もう一つの「集団的自衛権」
- 2014年 2月 27日
- 交流の広場
- 「集団的自衛権」伊勢崎賢治田中一郎
2月15日付の東京新聞夕刊に掲載された伊勢崎賢治(東京外国語大学教授)へのインタビュー記事です。安倍晋三・自民党政権が憲法を踏みにじって強行しようとしている集団的自衛権の行使について、同教授がオルタナティブな日本が取るべき平和戦略を論じています。そして、この伊勢崎賢治氏の戦略は、既にアフガニスタンで実践されて一定の成功を収め、さらに今回、インド・パキスタン国境紛争の街・カシミールでも実践されようとしています。世界遺産とも言うべき平和憲法を持ち、第二次世界大戦後、一貫して平和主義に徹して、外国での組織的殺人行為=戦争・戦闘をしてこなかった日本だからこそ実践できる「非武装・無火力集団的自衛権」です。
氏の提言は傾聴に値します。伊勢崎賢治氏を外務大臣か防衛大臣(注)にしてもいいくらいです。特に記事の最後の部分にご注目ください。
(注)日本は平和国家なんだから「防衛大臣」なんてのはやめてほしいですね。「防衛庁長官」、いや「自衛隊担当国務大臣」で十分ですよ。そもそも、制服組は政治に口を出すべきではありませんし、およそ戦争というものは、すべて「自衛」「国防」を口実として始まること、そして、戦争への道が「秘密」と「策略」と「情報操作」と「防衛本能のくすぐり」と「国家翼賛」によって掃き清められることを忘れてはいけないと思います。「戦争扇動」に対しては、常にシラけましょう。
●東京新聞非武装日本に可能性 紛争に和解の種をまく 伊勢崎賢治さん(東京外語大教授)土曜訪問(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/doyou/CK2014021502000224.html
(一部抜粋)
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注目するのは、アメリカの対ゲリラ戦略。テロの温床となる地域の民衆を銃で屈服させるのでなく、文化の力でアメリカに憧れさせ友好的な政権をつくるというもの。「でも、世界中で戦争をして嫌われてきたアメリカにはそれができない。そこにうまくはまったのがアフガニスタンでの日本でした。そこに日本の潜在的な能力があるんです」
アフガン戦争で日本はアメリカの同盟国ながら、武力介入はしなかった。憲法九条のもと「撃たない自衛隊」を持っていたためだ。それが現地の軍閥に「平和国家日本」という好イメージをもたらし、日本主導の武装解除につながった。
その際、日本政府代表として陣頭に立った。だから「戦争はしない」と宣言する九条がもたらす国益を、身をもって知っている。
「テロと武力で敵対するのでなく、テロが生まれる根源の問題に関心を寄せて非武装で対処する。日本ならそれが可能です。それによって世界の安全保障に寄与できるし、ひいては日本の安全にもつながる。しかし解釈改憲で武力による集団的自衛権を認めれば、九条の意味はなくなり、日本の潜在能力をむざむざと消してしまう。それはアホなことですよ」
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そして、その「アホ」な方の集団的自衛権については、東京北法律事務所作製のパンフ「集団的自衛権」(別添PDFファイル)をご覧ください。他国侵略・攻撃や遠く離れた海外での戦争行為の合理化屁理屈でしかないことがよくわかります。
その「アホなことですよ集団的自衛権」について、2月22日付朝日新聞は、安保法制懇が集団的自衛権行使に5つの条件を付けて容認する報告書をまとめるようである旨を報道いたしました。集団的自衛権が行使されたとしても、自分たちは絶対にその戦場・最前線に行くことはなく、身の安全に揺るぎはないと確信をしている「安保法制懇」とかいう安倍晋三首相の「火遊び仲間」の集まりが、他人事のように決めるのだそうである。自衛隊員の若い命を何と心得ているのでしょうか。
●集団的自衛権、行使には5条件=北岡・安保法制懇座長代理 mixiニュース
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=52&id=2774322
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