脱原発への熱気は冷めず -明治公園の集会に1万5000人-
- 2013年 3月 12日
- 時代をみる
- 「つながろうフクシマ! さようなら原発大行動」岩垂 弘脱原発
東京電力福島第1原子力発電所の事故から満2周年を前にして、3月9日午後、東京の明治公園で「つながろうフクシマ! さようなら原発大行動」と題する集会が行われた。原発事故被災地の福島県からの参加者のほか、関東各県を中心に全国から労組員、生協組合員、平和団体関係者、一般市民ら1万5000人(主催者発表)が集まり、集会後、デモ行進をした。福島原発事故後、「さようなら原発1000万人署名市民の会」主催による大規模な集会が開かれてきたが、この日の集会は3回目に当たり、市民の間で「脱原発」への熱気がなお衰えていないことを示した形だ。
「さようなら原発1000万人署名市民の会」は、福島原発事故後、内橋克人(経済評論家)、大江健三郎(作家)、落合恵子(作家)、鎌田慧(ルポライター)、坂本龍一(音楽家)、澤地久枝(作家)、瀬戸内寂聴(作家)、辻井喬(詩人)、鶴見俊輔(評論家)の9氏の呼びかけでつくられた団体。市民の会は、政府と衆参両院に提出する「脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める1000万人署名」を計画し、この署名運動を盛り上げるためのイベント(集会)を東京で開催してきた。
1回目の集会は2011年9月19日に明治公園で開き、6万人(同)を集めた。2回目の集会は昨年(2012年)7月16日に代々木公園で開き、参加者は17万人(同)を数えた。
そして、今度の集会。会場は団体旗、のぼり、ブラカードなどを掲げた人たちで埋まったが、団体旗では連合系、それも自治労、全農林、全港湾、私鉄、教組など旧総評系の組合旗が目立った。それに、出版労連、東京土建など中立系労組の旗も。全労連系の組合旗はなかった。「全労連はあす10日、日比谷野外音楽堂で開かれる原発ゼロ大行動に動員をかけているからではないか」という声を会場で聞いた。
生協関係では、パルシステム、生活クラブ、常総生協のほか医療生協ののぼりが見られた。日の丸も一本あった
夫婦とみられるカップル、子どもの手を引いた家族連れ、高齢者ら一般市民の参加も目についた。市民団体の人が持った横断幕には「全人類は風下の人 原発全廃」と書かれたものがあった。会場に急ぐ参加者を乗せた地下鉄の電車内では、手作りの風車を持った中年女性に出会ったが、その風車の羽根には「脱原発」と書かれていた。
午後2時開会。市民の会呼びかけ人の鎌田慧、大江健三郎、落合恵子、澤地久枝さんらが登壇した。
鎌田さんは「私たちはフクシマのことを絶対忘れてはいけない。私たちは大飯原発を再稼働させてしまった。これ以上、原発を再稼働させてはいけない。そのためにも1000万署名に一層取り組もう」と訴え、大江さんは「もう1台の原子炉も再稼働させない。そのために働く。きょうはデモ行進を最後まで歩き続ける」と話した。落合さんは「皆さん、自分自身の心に約束しましょう。何があろうと後ずさりしまい、と。私たちは原発推進の政党に最大政党の地位を与えてしまった。空にはオスプレイが飛ぶようになった。参院選後には憲法改悪の動きが強まるでしょう。でも、後ずさりすることなく、一歩一歩進んでゆきましょう。毎日を反原発デーとしましょう」と訴えた。
会場では、1000万人署名が、この日で840万筆を超えたことが発表された。万雷のような拍手が巻き起こった。
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