思う。「耳を傾ける」発言も、本当に言ったのならナショナルメディアは報道するべきである。
報道各社にフォローを求めたい。
初出:「peace philosophy2013.1.29」から許可を得て転載
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