集団的自衛権発動に関わる事例について(想定問答)
- 2014年 7月 3日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
(ケースNo.1)20XX年X月X日、東南アジア某国領海外海域において、電子戦演習中の米海軍機に対して、某国空軍戦闘機数機がスクランブルをかけた。 米海軍は、偵察機防衛のために戦闘機(複数)を発進させたところ、某国領海外海域に於いて某国空軍機よりミサイルに依る攻撃を受けた。
米海軍戦闘機隊は、直ちに反撃するも某国戦闘機よりのミサイルに依る直撃を受け、内数機が被害を受けた。 米国は、この無法な自国軍への攻撃を許さず、某国への報復攻撃を企図しつつあり、同盟国日本からの援助を求めるところである場合。
この場合には、同盟国が当該攻撃を受けた事件の真偽不明のまま、また、自国の企図とは無関係に米国の企図に乗り戦争に進むことになるのであるが、それで良いのか。 安倍政権とその支持者たる日本国民にお聞きしたい。 実例は、トンキン湾事件があるのでご参照下されば幸いです。
(ケースNo.2)20XX年X月X日、中東某国内駐屯地より、自国への撤退準備のために国外沿岸部へ移動中の米陸軍輜重部隊の車列に対して、ロケット砲と多数の火器を擁した正体不明の兵士多数からの攻撃があり、輸送用トラック多数が破壊され、数十名の米兵士が戦死した。
その他、撤退中の米軍車列に対する攻撃が頻発しているところであり、米国より、自国軍撤退までの間、某国内の間隙となる地域において、陣地確保と周辺警備のために同盟国日本からの援助を求めるところである場合。
この場合は、実際に、アフガニスタンその他中東地域に於いて生じる事態は想定されるのであるが、何時から具体的に派兵等をされるのか。 それとも、安倍政権の想定では、現在進行中の紛争地を除外されているのか。 或は、現実に集団的自衛権が発動される事態を想定していないのか。 安倍政権とその支持者たる日本国民にお聞きしたい。
(ケースNo.3)20XX年X月X日、北アフリカ某国領空域を人道援助物資投下のために飛行中の米陸軍ヘリコプターに対して、正体不明の者より小型携行ミサイルの攻撃で直撃弾を受け撃墜される事件が発生した。
米国は、当該攻撃を、内戦中にある某国内民兵組織XX00の仕業と断定し、報復攻撃準備中のところであるが、当該攻撃に関わる援助を求めるところである場合。
この場合は、ソマリア等の紛争諸国に於いて、今後とも生じる事態は想定されるものである。 即ち、集団的自衛権発動は、相手国が無い場合も想定される。 テロリスト相手も戦争と捉える米国の同盟国にして集団的自衛権の発動を想定するからには、正体不明で何時、如何なる攻撃を自国と自国民に受けるかも知れない集団を相手にする覚悟も求められる。 この場合には、日本人であるからには、世界のどこに居ても攻撃を受けることがあると覚悟せねばならないが、その覚悟が安倍政権とその支持者たる日本国民にはあるのかをお聞きしたい。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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