本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(73)
- 2014年 12月 13日
- 評論・紹介・意見
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ミラクルムーン
お陰様で、11月5日に、「還暦」の歳を迎えることができたが、驚いたことは、この日が、「ミラクルムーン(奇跡の月)」と呼ばれる日だったことである。具体的には、「閏(うるう)月」の関係で「171年ぶりに、二度目の一三夜が見られた日」だったそうだが、この時に気付かされたことは、「暦の歪み」だった。
具体的には、以前から悩まされていた「60年サイクル」と「400年サイクル」の「ズレ」であり、また、「インフレの30年サイクル」についても、「1860年代の南北戦争」により「約10年の歪み」が発生していた事実である。そのために、「時間のサイクル」において、まだ、私が理解できていない点があるものと考えていたが、今回の「閏月」、あるいは、「閏年」の考えを応用することにより、何らかの答えが導き出せるようにも感じた次第である。
具体的には、「60年サイクル×6=360年」であり、また、「60年サイクル×7=420年」という計算となり、このことは、「マヤ歴の400年サイクル」や「文明法則史学の800年サイクル」から、「20年から40年のズレ」が生じるのである。つまり、「暦のサイクル」には、必ず、「閏月」や「閏年」という「時間のズレを調整する期間が存在する」と仮定すると、全ての問題は片付くのだが、より細かい計算については、今後、更なる検証が必要だと感じている。
また、この点が、「暦」や「時間のサイクル」が理解されにくい「原因の一つ」とも言えるようだが、このことを考慮しても、私の人生においては、「時間のサイクル論」に、たいへん助けられたと感じている。具体的には、「2000年のITバブル崩壊」や、あるいは、「2007年7月の金融混乱の発生」などを的確に予想することができ、危機を避けることができたからだが、残念ながら、現在の経済理論では、この点が、全く無視されているのである。
つまり、「ランダムウォーク理論」という「サイクル論は存在しない」という考えが主流となっており、その結果として、「世界全体に、どれだけのマネーが存在するのか?」、そして、「債券市場」や「株式市場」などの間で、「どのような資金の流れが起きているのか?」が、ほとんど無視されている。別の言葉では、「狭い市場の中だけで議論されており、全体像が見えない状況」のことだが、間もなく、大事件が起き、この点に対する大きな反省が起きるものと考えている。 (2014.11.15)
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大義なき解散、総選挙
安倍首相が、「衆議院の解散、総選挙」を決断したが、このことは、あまりにも唐突の出来事だった。そして、この裏側には、いろいろな要因が存在するようだが、表面上は、「消費増税の先送り」に対して「国民の信を問う」ということが「今回の目的」とも言われている。つまり、「景気動向の変化により、10%への増税を考慮する」という条項が存在しながら、あえて、「解散、総選挙」に踏み切ったわけだが、本当の狙いは、マスコミの報道のとおりに、「安倍政権の延命」でもあるようだ。
具体的には、「アベノミクス」に対する「国民の信頼感」が強く、また、「安倍内閣の支持率」が高いうちに「選挙」を実施することにより、次の四年間という「時間の確保」を狙ったようだが、問題は、この時に、「国民が、どのような判断をするのか?」ということである。あるいは、今回の選挙で、「与党」が勝利したとしても、その事実を覆すほどの「大事件」が起きる可能性である。
別の言葉では、「アベノミクス」や「異次元の金融緩和」に対する「信頼感」を、根底から揺るがすような大事件が発生する可能性だが、実際に、「日銀のバランスシート」や「日本の信用乗数」は、きわめて危機的な段階に入り始めている。具体的には、「マネタリーベース」という「日銀の出す資金」と「マネーストック」という「市場に出回る資金」との関係において、現在では、この比率が「約3.5倍」にまで低下しているのである。
つまり、「1990年前後」の「約13倍」から、徐々に、低下を始めており、最近では、急速に、この比率が低下しているが、「1991年のソ連」など、「ハイパーインフレ」に見舞われた国々は、最後の段階で、「信用乗数が1倍にまで低下する」という状況でもあった。別の言葉では、「民間銀行の信用創造機能」が完全に麻痺し、結果として、「中央銀行が出す資金」と「市場に出回る資金」が同じ数字になる状態のことだが、このことが、「マネタイゼーション(債務の貨幣化)」が行き着く結果である。
より具体的には、過去100年間に、30ヶ国以上の国々で、「ハイパーインフレ」が発生したと言われているが、どの国でも必ず発生したのが、「信用乗数の低下」であり、また、「紙幣の大増刷」だった。しかも、今回は、「ほとんど全ての先進国で、信用乗数の低下が発生している状況」でもあり、このことは、現在の「金融システム」や「通貨制度」が危機的な状況に陥っていることを意味しているが、残念ながら、現在でも、この点を理解し、警告を発する日本人は、ほとんど存在しないようである。 (2014.11.16)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion5074:141213〕
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