パロディ:タケシが語る「心情右翼とアベのジョンイル化」
- 2014年 3月 19日
- 評論・紹介・意見
- 安倍盛田常夫
その人の能力は付き合っている人を見れば良く分かるって言うけどさ、本当にそうだな。会社でも組織でも有能な上司っていうのはさ、自分より能力がある人を使える人さ。無能な上司は自分より有能な人材を使えないんでね。だから、有能な人材を使えない会社や組織は発展できないってこと。
安倍さんに個人的な感情があるわけでもないけどね、政治の世界も同じだね。安倍さんが本音で言いたいことを、周りの連中に言わせてさ。そういう取り巻きを選んだのは安倍さんなんでね、安倍さんの本音も知的レベルも、取り巻き連中と同じレベルというわけさ。オイラの見るところ、権力が崩壊するのも、権力者に人を見る目がないから。要するに、有能な人を使えなければ、権力も崩壊するってことだね。
それにしても、天下の三井物産の副社長まで上り詰めた人が、あの程度の人物だったとは驚きだね。発言に知性のかけらも感じられないもん。国会で批判されたら「撤回します」、でも内輪の会議で「どこが間違っているんでしょうか」なんて、とても地位に相応しい見識のある人物とは思えないね。自分の心情や感情で発言しているだけだね。発言が否定されても、「それなら会長を辞めます」なんていう自負心なんてこれっぽっちもないもん。もともと確固とした考え方があって発言してるわけじゃないから、上司に言われたら、「はい、そうですか」と適当に答えて済む問題だと思ってるんだろうね。籾井さんもただのサラリーマン重役だったってことかな。
もともと、エリート企業にいたからそれなりの知性や見識をもってると思うのが間違いなんでさ、大学と違って会社は思想や社会観なんぞ鍛える所じゃないからね。皆、目先の業績を追うのに疲れてさ、頭を使うような堅い本など読む気などさらさらないさ。だから、大学を出て就職すると、だんだん物を考えることが億劫になって、カラオケとゴルフで気を紛らわせる毎日を送るようになるんでさ。そうすると、ますます知性を鍛錬するなんてぇのから遠ざかるってわけ。まぁ、インテリに「切った張った」の商売ができるわけでもないから、籾井さんレベルが案外大企業サラリーマンの平均値かもね。
でもやっぱり、この程度の人物が日本のメディア世界のトップにいるなんて恥ずかしいね。運よく大企業の副社長まで務めたんだから、晩節を汚すことなく、恥を晒すこともなく、ゆっくり年金生活を楽しんでりゃいいんじゃないの。「飾り窓」のアムスなんかに旅行してさ、「慰安婦のどこが悪い」って言ったって、誰も責めないよ。「世界観が同じだから君に任せたよ。理事を総入れ替えするほどの意気込みでやってくれ」、なんて言われて舞い上がったのかどうか知らないけどさ、なまじインテリジェンスが要求される世界に顔を突っ込むとロクなことがないってこと。俺にすべてを任せろなんてね、宴会を盛り上げる好人物という評もあるけどさ、宴会幹事とNHK会長を同じに考えてもらっちゃ困るね。これ以上ボロが出ないうちに、「この世界は私の肌に合いません」って、辞めた方がいいね。だって、この人に期待できることなんて、何もないもん。「劣化した分身」の役割以上にね。安倍さんを支えている数少ない賢人たちも、困っていると思うね。「こんなにも程度が悪いとはね」、って。まぁ、厚顔無恥な人に、知性や品格を説いても仕方がないけどね。せめて、清く辞めるのに必要最低限のセンスがあるかどうかだね。
安倍さんに何を吹き込まれたのか知らないけどね、取り巻き連中は本当に舞いあがっているんじゃないかと思うね。小松法制局長官などはまるで「アベの分身」だよ。「集団的自衛権の憲法解釈は、すべて君の肩にかかっている」、「はい、分かりました。命を賭けてやり遂げます」なんてね。影の首相と錯覚しているんじゃないかと勘ぐりたくなるんでさ。安倍さんが発言する前に、安倍さんの意向を代弁するなんて、意気込みが尋常じゃないね。「アベの水を得た魚」ってより、所構わず激高するところを見ると、「吠えるアベの番犬」だよな。
高級官僚の中にはそれなりの数で心情右翼がいるんでさ、安倍さんの登場で、「出番が来た」なんて、鼻息を荒くして連中がいるってことだね。入れ込み過ぎじゃないかと思うね。本田悦朗氏なんてその典型だよ。官僚出身の典型的な心情右翼だね。ウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューでも舞い上がってしまってさ、左手を上げて特攻隊の突撃を語るなんて、どう考えても尋常な感覚じゃないよ。論文らしい論文もないのに、経済学者と称され内閣官房参与のポストまで与えられてさ、気持ちが高ぶり過ぎて、爆発してしまったんじゃないかね。「この人を見れば、任命責任者の能力が分かる」というところだね。この程度の人材に経済政策を語らせる安倍さんの能力が疑われるってわけ。
要するに、安倍さんも心情右翼だって考えれば、取り巻き連中のすべての発言は納得できるさ。「南京虐殺は存在しなかった」、「日本はアジアを欧米の植民地から解放しようとしただけで、侵略ではない」(だから英霊が祭られた靖国に参拝するのは当然)、「従軍慰安婦は自発的な商行為で、政府が強制したものではない」、「ふつうに戦争ができるように憲法を変えなければならない」。本音を吐露すれば権力がひっくり返ることぐらいは安倍さんも分かるから、田母神さん支持を明言しなかっただけでさ。心情は同じなんだよね。田母神さんは街宣車並みの「丸出し右翼」だから、支持表明はまずいと思っただけのことさ。だから、取り巻き連中が批判されても、「発言を撤回すると言っているし、個人の思想信条は自由だから、政府が介入すべきものではない」と答えるだけ。自分の本音を言ってくれてるから、任命責任なんてこれっぽっちも感じていないってこと。だから、外務省幹部も頭を悩ますね。世界各地で韓国や中国の攻勢に曝されて、一生懸命反論しているけどさ、「安倍首相は侵略でなかったとは一度も言っていない」と苦し紛れの弁解さ。だってさ、「侵略だった」とも言ってないんでね。口が裂けても、それは言えないってことだろうね。これじゃ国際社会で説得力なんかないさ。
要するに、安倍さんの取り巻き連中の発言は、子供の言い訳だよ。子供はさ、自分のしでかしたことを怒られると、「だって、誰某ちゃんもやってんだもん。僕だけじゃないもん」と弁解するんでさ。「売春や買春が合法的に行われているところがある」、「何時の時代にも、戦地では慰安婦の存在が普遍的に観察できる」なんて一般的な事実認識と、「日本が植民地支配下朝鮮の婦女子を慰安婦として駆り出したことに対する道義的法的責任」という個別事案の対応は、次元が違う問題だということが分かんないんだよな。世の中に「飾り窓」なんてどこにもあるから、「朝鮮人婦女子を慰安婦として駆り出したことに道義的法的責任はない」というのは論理の飛躍なんでね。「安倍の分身」の言い分は子供の言い訳と同じってこと。心情で発言するから、論理が飛躍するだけの話だね。だから、批判されても、論理を正すことができない。こういう議論は虚しいね。
それにしても、甘利さんも焦ってるね。円安でたんまり原資を確保してやったんだから、賃上げしない会社はそれ相応のペナルティがあるだろう、なんて物騒な物言いだよ。「そんな社会主義みたいなことを政府ができるわけない」なんて、麻生さんは言わなかったのかね。だいたい、棚ぼたの円安差益なんて、一時的なものさ。苦労しないで稼いだお金なんて、消えるのも早いよ。博打で稼いだ金で一生食ってなんぞいけないのと同じでさ、そのうちユーロが暴落したら、また円高になるもんね。一時の勢いでベースアップなんかして、業績が悪化したらどうするの。その時は、「自由経済だから、自己責任だ」と言うんだろうね。都合の良いことは為政者の手柄で、都合の悪いことは本人の自己責任なんでさ。為政者は政権交代までのほんの数年だけのことを考えてりゃ良いが、経営者には会社の命運がかかっているからね。それが分かってるから、会社も簡単にベースアップができないってこと。それをペナルティだなんて、どうかしてるよね。だいたい、企業の8割が景気回復を実感してないってんじゃん。だから、安倍さんも焦ってんだよね。いよいよ「アベノミ(ッ)クス」の賞味期限切れで、「アベのジョンイル化」か、と警戒されるだけだね。じゃんじゃん。
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