日本における社会主義建国論(その2) 副題:現代資本論補遺~私有財産・国家・株式会社について
- 2014年 8月 27日
- 交流の広場
- 武田明
a.国家と独占資本の二重搾取構造
国民の不信は、第一に税金についてではないでしょうか。
支払うのは良いとしても本当に有意義に使用されているのか?
「国の借金」、過去最大の1024兆9568億円
http://chikyuza.net/archives/46646
会社が支払う給与についてこそが、実際は、搾取の温床であり、資本論の真骨頂であるはずですが、そこにまでまだまだ前近代的なアジアの片隅の日本国民には思考が到達していない「未満」状況があるのは残念でなりません。
これは、とても簡単な図式であり誰でもすぐにわかる思考であるはずであり十代のちきゅう座読者がもしいたとしたならですが、それでも理解の届く論理であると考えています。
b.小さな政府として社会主義は如何にして可能か?
あまりくどい説明をしても仕方がないので、これまで語ったものの中に、「共産党宣言」のマルクスの立場は、二段階革命であり、民主主義革命、近代革命の延長上に社会主義革命を位置づけ、資本論の分析へとたどり着いているわけでありますが、ソビエトや中国、その喧伝されている社会主義国は、国家の統治としての社会主義計画経済という印象の中にあり、最初の誤解がここにあるように思います。
マルクスの考える社会主義・共産主義は、レーニンの言う「国家の消滅」論を待つまでもなく、アダム・スミスの「見えざる手」を踏襲している経済学体系として「小さな政府」=「夜警国家」の延長を思考しているはずであると僕は考えているわけです。
しかし、現在の日本の国家=政府は、官僚肥大の「大きな国家」であり、資本主義としての独占資本を語る以前の状況におかれているといわねばなりません。
小さな国家=政府であって、福祉は可能であるのか?
それを、疑問視されるかもしれませんが、本来、人間は、赤子及び、老人介護状況以外は、自立した時期を保有しているのが、健全であり、医療費としての負担はあったとしても、「自立」を支援する最少限度の補助のみで保たれていなくてはなりません。
負け組勝ち組の論理は、資本主義社会内部での問題意識であり、近代の超克を行う弁証法としての彼岸としての社会主義段階では、その二項対立の彼岸として「人間の自立」、つまり、真の意味での「私有財産制度」の確立を促すことで事足りているのではないかと僕は、感じています。
様々な「私有財産」を喰い荒らし破壊し続けているものが、独占資本=株式会社であり、個人は、負債の中で生きる様に強いられている社会であり、資本主義社会の本質は、繰り返しこの部分の罪悪を示している事が語られていないから、表現上の不備であるのか、国民、人心に届かず、歪曲され隠蔽されてきた「言論不自由問題」=「前近代教育啓蒙未満」「民主主義革命未満問題」があった事をこれまで繰り返し語ってきたわけです。
「私有財産権」を独占資本に侵害され続けているが故に、人は、生まれながらに負債を抱えて生きさせられています。
売るものが、労働力だけであるならまだましなのですが、人間の身体は、血液も角膜も肝臓も心臓さえ売ることが出来る、売らなくては自身を家族を守れない状況がある、「アジアの悲劇」は、繰り返し語られているところではないでしょうか?
c.憲法違反独占資本官僚支配国家日本を健全に戻すためにはどうしたら良いのか?
それには、小さな政府を理解した社会主義革命の必要性を繰り返し叫ばなくてはならないわけですが、まだまだ、言わんとする焦点が、理解しづらい読者が多いようにも思います。
筆者の非才故の遅い語り口であるのが、残念ですが、少しづつ埋めていくしか仕方がありません。
今回のまとめ。
2-1.国家(=政府)と独占資本の二重搾取構造があり、税金搾取構造によって、本来の資本論の真骨頂である株式会社搾取は隠蔽されており闘争未満の状態である。まずは、政府との戦いが不可欠であり、民主主義未満としての政党政治未満状況にメスを入れなくてはならない段階の理解が不可欠となっている。
2-2.マルクスの考える経済学体系の延長としての社会主義革命は、民主主義革命の延長上であり、二段階革命であるとともに、「小さな政府」としての立場である。
(補足説明1)
前回貼り付けて置いた池上彰経済教室http://www.tv-tokyo.co.jp/ikegami_k/
第14回社会主義経済の失敗と教訓その1(ソビエト) 7月21日
第15回その2 7月28日
第16回その3(北朝鮮) 8月4日
第17回中国の失敗と発展その1 8月11日
第18回その2毛沢東の失敗と教訓 8月18日
第19回中国の失敗と発展その3 8月25日
これについて、少しだけ言及しておきます。
池上彰氏は、「社会主義国の20世紀の失敗をどこか遠い世界の事と思っていてはいけないのです」と繰り返し述べています。それが、この講義によって伝えたい中心であったように思われるのです。
バブルに踊った人々、そして、周期的に起こる恐慌の本質についても同じ、「独裁」状況があるもしくは、それぞれの「非科学的」「独断」によって、生じている事、「恐慌」を乗り越えた社会こそが、資本主義を超克した社会主義国家でもあるのですが、これも図式的には、簡単な様に思えます。
世間の理解と違う説明を僕がしているのだとしたならそれは、更に、補足説明を加えるかまたは、討論の俎上にあげていかねばなりません。
d.何故、社会主義国に世襲、独裁者が君臨するのか?
この問いも二段階革命を経ていない後進国に社会主義革命が先取りされた故と言うことに尽きるのですが、戦時共産主義(=ロマンローラン)としても、現実に、その様な国々が社会主義を名乗っている以上、外交的に、その問題点を懐柔していかねばなりませんが、それも、次のステップの問題でしょう。
それ以前に、問題とされている池上彰氏の問題意識は、バブル問題を語り、その崩壊と社会主義国の崩壊状況を同値として理解していることです。
社会主義国の農業政策の愚策が語られています。独裁者の無知、「非科学性」を今にして笑うのは、たやすい事です。
しかし、全ての人民が、「科学的社会主義」「近代知の地平」を手に入れていて、「独立した」「自立した」人間として市民として、真の意味での社会主義人民としての到達を手に入れていて、上記に語られている負債まみれで私有財産権を侵害されていない個人としての立場で「より良く生きたい」「助け合い、喜び合える対話」としての社会を実現したいとするのであるなら幾らでも回避できるものであり、全ては、「論理学未満」であり、「科学的近代知未満」による近代以前の名残によるものであり、「古代史」的回帰として考えられますが、この点も更に補足説明が必要かもしれません。
e.小国の独裁とワンマン経営で崩壊していく株式会社は、同値である。
池上彰氏が、バブルの教訓の次に、社会主義国の失敗と教訓を交えて語ったのは、独裁者や世襲は、株式会社の中にもあり、更には、日本の政治の長期独裁政権である自民党と日本国の崩壊、政策無策状況、無責任状況も同じ位置づけだろうと言うことです。
「国の借金」、過去最大の1024兆9568億円
http://chikyuza.net/archives/46646
未来の子供たちの負債であり、天下り役人や一部の独裁者が、日本の国民の健全な「私有財産」を喰い潰し、そして、原発利権に群がり、ついては、集団的自衛権などなど戦前的独裁体制を復興していき、憲法違反を繰り返し、破壊しつつ、ついては、日本国さえ食いつぶそうとしているという段階に来ているわけです。
社会主義革命は、もはや、日本において、必然的道筋に入って来ています。
ただただ、独裁者の独裁政権の陰には、無数の「勝ち馬に乗りたい」とする小独裁者がいるのであり、彼らは、無責任な主体でもあり、かつて、日本をファシズムへと導き、国民の身体的私有財産、「血」「核膜」「肝臓」「心臓」などなどはおろか、「足を切断させ」「手を、腕を奪い去り、命さえ奪い取った」、原爆を落としたアメリカと同盟を結んでいる吸血鬼独占資本の片棒を担いでいるというわけです。
これは、説明不要な簡単にわかる図式の一つであり、更に、多くの人へと広報しなくてはならない一点はないでしょうか?
最後の後半のまとめ。
2-3.独裁者の陰には、無数の自称勝ち組と言う小独裁者が存在している。そして、人間の産まれながらの私有財産権を侵害し続けているシステムこそが、資本主義と言う吸血鬼システムである。
いじめ、差別なども全て、同じ図式の中にあり、まずは、「民主主義未満」状況の解消の後、社会主義革命は、人類として、必然の歴史的過程であることに気が付かなくてはならない。
付録(画像)
日本の独立
不況は人災です
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