テント日誌8月28日 経産省前テントひろば718日目~残暑といってもなぁ…
- 2013年 8月 30日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
夜も朝もテントは比較的涼しい。日によっては違うのだが、秋の気配を感じさせるといっても過言でない。でも、日中は暑い。残暑と言っても、本格的な暑さが去ってはいないと思える。暑さ寒さを愚痴るよりは季節感を楽しんだ方がいいのだろうと思うが、なかなかそうはいかない。何かしら、季節を遊ぶということができない。人は季節の記憶を身体に埋め込んでおり、それを思い出しながら、季節に彩りを与えて生きているのだが、時代というか時間の流れが速すぎて、季節の記憶にとどまってみる心の余裕が持てないのだろうか。テントは9月11日で3年目を迎えるが、時間の流れの速さを実感する。この時間の中で、身体の記憶になる様々の表出(動き)があり、それはまた時間の流れに抗することだった。持久的な闘いとはそんなこと繰り返しだが、僕にはいくらか季節感に浸れたというのがその一つだったといえる。
前から行きたかったのだが、ネット上での誘いもあって「すみだ錦糸町河内音頭大盆躍り」に出掛けた。これは朝倉喬二の呼び掛けとすみだの商店会とで続いてきたものだが関東では珍しいものだ。阿波おどりは都内でも各地にあるが、河内音頭はここだけか。学生時代に河内地方出身の友人がいて何となく親しみを感じていたが、出掛けてみてよかった。ステージでの音頭取りの歌がここ地よいリズムとなって響き、合間の囃しもそれを盛り上げる。歌と言うか、語りというか音頭取りの歌に魅せられながら、身体は勝手に反応している。身体の中に反応し、流れるリズムは手拍子となって自然に出ている。また、いつの間にか、踊りの輪に入ってとにかく体を動かしていた。テント前で何度かやったカンショ踊りを思い浮かべたが、河内音頭の方が踊りやすい気がした。
日本列島では現在の夏になれば盆躍りが各地であるのだろうが、それは一度解体(衰退)し、儀式として復活しているが、原初のエネルギーを失ったものが多い。身体の中に入っていた原初のというか、自然なエナジーは失われて子供用に復活したのだ。この河内音頭盆踊りは原初のというか、自然の匂いがまだ強く残っているように思える。その魅力を、長時間堪能させてもらったが、こうした歌と踊りがテントに現れたらいいなぁと勝手な妄想もしていた。脱原発―反原発運動はこうした民衆のエナジーに支えられてしかるべきなのだと思う。これは単なる想像ではなくて、カンショ踊りはその端緒だったわけで、可能性はあるのだ。長い脱原発の運動の中でそれが現れる日を夢想する。
溢れ出る汚染水による汚染、それはどれほど続くのか。二年、三年と事故が続けばその汚染水はどれだけの量になるのか。それをどう処理するのか。使用済み核燃料のことがいつも話題になるが、これから想像すれば、それがいかに大変で絶望的なことかすぐに分かる。原発を動かせばそれを加速させる。政府や東電はどうしているのだ。金がないわけではあるまい。対策を取るとか、先頭になってというが紋切り型の対応を出ない。腰が入っていないことは見え見えではないか。政府は福島原発の事故対策に本腰を入れよ。それが最良の外交政策である。福島の事故を解決しえないで外国から信頼されることなどありえないではないか。科学技術が云々というなら、それを今動員して見せてくれたらいい。事を小さく見せようとして、情報を隠し操作してきたがそれもできなくなっている。もう、姑息な対応を続けることをやめよ。レベル3の事故だって(?) あの枝野さんが3月12日の後に言っていたことではないのか。こういう対応は人々の不信を募らせるだけだ。これはレベル7の事故なのだ。みんな分かっているのである。
最近。あらためて福島第一原発での全電源喪失が津波にではなく、地震に起因するものではないかということが提起されている。これは以前から調査要求のでていたことだが、政府や東電に無視されてきた。これを認めて調査に入ることは、再稼動戦略に関わるからだ。情報を隠蔽し、事故を小さくみせようとするのは、再稼動戦略があることを見抜かなければならない。そこにこそ、すべての源があることを絶えず認識しておかなければならない。様々な動きの中で政府や官僚、それに独占体は再稼動戦略を手放していないこと、そこを、現在の問題と関連してみていなければならない。
今日は午前中からテントの訪問者が訪れた。まず、韓国の野党系の活動者の方が、奥さんと娘さんを伴ってテントを訪れた。テントの設立のいきさつや脱原発運動の話を色々とする。韓国の現状も日本と似ているところがあるらしい。最大野党の民主党が脱―反原発運動の参加に消極的なところがあるとのことだ。日本の民主党が一部の労働組合(電力労連)の意向で身動きが取れず、国民から信頼を失っている事態と同じ事か。今回の脱原発―反原発運動は既存の政党や労働組合が前面に出てきていないことが特徴であり、それは良き兆候である。政党や労組主体の運動からの脱皮をということなどを話しあった。何かしらの裁判や小さな集会が霞ヶ関の周辺ではいつもある。それに参加した人がテントによってくださるのだが、これは日によって違う。今日は多かった。夜には東電に向けた緊急アクションもあった。テント周辺も秋になって動きが出てきたと言えるのだろうか。(M/O)
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9月11日(水)「怒りのヒュウマンチェーン」
◆午後3時~5時/経産省前座り込み・抗議集会《福島と全国原発立地からの参加者中心に》
◆午後6時半~7時半/テント・経産省前1分間スピーチ
◆午後7時半~/経産省包囲・怒りのヒューマンチェーン
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9月12日(木)「テント裁判第3回口頭弁論」
◆午後1時~/東京地裁前集合・抗議集会
◆午後2時第三回口頭弁論(東京地裁103号室法廷)
◆午後4時~報告集会(参議院議員会館講堂/発言 神田香織・河合弘之・渡辺ミヨ子他)
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