疎開裁判「集団避難プロジェクトキックオフ集会」
- 2013年 6月 13日
- 時代をみる
- ユープラン福島集団疎開裁判
ふくしま集団疎開裁判について、いつも皆さまがたから激励をいただいております。
今後の活動の方向性についてご報告いたします。
すでにご承知のことと思いますが、4月24日の仙台高裁の決定(判決)は、放射線に関する最新の科学¬的知見に基づき「低線量の放射線に長期間にわたり継続的に晒されることによって、その(子どもの)生命・身体・健康に対する被害の発生が危惧される」、「子どもたちの生命・身体・健康に由々しい事態の進行が懸念される」という画期的判断を示しました。しかしながら郡山市が子どもたちを避難させるという義務を負うという決定にはいたりませんでした。
弁護士によれば「逃げようと思えば自分で逃げられるのだから」という驚くべき理屈です。私の印象では極端に言うならば「火事に追い詰められた家族は、シーツを割いてベランダから降りればいいのだから」「人質は自分で犯人と闘って脱出すればいいのだから」消防士も警察官も助ける義務はないというくらいの物凄い内容で、これは日本という国家の存在基盤すら危殆に瀕するような判決なのではないかとすら思っています。
この高裁判決を受けて、弁護士のほうでは今後は二つの闘いを考えています。法律門外漢の私の文責ですが、最高裁での門前払いが予想される控訴に無駄な時間を割くことはせず、ひとまずは「由々しい事態の進行が懸念される」という事実認定を確定させたうえで、
●新たな訴訟を起こし、高裁の事実認定を有力な証拠として、有利な展開をはかる。
●その一方、もう時間がないので、私たちの手でこどもたちの避難事業に着手を開始する。
という方向で今後の活動を行っていきます。
その意思の表明として、「緊急・集団避難プロジェクトキックオフ集会」が、6月9日に開催されました。詳しい内容はこちらをご覧ください。
第1部
http://www.youtube.com/watch?v=1cfM3BP-96k
第2部
http://www.youtube.com/watch?v=SRSDT_lHPkk
自衛隊が不発弾の処理をするときは、必ず半径数百メートルの範囲の住民を避難させます。だからといって「せっかく避難したのに爆発しなかったじゃないか」と怒った住民は(多分)いませんし、今までに処理に失敗して爆発させた事例は(殆ど)ないと思うのですが、だからといって万一にそなえて住民を避難させることに対して異論が大勢を占めることは、これからもないと断言できるでしょう。
集団疎開も同様です。罪もない、澄んだ眼のこどもたちのいのちの貴さを、わたしたちがどう考えているのかが問われている問題です。どうぞ今後とも、みなさまがたの暖かいご支援をお願いしたいと思います。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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