行方不明43人とメキシコ社会 2
- 2014年 10月 31日
- 交流の広場
- メキシコ山端伸英
ゲレロ州で誘拐された教育課程の学生43人はまだ発見されも現れてもいない。すでにラテンアメリカ出身のローマ法王フランシスコは彼らのために祈りをささげ、オバマ大統領は今後のメキシコ情勢に懸念を示し、めったにテレビに現れない女優のオフェリア・メディナはお昼のテレビショウに現れ、自分の最近の活動を紹介しながら43学生への心配を表明した。学生や市民は各地で道路封鎖を行ったり、ぺメックス・プラントにバリゲートを築いたり、やれるだけのことをやっている。捜査当局はあちこちに巨大墓穴の発見を進めており、これかこれでもかと現れる墓穴の数と遺体の数に改めてメキシコ政府や犯罪組織の生産性に市民はため息をつかされている。イグアラ市の市長は麻薬組織との関係をつかれ、事件以来行方知らず!
行方をくらましているが、彼が野党のPRD選出であることも話題になっている。現党首のヘスス・オルテガ登場以来、政権与党PRIの補充政党であることを深めているPRDは、2011年にロペス・オブラドールの脱党後、さらにそのPRI的腐敗を明示してしまった。腐敗が公然化するだけ日本の民主党ほど陰険ではないのだろうが、メキシコ左翼の現状は、政党活動に乗り込もうとしている前大統領ロペス・オブラドール率いるモレナ(国民再生運動)を含めて多くの負担を負っている。
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。