「ローマ法王、首脳外交活発」に感銘
- 2014年 1月 30日
- 評論・紹介・意見
- 池田龍夫
内外とも〝暗いニュース〟を伝える紙面を読むのが辛い日々だ。そんな折、「ローマ法王首脳外交活発」の記事に、感銘させられた。
全世界のカトリック教徒は約20億人。そのトップがバチカンだけのスピーチでなく、世界の首脳会議を熱心にサポートしている。
法王は世界の政財界人が集う「世界経済フォーラム年次会議」(ダボス会議)メッセージを送り、シリア情勢の悪化などに「政治と経済は人間の尊厳を考慮すべきだ」と訴えた。また、シリア和平会議「ジュネーブ2」にも使節を派遣し、「対話こそが唯一の道だ」と訴えた。無条件の即時停戦と難民に対する人道支援の実現を求め、全ての宗教勢力に対して「相互理解に努めよ」と語りかけた。
朝日新聞1月27日付朝刊が報じたもので、その影響力は大きい。ミラノ・カトリック大学のアゴラ・ジョバニョーリ教授は、「フランシス法王は、前法王ベネディクト16世より国際政治に強い関心を持ち、手腕を発揮しつつある。アルゼンチンという『非欧州』の意識は世界の『周縁』に向いている。グローバリゼーションや戦乱について、彼は貧困層や弱者、被害者の側で物事を選択している」と、人物像を語っていた。
全世界の宗教徒が一堂に会し、国境を越えて話し合える環境作りに努力し〝報復、殺し合い〟の現実を払拭されるよう切に望みたい。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.ne/
〔opinion4729:140130〕
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