街の中で生まれている政治的動きから
- 2010年 10月 26日
- 評論・紹介・意見
- 三上治
10月26日
季節は確実にめぐってくる。それは僕らにとって救いのようなところがある。紅葉の美しい季節になって、温泉でも行こうかというのが家人とよくする話だが実際はなかなか難しい。週末はお互いに忙しいからだが僕はあちらこちらの集会などに出掛けた。政治的季節がめぐってきているというわけではないが何か引っかかっているものがあるのだろうと思う。
沖縄では11月28日に知事選がある。この選挙は沖縄にとってだけでなく、日本の今後にとっても重要な位置を持つと思える。直接的には基地移設問題に、
本質的には沖縄と本土の関係に影響するのである。僕は仲井真現知事ではなく、対抗馬と目される伊波候補(前宜野湾市長)を支持している。彼の話がある集会に出掛けたが、「沖縄を変えることで日本も変える」という主張に共感した。日米同盟と言う名のアメリカ支配に取り込まれた民主党政府と対抗し日米関係を見直し、変えようとする動きは沖縄の地域住民の自立した運動や主張に担われている感もするが、伊波候補の見識と構想はそれを応えるにふさわしいものだと思えた。また、翌日は沖縄関連の別の集会に出掛けた。この集会は沖縄(琉球弧)の自己決定権の樹立という表題が掲げられていた。この間の沖縄の動きの中に沖縄と本土の歴史的関係を変えようとするものを感じてきたが、この表題はそれを象徴する言葉である。沖縄の地域住民の自己決定権という自立した動きは沖縄と本土の関係だけでなく、本土での住民と政府の関係にも影響する。この自己決定権は住民の自立性が直接民主主義的な現れを通して官僚主義的な
政府や権力を変えていくことになるが、これは本土での将来的な政治像でもあるからだ。僕は沖縄の自己決定権をめざす運動と本土での呼応した動きが、中国脅威論を使っての東アジアでの緊張関係、沖縄の取り込みと軍事態勢強化への対抗力になることを期待している。
アフガン現地で奮闘する中村哲医師の講演集会に出掛けた。ユーモアも交えた話を聞きながら民主党や政府の面々は「イラクやアフガンでの戦争」をどう考えているのかと思った。オバマの戦争に追随し支持するだけのことか。中村医師の話を民主党や政府の面々に聞かせたいと思ったのは僕だけではなかったはずだ。日曜日にはネットで呼び掛けのあった小沢一郎の強制起訴に抗議するデモに出掛けた。短期間の呼び掛けにも関わらず600名近い人が集まりデモでは銀座界隈の街の人の反応はよかった。この動き今後さらに大きくなると思う。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion188:101026〕
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