カラジチ裁判での新たな情報ーカナダ人将軍の証言
- 2010年 10月 27日
- 時代をみる
- ハーグの法廷岩田昌征新たな証言
ポリティカ紙(ベオグラード2010年10月18日)によれば、10月18日(月)、ハーグの旧ユーゴスラヴィア戦争犯罪法廷において、カナダ軍の将軍が大変に重要な証言を行った。それは、1992年‐1995年のボスニア戦争においてセルビア人共和国(最近はスルプスカ共和国と書かれる)の最高指導者ラドヴァン・カラジチの裁判においてであった。デイヴィド・フレイザー将軍は次のように証言した。
ムスリム人軍の狙撃者たちは、サライェヴォにおいて、子供たちを含むムスリム人同胞市民を狙撃していた。それは、セルビア人軍を犯罪者に仕立てるためであった。「ムスリム人側は、同胞市民への射撃に責任がある。私たち(UN)は、その故に抗議を行った」。ムスリム人側の最高指導部の幹部エユプ・ガニチは、「ムスリム人軍の同胞市民に対するかかる行為を聞かされた時、言葉もなく、幸福ではなかった」。同時に、セルビア人側が同胞市民を攻撃したと聞いたことはない。
フレイザー将軍は、1994年4月から1995年5月までサライェヴォのUNPROFOR国連保護軍に服務していた。
旧ユーゴスラヴィア多民族戦争について何冊かの本を書いていた時、この種の情報をもってはいたが、それを用いるのを慎重にさけていた。しかし、今回の情報は責任ある立場にいたカナダ人将軍の責任ある場所における証言である。紹介する価値があろう。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1075:101027〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。