持久戦的様相にある脱原発運動と国家権力の動向から
- 2013年 2月 15日
- 交流の広場
- 9条改憲阻止の会
2013年2月7日 連帯・共同ニュース第303号
■ アベノミクスとやらで株価の値上がりと円安が進行している。この間の世界動向の中で円が相対的に高く《ドルやユーロが安く》、その調整に入っているのだ。背後にはアメリカとEU,それに日本が同時的な金融緩和で景気の浮上を狙う動きがある。これは2000年代の前半に似ているが、果たして持続するのだろうか。実体経済での後退を国家が金融政策や財政政策で支えるということは可能か。2000年前半の景気高揚策がリーマンショックを結果したことはよく知られているが、その再現はないのか。政府や独占資本は経済成長に展望を見出そうとしているが、アメリカやEUや日本で経済成長はありえるか。つまりは実体経済での停滞や衰退は解決されるのか。疑わしいと言わざるをえない。これらの地域では歴史的に経験してきた経済の高度成長はもう実現しない。成熟段階の経済だ。その転換こそが歴史的な流れであるのだ。アベノミクスは早晩に大幅な修正をせまられるか、国家借金《国債残高》だけが残骸の如く積み重なるかだろう。国家借金みんなでやれば怖くないというわけにはいくまい。経済政策に事を集中し、7月参院選挙までは我慢の政治を安倍政権はやるのか。こういう動きの中で脱原発運動は持久戦の様相をよりはっきりさせている。僕らはこういう時期だからこそ、まったりと構えて行く必要がある。こういう時期こそ、「遺恨10年一剣を磨く」ではないが、世の動きを見抜く力を鍛えていこう。
■ 経産省前テントは保持されているし、毎週金曜日の首相官邸前抗議は続いている。これを僕らは持続しながら、脱原発運動の地域的,場所的な深まりで重層的な展開を推進しなければならない。特に福島での放射能汚染に対する闘いを支援し、その困難な現状打破に力を寄せていかなければならない。福島の脱原発運動は生活のかかった闘いであり、それだけに複雑で困難な過程にある。そしてその現状を地域の外の人は知るのも難しい事態にある。テント前ひろばの運営意委員会は2月11日からの「福島月間」を提起し、これを打破したいと願っている。あらためて福島の現状に目を向けて欲しいと思う。「3・11」を前後して多くの企画がある。それらをセレモ二―に終わらせないためにも、福島の現状を注視し、現地の闘いに連帯する道を模索しよう。
■ 安倍内閣は憲法改正を政治公約にしているが、衆参での憲法審査会が近く再開されようとしている。憲法第96条(憲法改正の手続き)の緩和を図ろうとしている。いわゆる三分の二条項の緩和である。これらの動きに対して僕らは憲法についての見識の研鑚に努めて対抗して行きたいと思う。自民党はかつての新憲法草案を書き変え保守色を増した。以前の草案では天皇条項は現憲法のままであったが、今回は元首化を提起している。僕らはこのニュースなどでも憲法問題をシリーズ化して提起し、ともに研鑚に努めたいと思う。 (文責 三上治)
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