テント日誌10月27日 経産省前テントひろば778日目~雲ひとつ無い青空に
- 2013年 10月 28日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
雲ひとつ無い青空に飛んでいく鳥の群れ、飛行機がくっきり見られる気持の良い朝だ。鳥の群れは渡り鳥の一種「メスリ」では?といわきから来たY さんが教えてくれた。聞いたことの無い名前だが地方の呼び名なのかなと思う。台風の影響なのか強い風が吹くのでのぼりを片付けた。つい先日まで汗を流していた気がするが、もう寒さ対策をしなくてはならない。
泊まりの人によると明け方はとても寒かったそうだ。これからが思いやられる。今日もあちこちでイベントや集会があるのでテント防衛は少数精鋭だ。泊まり開けのまめなFさんがテントの裏のほうに置かれた壊れ傘などを集めて処分して下さる。テントの美化も欠かせない仕事、
11時過ぎて女性2人が加わり、その後久しぶりに犬を連れたMさんが美味しい中華ちまきの差し入れを持って来て下さる。犬のルイちゃんは少し前に歯槽膿漏で抜歯したそうだ。犬は飼い主にも弱みを見せないので気がつくのが遅れたそうです。歯を抜いてからまた元気を取り戻したということで一安心!
会話は秘密保護法のこと、何が秘密かわからないで逮捕されてしまうかもしれない。原発も秘密にされてしまうようだ。80年代に出された国家秘密法案は国会内外の反対で廃案になった。それにはマスメディアの働きが大きかったと言う。最近になってやっと新聞などで大きく取り上げるようになったが、もっと反対の声を上げなくてはなどなど。
私とKさんは三宅洋平さんのトークイベントの手伝いで早めに会場へ行く。洋平さんの話はユニークでとても興味深かった。詳細はIWJで放映されるのでご覧下さい。私が、心に残った言葉を幾つか上げておきます。彼は最初に3・11の後どなたかが「深刻になるな!真剣になれ!」言ったことをあげた。今の世の中を憂いてややもすると深刻になって落ち込んでいるだけの状況に鞭打たれた感じだ。真剣にならなければ…。
また市民運動に対して「目的を忘れて運動のための運動になっているのではないか」との言葉に思い当たることもあり、反省しなければと思う!原発を止めると思ったら止めるのだ!と言う力強い信念が必要だ。またお金の集め方や運用にも工夫が必要なこと幾つか斬新なアイディアも出した。次回の参議院選挙にはまた出馬するとのこと応援したくなる。
余談だが、司会した木内みどりさん直接お会いするのは初めてだったが、背がすらっとしていてとても素敵な方だった。(I.K)
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炉心溶融―溶融燃料の存在が根本問題
10月27日の日曜日午後に開催された福島原発事故緊急会議主催のシンポジウム「拡大する汚染水漏れと被爆労働 再稼働なんてありえない」でピースデポの湯浅一郎さんの話が印象に残ったので簡単に要約する。
■ 港湾内魚類の高濃度汚染
港湾内魚類は本年3月15日に74万Bq/kgのアイナメを検出(食品基準の7千倍!)。原発から放射能汚染水が出続けている! この頃から「汚染水の海洋への漏えい」が政治課題に。だが発表は参議院選挙直後。
■ 政府の政策パッケージは対症療法
汚染水を「取り除く」(高濃度汚染水の除去、高濃度汚染水の浄化)、汚染源に「近づけない」(凍土壁)、汚染水を「漏らさない」(水ガラス、タンク管理)などの対策は、東電が既に計画していたパッケージで対症療法に過ぎない。
■ 根本問題をはぐらかす東電の水処理対策
地下水の流入が本質ではない。本質は、原子炉、とりわけ溶け落ちたと言われる燃料デブリの存在状態や、それに即しての冷却作業そのものが、どう行われているのかに関わること。この問題の正面からの記述はない。
■ 燃料デブリが半減期に応じて崩壊熱を出し続けている
7月10日の原子力規制委員会で更田委員が「いまだに元がわからない」と言ったのに会議ではそれ以上の議論にならずスルーした。国会事故調報告にも「溶融燃料が、現在、どこにどのような状態で存在しているのかについてはなにもわかっていない」と記述されている。
■ 放射性物質の収支を示せ
冷却用の水は滞留汚染水を使用して冷却後は再び滞留水に入る「循環冷却ライン」は閉じて循環する冷却系統ではない。重要な放射性物質の収支が示されていないので、滞留水の濃度がどのように低下していくのかわからない。問題の根源は所在が不明な溶融燃料(燃料デブリ)。
確かに、10月23日の記者会見で田中原子力規制委員長も、「溶けた燃料は、ではどうやって冷やすのだ、冷やさなくて済むレベルまで行っているかというと、必ずしもそこの評価も、これから少し詳細にやらないと分からないのですよ。どんな状態で溶けているのか、どこにどういうふうに溜まっているかも分からない」と話している。
放射能汚染水量の収支とともに、放射性物質の収支に着目し、これを追及していかなければならないことを湯浅一郎さんに教えられた。(K.M)
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