社会理論学会第102回月例研究会
- 2013年 3月 3日
- 催し物案内
- ルカーチローザ・ルクセンブルク岡田一郎社会理論学会
社会理論学会第102回月例研究会
日 時 : 2013年3月12日(火) 14:00~17:00 (土曜日ではないので注意してください)
場 所 : 大東文化会館403号室
【会場案内】
大東文化会館
〒175-0083 東京都板橋区徳丸2丁目4番21号 電話:03-5399-7038
案内図:http://www.daito.ac.jp/campuslife/campus/facility/pdf/culturalhall_access.pdf
タイトル:ローザ・ルクセンブルクとルカーチ
報告概要:ルカーチの『歴史と階級意識』には「ローザ・ルクセンブルク三部作」なるものがある。「マルクス主義者としてのローザ・ルクセンブルク」、「ローザ・ルクセンブルクの『ロシア革命批判』についての批判的考察」、「組織問題の方法論」がそれである。だが、ルカーチのローザ論は首尾一貫したものではなく、後の二つの著作では、レーニン主義の立場から逆にローザ・ルクセンブルクを批判しているところに特徴がある。その背景には1921年のドイツ革命、すなわち中部ドイツの「3月行動」の敗北といった経験がある。しかしながらルカーチのローザ論は、単なる政治的歴史的経験のみならず《自然発生性と意識性》といった従来の伝統的なマルクス主義の理論をウェーバーの社会科学方法論をなす「理念型」を用いて「階級意識の客観的理論は、階級意識の客観的可能性の理論」として定式化したところに特徴がある。すなわち、それはローザの『資本蓄積論』の転回=移動であり、『ロシア革命論』からの転回=移動である。これは現代思想の文脈では「構成的権力論」の問題射程として捉え返すことができる。「構成的権力」とは「憲法制定権力」概念を包摂するばかりでなく、芸術の領域における「産出する自然」概念、あるいは「ディオニュソス的労働」や「非物質的労働」、さらには「力への意志」を包摂する概念である。「構成的権力」の概念は、生政治・生権力の概念とも反響し合っている。プロレタリアートの階級意識の形成過程とは、まさに「構成的権力」の作動過程に他ならない。
本報告では、以上の問題関心を受けて『歴史と階級意識』における「ローザ・ルクセンブルク三部作」を考察し、《自然発生性と意識性》をめぐる問題を検討したい。
報告者 : 西角純志(専修大学)
会場費 : 300円
12:30より編集委員会・理事会があります。(参加者は事前に昼食を済ませておいてください)
お問い合わせは、下記にお願いします。
社会理論学会事務局
〒142-0041 品川区戸越6-6-12メゾンサクタ101号室 千書房気付
TEL: 050-3127-3589
E-mail: edi@sensyobo.co.jp
学会ウェブサイト
http://www.sensyobo.co.jp/ISST/index.html
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