テント日誌1月8日・1月9日 経産省前テントひろば851~2日目…商業用原発停止119~20日今年こそは脱原発への力をあらゆる場所から集めよう目─
- 2014年 1月 10日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
「雀は結構ずるいよ」、「うん~、おりこうなのだ」。Fさんはにこにこして、「俺のこと知っているのかな、えさを催促するんだよ」と。僕もえさはやるけど、そんなことはないよ、と言った。丸裸にされたプラタナスの木の横の「雀の指定席」とある椅子には雀が群がっている。ずるいよ。といいながらFさんはえさをやったのだろうか(?)こんなのんきな会話を交わしているのがテント前の風景だ。新年と言っても気の引き締まらないのだが、少しずつエンジンも掛っていくのだろうか。今年も「記者会見」や「餅つき大会」などを終え、「伊方の家」からの通信も届くが、やはり、気持に張り詰めてところが戻ってくるにはもう少し時間も必要なのか。それともこれは少しぼけてきた僕自身の問題か(?)
テントには全国各地からの年賀状が届いている。身辺で起こったことの報告とテントへの激励の言葉が綴られている。テントが立った年の年賀状に比べると幾分か落ち着いた文面と思えるが、これはテントが三年目を迎えているということだろう。静かな落ち着いた中にも、今年はという思いをそれぞれは抱いているのだろう。「テント死守」という短い言葉だが、印象的な岐阜のKさんの賀状はそれを象徴しているといえようか。
それにしても夜のテントは寒い。日本だけでなく、アメリカも襲っている寒波らしいが、ずうっとむかし、寒波と到来の中で大学占拠のバリケードを築き、椅子をたたき壊して燃やし暖を取ったが寒かったのを思いだす。寒波という言葉にまつわる記憶である。毎年、年の終わりになると大学をバリケード封鎖していたが、貸布団屋から借りた毛布が大教室にあってそこで寝た。毛布を何枚か重ねたがなかなか暖まらなかった。当時は若かったから寒さなんてそれほど気にしなかったとはいえ、それでも寒かったのを思いだす。テントでの寒さを凌のがせてくれるのは、湯たんぽである。これは毛布を温めてくれるし、実に心地のいいものだ。当分の間はお世話になるのだろうと思う。
新年の合言葉は「あけましてあべだとう」とのことだが、今年こそは安倍内閣の原発政策とも真っ向から対決することになるのだろう。安倍内閣はかつて民主党の進めようとしていた「原発ゼロ政策」からの転換を閣議決定し、現在停止中の原発再稼動を画策している。「伊方の家」通信で現地の様子が伝えられる伊方原発が最初の稼働対象と伝えられるが、経産省前テントや官邸前抗議行動に存在がもっと力になる局面もやってくるのだと思う。
こうした中で、注目するのは都知事選挙である。いろいろと候補の顔が取りざたされる中で細川元首相のこともちらほら伝わってくる。この背後には小泉純一郎や存在も噂されるが、この登場は都知事選挙の争点として原発問題を浮上させることになると思う。選挙のたびに原発問題が争点になることを極力避け、背後で原発再稼動→原発保存戦略を敷いてきた安倍政権にとっては大きな痛手となるに違いない。これは自民党や公明党の内部で原発問題を避けられなくするからだ。山口県の知事選挙も伝えられるが、安倍政権の原発戦略に対する問いかけが浮上すること自体が大きな政治的意味を持つものであり、細川元首相の動きに注目したい。 (M/O)
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アメリカに滞在している人がテントにやってきて…
昨夜から降り続いていた雨が出がけにはやんだのでホッとする。テントでは泊開けの3人が待っていてくれた。11時過ぎOさんがたくさん着込んで来たので電車の中は暑かったと言いながら現れた。彼女の到着を待って3人は農水省へ食事に行く。
昼ごろニューヨークに滞在していると言う女性が珍しい柿寿司とカステラを持ってきてくださった。お正月で帰国中とのこと、ネットでテントのブログなどを読んでいて是非来たいと思っていたそうだ。テントはもっと広い公園のようなところにあるのかと思っていたとのこと、Sさんがテントの建つ前空き地だった様子などを説明してあげた。
アメリカで日本のことを見ていて日本人は何やっているのかと歯がゆい思いをしていたと言う。私たちも政府のやり方に怒りを覚えていることなどを話し、格差社会はアメリカも同じでしょうと言ったが、アメリカ人は日本人と違って個人が一人一人で政治や選挙のことをちゃんと考えているとの答えが返ってきた。ヨーロッパやアメリカでは自分たちで民主主義を勝ち取ってきた歴史があるせいでしょうか。しばらく話した後第2テントのTさんにテントの中を案内してもらった。Tさんの説明を聞いた後、出来たら明日も来てくださると言い残して帰られた。
私たちの話題はやはり都知事選のこと、細川護熙が脱原発を焦点に出るかもしれないと言うニュースもあり兎に角市民の側に立つ人に当選してほしいというのが一致した意見だ。
もう一つ、海外の有識者、ノーム・チョムスキーやオリバー・ストーンなどが「沖縄への新たな基地建設に反対し、平和と尊厳、人権、環境保護のため に闘う県民を支持する」との声明を発表したという嬉しいニュースも話題に上った。声明には名護市辺野古への普天間飛行場の移設中止と、同飛行場の即時返還の主張を明記したそうですね。政府や仲井真知事はこれをどう受け取ったのでしょう!
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-217615-storytopic-11.html
私は午後番のHさんが来てくださったので3時過ぎにテントを去った。 (I.K) (I.K)
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