テント日誌特別版 <フランスからのメッセージ>フランスからテントひろばのみなさまへのメッセージ5月16日
- 2013年 5月 17日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
福島第一原発事故発生以来、危険を過小評価し、事実の隠蔽や歪曲と虚偽に終始する東電と国・自治体によって、市民は知る権利と「安全に生きて子どもを育てる」という基本的な人権を踏みにじられました。しかし、多くの市民が抗議の声を上げ、住民の健康と命を守るためにさまざまな行動を起こし、脱原発を要求しつづけています。2011年9月11日から経産省前につくられた「テントひろば」は、原発事故による被害と苦悩を強いられた福島の人々と彼らを支援する市民が出会い、連帯し、自由に語り合い、行動と時間を共にする真に民主的な場となっています。この創造的な抗議と連帯の場が生まれ、存続しているのは、日本の市民運動のなかでもめざましいことであり、海外からも注目され、支援されてきました。
わたしたち「よそものネット・フランス」(在外邦人の脱原発ネットワーク・フランス部)と「脱原発パリSortir du nucléaire Paris(SNP)」のメンバーもテントひろばを支援し、フランスの市民やメディアに向けて、その存在の重要さを強調してきました。よそもののメンバーの何人かは日本を訪れた際にテントひろばに立ち寄り、そこでの新たな出会いによってネットワークを広げてきました。今回、日本政府がテントひろばに対して撤去・土地明け渡しの請求訴訟を起こしたことや不当逮捕があったことに、わたしたちは大きな怒りを感じています。ハンストなどみなさんの訴訟取り下げ要求の行動を支持し、フランスから支援の声を送ります。また、何らかのかたちで現地の連帯行動をおこしたいと考えています。よそものネットを通じて、フランスだけでなく世界各地のメンバーに署名や支援行動の要請を発信したので、各地からも支援メッセージが集まると思います。
日本は安倍政権になって脱原発とは逆方向へ舵がとられ、人々の健康と命を守ろうとする活動や脱・反原発運動への風当たりが強くなっているようです。この状況において、持続するレジスタンス(抵抗)の象徴であるテントひろばの存在は非常に重要だと思います。日本国内のみならず、世界各地で原子力・核の廃絶を願う市民にとって、テントひろばは希望をもたらすアゴラ(広場)です。みなさんのご健闘を心からお祈りします。わたしたちも支援の輪が広がるよう、努めていきます。
2013年5月16日 よそものネット・フランス Sortir du nucléaire Paris(SNP 脱原発パリ)
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。