衆院統一会派の可能性 総選挙への期待(下)
- 2014年 11月 27日
- 時代をみる
- 沖縄河野道夫
「誇りある豊かさをめざす沖縄」として四人を統一候補にすることもできたはずなのに、仲里利信氏以外はヤマトの政党からの出馬。「これでは投票する気になれない」という人がいることに思いを致すなら、「当選後に新会派を作る」と約束してくれることが、せめてもの救いになります。
「翁長枠」の国会議員は、「誇りある豊かさ」を基本とし、当面は「建白書」実現に向けた国会活動をすることになります。ただし統一会派を作るとなると国政万般にとりくむ以上、合意事項を拡大せざるをえません。辺野古・大浦湾の現地から見ると、それには少なくとも次の諸点が含まれるべきでしょう。
歴史的不正義の検証=明治以降、現在まで、日本政府によって行われた歴史的不正義を検証すること。「琉球処分」の名において琉球王国を破壊・併合し、植民地化によって先住の人民を抑圧し、「皇民化」によって伝統文化を破壊したことを、国会にも政府にも認めさせなければなりません。
憲法破壊との対決=沖縄の民意と権利を黙殺し、嘘と隠蔽と暴力で進める新基地建設は、憲法破壊であるとしてたたかうこと。立憲デモクラシーに反するのは、集団的自衛権や秘密保護法だけではありません。主権者の意思を意図的に無視する政治は、憲法破壊というべきでしょう。
平和維持力の創造=軍事力以外の多彩な平和維持力を創造すること。「抑止力」は、憲法と国連憲章が禁じる「武力による威嚇」に依存するものです。国連加盟国に課せられた国際紛争の平和的解決義務を率先遂行する路線への転換―その努力は、いますぐ本格化しなければなりません。
自然生態系の繁栄=自然生態系の一員として「豊かさ」を見直し、原発ゼロをめざすこと。日本は「ヤマト・エゴ」とともに「人間中心主義」を是正し、国連の提唱する「人間の権利と人間ではないものの権利との間の最適バランス」「人間と自然双方のための長期的概念」[1] を追求しましょう。
地域主義教育の確立=「地域主権」の考えを義務教育に適用し、郷土と将来世代との関係を強化すること。それを妨げるのは中央集権的な教育行政です。
ウチナーグチ(琉球語)の教育や、「琉球処分」・沖縄戦・島ぐるみ闘争などの歴史教育を十分できないのは、そこに原因があります。
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[1] 1993年国連「環境・経済統合勘定」。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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