三陸の海を放射能から守る岩手の会から、賛同のお願いです
- 2013年 5月 25日
- 評論・紹介・意見
- chiba三陸の海放射能
三陸の海を放射能から守る岩手の会から、
「放射性物質による環境汚染防止のため、環境基本法並びに関連法
による厳正な法整備を求めます」という要請書を総理大臣、環境大臣、
原子力規制委あてに提出するそうです。
要請書かなり長い文面ですが、いま以上に放射能汚染を拡大させない
ためにできることをしたい、という願いがこもっています。
よろしくお願いします。
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要請書全文
http://homepage3.nifty.com/gatayann/130521yousei.pdf
5月28日まで全国から賛同団体を募集します。
問合せ(岩手の会)
TEL/FAX 019-661-1002 メール hgf01360@nifty.com
提出日 5月30日(木)
場所 参議院議員会館B106室12時半から通行証配布(1階ロビー)
午後1時~ 市民集会
午後2時~ 総理、環境大臣、原子力規制委員長へ要請書提出
(遅れる場合は、川田龍平議員へ面会として、受付けをしてください)
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以下、要請書全文をテキストで貼り付けます(長いです)
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平成25年5月30日
内閣総理大臣 安倍晋三様
環境大臣 石原伸晃様
原子力規制委員長 田中俊一様
提出団体
花とハーブの里(青森県六ケ所村)
PEACE LAND(青森県八戸市)
豊かな三陸の海を守る会(岩手県宮古市)
三陸の海を放射能から守る岩手の会(岩手県盛岡市)
三陸・宮城の海を放射能から守る仙台の会:わかめの会(宮城県仙台市)
脱原発とうかい塾(茨城県東海村)
他 賛同団体 団体(団体名は別紙参照)
----- もうこれ以上、海に空に放射能を流さないこと -----
放射性物質による環境汚染防止のため、環境基本法並びに関連法による
厳正な法整備を求めます
福島第一原発事故により大地、大気、水系、海洋等、国内は広く放射能
で汚染され多くの人々の生活は根こそぎ奪われました。事故後2年が経過し
ましたが、福島県民をはじめとして15万人以上もの人びとがいまだに避難
生活を余儀なくされています。
国会・政府・民間の諸事故調査委員会の報告と提言により「国民の安全
を最優先に、原子力に対する確かな規制を通じて人と環境を守る使命」の
もと独立した意思決定機関として原子力規制委員会が環境省の外局に設置
されました。また昨年6月には放射性物質の規制を原子力法に委ねるとする、
環境基本法第13条が削除され、放射性物質による“環境汚染防止の措置”
については原子力関連法から環境関連法に移行されることとなりました。
しかし原子力規制委員会が発足してから半年以上が経過しましたが、もっぱ
ら原子力施設の過酷事故対策が重点的な審議事項になっておりその他の法
整備については審議されるのか不明です。特に日常的に環境を守るための
放射性物質の規制措置はどうなるのでしょうか。また原発事故により発生
した放射能汚染廃棄物の処理処分について急遽定められた「措置法」など
各法律間の整合性がなく、法体系が暫定的もしくは不備のまま進められ、
各地では対立が起こるなど混乱を極めています。
わが国は公害の深刻化により昭和45年に“公害国会”が開かれて、
「経済との調和」条項を削除、環境優先のもと各種公害関連法を制定し、
環境が著しく改善されました。今回の原発事故は人類史に刻まれる深刻な
被害をもたらし、諸外国からも我が国の対応が注目されております。“公
害国会”にならい、“原子力公害国会”を開催し国民の安全と環境保全を
最優先に厳正かつ体系的な法整備をして、これを国内外に示すことが国の
責務ではないでしょうか。
二度とわが国でこのような原子力事故を繰り返さないことは当然のこと
ですが、国民の日常生活と環境を放射能汚染から守るため罰則も含め整合
性ある統括的な法整備を求めます。環境省による迅速な放射能汚染防止の
整備、その厳正な規制法のもと原子力規制委員会は過酷事故防止に加え日
常的な放射性物質の監視を強めその責任を果たして下さい。
IAEAの2006年“基本安全原則の2”には政府の役割として「独立した規
制機関を含む安全のための効果的な法令上及び行政上の枠組みが定められ、
維持されなければならない」とあります。
この原則は私達の要求とも重なっています。
以上の主旨のもと、この豊かで美しい国土を、二度と放射能で汚染させることなく、私たちや子孫がこの地で安心して生活し、末永く生き続けられるよう、次のことを要請します。
要請事項
1.【法整備による責任体制の明確化について】
関係各省庁(原子力規制委員会、環境省、経済産業省、文科省、原子力委
員会等)の原子力施設の事故防止・放射性物質汚染防止などに関わる所管
業務や責任体制を明確にし、国民に広報し周知徹底すること。そのための
法整備を要請します。
2.【環境基本法とその関連法による放射性物質の規制について】
環境基本法ならびに環境関連法による放射性物質規制の法整備をすること
2-1 放射性物質を環境法で規制するよう明文化し、原子力推進政策か
ら脱し、国民の生活・健康と環境を守ることを最優先し法制度を統括・
体系化し整備すること。
* 未だに、放射性物質から私達の生活・健康と環境を守る規制機関や
規制値の決定機関が判然とせず混乱しております。原子力規制委員会が環
境省の外局に設置されたことは、環境を保全する姿勢を第一に厳正な放射
性物質の規制が期待されるからです。そのための整合性ある規制法を制定
してください。
2-2 昨年6月環境基本法第13条(放射性物質による大気汚染等の防止の
ための措置は原子力関連法で定める)が削除されましたが、この条文を担保
する施策・規制措置を環境基本法はじめ関連法で早急に制定すること。
* 国民・環境を守る観点に立脚し放射性物質の防止の措置として、
厳しい環境基準や環境影響評価を実施してください。放射性物質を環境
基本法の対象物質からはずし特別扱いとしたために、原子力行政は規制
措置を講じないまま40年以上もなおざりにされてきました。
* 環境基本法第13 条が削除され、放射性物質による環境汚染防止の
措置については原子力関連法から環境関連法に移行されることとなりまし
たが、肝心の大気・水質・土壌汚染防止等の個別法が適用除外されたことは
重大問題です、早急に個別法に取り入れるべきです。
3.【再処理工場の放出規制の問題について】
同一国内で原子力発電所に排水濃度規制があり、核燃料再処理工場には
ないという、おかしな規制方式は環境保全上から見ても許されることでは
ありません。放出規制は原子力施設の種類により差異がないようにする
べきです。原発で規制、再処理で野放しの放出規制を改めることを要請
します。
* 六ケ所再処理工場のアクティブ試験で、2007 年度には原発のトリ
チウム排水濃度規制値を平均で558 倍上回る排水を海洋へ74回放出して
います。最大値は規制値を2800 倍上回る排水585トンを海洋へ放出しま
した(2007.10.2)。このまま本格操業を許しては海の汚染が必至です。
4.【具体的規制方法の問題について】
人の健康・環境を守るための濃度規制、線量限度、モニタリングに改める
こと
4-1 原子力施設から放出される放射性物質個々の濃度規制は原子力
関連法で決められていますがどれも緩過ぎます。見直しを行い厳重な放出
濃度規制値と総量規制を行うことを要請します。
* 原発などの原子力施設の 現行放出濃度基準は遺伝毒性をもつ化学
物質の放出・環境などのリスクに基づく規制と比べあまりに緩く、環境や
人々の健康を守るものになっていません。例えばトリチウムの原発放出濃
度規制値は6万Bq/L 、これは自然界の水中濃度の6万倍の値です。 一般
廃棄物の最終処分場からの排出水の濃度規制値は原子力施設の規制値であ
るセシウム134の60Bq/L、セシウム137の90Bq/Lを適用していますが、原子
力施設でない一般廃棄物最終処分場に原子力施設の基準を該当させること
は問題です。
* ドイツ政府の調査によるとドイツの原発周辺では小児白血病が高率
で発生していると報じられています。2007.12ドイツ環境省と連邦放射線
防護庁により公表。4-2 放射性物質の基準値とモニタリング方法、その
評価について、現実的で実効性のあるものにすることを要請します。
* 原子力施設から放射性物質の大気放出については排気筒での規制を
せずに、周辺敷地境界で行っています。さらにこの測定頻度が少ない上、
その値を3ヶ月平均値の規制 としています。これでは大事故があっても
基準をクリアしてしまうような規制方式であり納得できません。例えば
クリプトン85は敷地境界で1立法メートル当たり10万ベクレルが規制値
です。福島原発事故時3ヶ月の平均値でこの基準を超えたのでしょうか。
過酷事故が起こっても基準以内となるようでは意味がない基準です。
* 再処理工場から海洋へ放射性物質を放出し、工場周辺の実効線量
が3ヶ月で250マイクロシーベルトとして評価をしていますが、海に流し
て陸上で評価するのは誰が考えてもおかしな規制です。海洋で測定すべき
です、海がいくら汚染されても問題にならない環境規制は意味がありま
せん。
以上です。
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連絡先 〒020-0004 岩手県盛岡市山岸6-36-8
三陸の海を放射能から守る岩手の会 世話人永田文夫
電話/FAX 019-661-1002
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賛同団体名
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion1310:130525〕
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