メルケル独首相の忠告を受け入れよ
- 2015年 3月 9日
- 時代をみる
- 池田龍夫
ドイツのメルケル首相が3月9日来日。2008年の洞爺湖サミット以来 7年ぶりである。メルケル氏は「訪日は極めて重要だ。我々は価値観を共有している」とビデオメッセージを発表しており、訪日によって先端的な科学技術で連携を深める考えという。
2011年の東京電力福島第一原発事故を受けて、メルケル氏は直ちに22年の原発全廃を決め、再生エネルギー導入を本格化させている。最大の被害国・日本が未だに原発再稼働にこだわっている政治姿勢の差が歴然としている。
独政府筋は「現時点では、日独両首脳に距離がある」と言っているが、その背景には安倍政権の右傾化への懸念があるようだ。独メディアも安倍政権に厳しく、特定秘密保護法導入を「言論の自由の危機」と一斉に批判。安倍首相が13年12月に靖国神社を参拝した直後には、独政府報道官が「地域の緊張を高める行為を控え、外交解決を探ってほしい」と公式に苦言を呈していた。
大先輩メルケル首相の忠告を、安倍首相は素直に受け止めるだろうか。日独友好のため平和外交への転換を決断すべき好機である。
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