「国会軽視」以前の問題だ
- 2010年 11月 22日
- 交流の広場
- 宇井 宙柳田法相辞任
柳田法相がようやく辞任(事実上の更迭)した。あまりにも当然のことだが、事ここに至るまでの菅首相の対応はあまりにもお粗末だ。問題の本質は、柳田法相が問題発言をしたということにあるのではなく、法相の適性ゼロの人物を法相に任命した菅首相自身の任命責任である。
マスコミは柳田法相が「国会軽視」発言をしたと判で押したように報じているが、問題とされた「二つ覚え」以前の発言の方が、問題の本質を表している。毎日新聞によれば、「二つ覚え」発言の直前に柳田氏は次のように発言した。
「私は大臣になることはないと大酒を飲んでいる時に電話があり「おい、やれ」と。「ええー」って言った。何でオレなの。皆さんもそう思っているでしょうが、一番理解できなかったのは私です。私はこの20年近い間、実は法務関係は一回も触れたことがない。触れたことがない私が法相なので、多くの皆さんから激励と心配をいただいた。ちなみに法相はほとんどテレビに出ることはない、本当に。だったら務まるかなと思った。」
このように柳田氏は自ら法相の適性がゼロであることを告白し、それでもテレビに出ないなら「務まるかな」と思って法相就任を引き受けたというのである。国会を軽視しているという以前に、こういう人物を法相に任命した菅首相の責任こそが問われるべきだろう。
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