5/11(土) 仲正昌樹 哲学塾:《人間の条件》講義 ―〈動物化した世界〉で、アーレントを熟読する
- 2013年 5月 6日
- 催し物案内
- rengoDMS仲正昌樹哲学塾
講師:仲正昌樹・デザインスタジオ発哲学塾
2013/05/11(土) 第4章
2013/06/08(土) 第5章
2013/07/13(土) 第6章
・講 師:仲正昌樹 →amazonで著書をみる
・協 賛:作品社 受講料:各回 500円
・時 間 : 開場17:45 講義18:00-20:00
・ところ : rengoDMSホール / 〒102-0071 東京都千代田区富士見2-13-7 (googleマップ)
・予 約:こちらのフォームからご連絡ください。 当日受付も可能です。(満席の場合、ご予約されている方を優先いたします。)
《人間の条件》講義
―〈動物化した世界〉で、アーレントを熟読する -
『動物化した世界』。
高度電脳社会がますます発展するいま、物語ではなくデータベース上の欲望を消費させることが至上の世界。
はたしてこの世界で「人間の条件」はどうなるのか?
『現代の古典』を、ハイデガー哲学の色濃い影響を受けたドイツ語版と比較しつつ、アーレントの真意を読み解く、“熟読シリーズ第6弾!”
いま、日本は、アーレントが重視した活動=「物語」モーメントとは相反するデータベース上のオタク的消費=欲望を充足するだけの「動物化するポストモダン」化(東浩紀)の時代であるといわれる。
こうした〈動物化した世界〉を背景に、3・11以降、「決められない政治」、「コミュニケーション不足」、「(体感)治安」などの問題を“解決”するために、人々の無意識的欲望を集計し、直接的に統治の原理にする、功利主義・アーキテクチャ的な技法を待望する声も強まっている。
さらに、いま、日本の思想業界では、「原発」に象徴される科学技術の暴走を批判する言説が強まっている一方で、左派も右派も批判の蓄積と熟成された理論的軸を見失い、目立っていて叩きやすい“敵キャラ”への攻撃に終始している。どこかで聞いたような単純な敵か味方かの“古い議論”が、文字通り“動物的に”無自覚的に反復されている。
安易に、「○○の限界」と言って、“新しい思想”を持ち上げる前に、基本的問題を論じた古典を、ちゃんと読むところから再出発すべきだろう。
今回は、こうした3・11以降の情況に鑑み、狭い政治哲学を超え、社会哲学、法哲学、社会学、歴史学、さまざまなジャンルで《現代の古典》となり、現在もっとも議論の厚い、熟議、公共性論や民主主義論などで必読となっているハンナ・アーレントの『人間の条件』を熟読する。
主要には、ハイデガーの影響が濃いドイツ語版を参照しつつ(本邦初の試み、なお翻訳準備を兼ねる)、彼女の主要概念である「労働/仕事/活動」「活動的生活/観照的生活」「公的領域/私的領域」「社会的領域」「現われ」「共通世界」「物語」「世界疎外」などを、文脈に即して解説していく。
『全体主義の起源』や『革命について』など、彼女の他の著作や、哲学的な師であるハイデガーやヤスパース、反面教師であるマルクスとの関係、理論的後継者と目されるハーバマス(+ロールズ)との異同等も視野に入れながら読んでいく。
サンデルなどの「共通善」の理論との違いも、検討する。
更に、彼女に固有の「政治」理解や、市民社会批判、大衆社会批判、ルソー批判等を、
現代のネット・コミュニケーション論や民主主義「2・0」論と関連付けて論ずることも試みる。
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