【傍聴報告】原子力規制委・新安全基準検討チーム/パブリックコメントの検討
- 2013年 3月 20日
- 交流の広場
- 原子力規制委員会・新安全基準杉原浩司
19日(火)に行われた原子力規制委員会の新安全基準検討チーム会合につ
いて、阪上武さん(福島老朽原発を考える会)の傍聴報告を転送します。
資料の作成も不十分な中で、更田豊志委員の海外出張(米国とウィーン)の
合間に設定したずさんなものでした。説明も議論時間も極めて不十分。さす
がにこれで終了には出来ず、28日(木)に続きの議論が設定されています。
田中俊一委員長の記者会見とぶつかったため、いつもいる記者のほとんど
が欠席し、プレス席はガラガラでした。傍聴者からはこの点についても抗議
の声が上がりました。
なお、3月22日(金)10時~12時30分に「地震・津波新設計基準」検討チーム
会合が入っています。議題は「マニュアル類について」。活断層の判定を具
体的に行う際のマニュアルなど重要な内容が議論されます。可能な方はぜ
ひ傍聴を。申込締切は21日(木)12時までです。
発電用軽水型原子炉施設の地震・津波に関わる新安全設計基準に関する
検討チーム 第10回会合開催のお知らせ
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_taishinkijyun/20130322shin_taishinkijyun.html
————————– 以下、転送 ——————————–
新安全基準検討チーム会合傍聴
火災防護について、圧力バウンダリの定義についての議事に続いてパブリック・
コメントの検討がありました。
会議資料
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_anzenkijyun/20130319.html
コメント数は2,838件とのこと。この種のパブコメとしては多い数です。今日の配
布資料には、設計基準については、主なコメントとそれに対する規制庁側の考え
方をまとめたものと、骨子案の変更案が、シビアアクシデントについては、主な
コメントとそれに対する規制庁側の考え方をまとめたものだけがありました。
設計基準の変更案は、語句の変更が多く、他も枝葉末節なもので、根本的な変更
をもとめるパブコメには答えていません。事務方は、主な意見すべてではなく、
変更箇所とそのもとになるパブコメ意見について説明しただけでした。
シビアアクシデント基準も同様で、こちらは骨子案の変更案が間に合わず、主な
パブコメの対応のところに、いくつか要検討という印が打ってあり、これが変更
しますよということですが、それだけを読んで説明していました。他は検討に値
しないということでしょうか、それを事務方が事前に勝手に決めてしまうという
のはおかしな話です。会場から、すべてを説明して検討するよう声がありました。
検討チームの委員は今日はじめて見ましたということで、事務方の説明箇所につ
いて意見を言っていましたが、パブコメの検討というよりは、持論を述べている
だけのようにも見えました。山口氏は可搬施設の2nは多すぎるという、電力会
社に有利な持論を蒸し返していました。
パブコメの検討は次回28日に継続とのことですが、福島事故の検証や設計の見
直し、可搬設備の対応では不十分だといった根本的な提起に対する突っ込んだ検
討がなされるのか、今日の感じでは期待するのは難しい状況です。自分のパブコ
メの扱いについて確認をして、きちんとした対応を求めていきましょう。
また、28日の前の25日には事業者からのヒアリング(注)を入れるとも。なぜ事業
者だけからヒアリングを繰り返すのか。会場から、批判的な専門家のヒアリング
を入れるよう求める声があがりました。
阪上 武
注)3月25日(月) 10:00~12:30
第19回発電用軽水型原子炉の新安全基準に関する検討チームの開催について
(議題:評価ガイド等に関する事業者ヒアリング)
【傍聴申込は22日(金)12時まで】
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/shin_anzenkijyun/20130325kaisai_anzenkijyun.html
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