「反戦平和」が前面に ー 今年の中央メーデー ー
- 2015年 4月 26日
- 時代をみる
- メーデー岩垂 弘
働く者の祭典である第86回メーデーが、東京では4月29日(水・祝日)と5月1日(金)に行われる。今年は「戦後70年」という節目の祭典であるのに加え、安倍政権が米軍など他国軍の戦争に日本の自衛隊を参加させるための法整備を急いでいるところから、各労働団体とも危機感を高め、メーンスローガンに「平和」を掲げる。
メーデーとは、労働者の団結と力を示威する国際的な統一行動日で、5月1日と決められている。最初のメーデーが世界各国で行われたのは1890年のことだった。
日本での第1回メーデーは1920年(大正9年)5月2日に東京の上野公園で行われた。以来、毎年、労働組合の主催で開催されてきたが、戦時体制が強まった1936年(昭和11年)、第17回メーデーが政府により禁止された。翌年、日本は中国への全面的な侵略を開始し、アジア太平洋戦争へと突き進む。この間、メーデー開催は許されず、復活したのは敗戦1年後の1946年(昭和21年)のことだった。これが第17回と位置づけられ、以後、毎年回を重ねてきた。この間、労組組織の分裂があり、中央メーデーは三つに分裂して催されるという状態が続いている。
連合通信社発行の「連合通信 隔日版」4月11日号によると、日本労働組合総連合会(連合)などでつくる実行委員会は第86回メーデー中央大会を、29日午前10時から、代々木公園で開く。メーンスローガンは「平和を守り、雇用を立て直す」。「STOP THE 格差社会」の取り組みの起点とするとともに、平和運動の推進をアピールするという。
式典では、古賀信明会長が「二度と戦争を起こさない」という決意表明をする予定で、家族向けのイベントとして「みんなで歌おう平和の歌」も企画されている。
一方、全国労働組合総連合(全労連)などでつくる第86回メーデー実行委員会は1日午前10時から、代々木公園で式典を開く。メーンスローガンは「安倍『暴走』政治ストップ!『戦争する国づくり』反対」「8時間労働を守れ。労働法制改悪反対。すべての労働者の大幅賃上げ」「『貧困と格差』の解消。増税中止。被災地の早期復興。原発ゼロ」「辺野古の新基地建設反対。核兵器の廃絶」など。
辺野古新基地建設に反対して座り込みを続ける住民からもメッセージが寄せられる予定だ。
また、全国労働組合連絡協議会(全労協)などでつくる第86回日比谷メーデー実行委員会は1日午前9時50分から、日比谷野外音楽堂で式典を開く。スローガンは「労働法制の改悪反対」「一日8時間労働制の破壊を許さない」「福島を忘れない」「原発の再稼働反対、すべて廃炉へ」「集団的自衛権の行使反対」「戦争国家体制を許すな」の6本である。
各団体とも式典後、デモ行進を予定している。
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