ローマ法王「表現の自由に限度」
- 2015年 1月 25日
- 時代をみる
- 池田龍夫
1月7日、フランス・パリ中心部にある風刺週刊紙シャルリー・エブド本社が覆面をした複数の人物により襲撃され、漫画家5人を含む記者12人が死亡した。同紙は以前から、イスラム教・モハンマドを風刺するイラストが物議をかもしており、一連の犯行はイスラム過激思想に影響を受け人物の仕業とみられる。
現場に駆けつけた仏オランド大統領は「新聞社、つまり表現の自由への攻撃だ」と厳しく批判した。
その後、9日までに事件の実行犯は全員射殺され、大きな山は越えたものの、パリの路上で射殺された女性警官、そしてユダヤ系食料品店立てこもり事件で殺害された4人の人質を含めると、一連の事件の犠牲者は17人にのぼっている。
ローマ法王のフランシスコ法王は15日、訪問先のスリランカからフィリピンに向かう機中で記者団から事件について尋ねられたのに対し、「神の名のもとに人を殺すのは、常軌を逸しており、正当化できない」と述べた。そのうえで、フランシスコ法王は、「自分の母親が侮辱されたら反応したくなるものだ」とたとえ話を示しながら、「人の信仰を挑発したり、侮辱したり、笑いものにするべきでもない」と述べ、信仰に関わる場合、表現の自由には限度があるという考えを示した。表現の自由・言論の自由を盾に「信仰の自由」を蹂躙する行為を許すことはできない
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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