われわれの魂を揺り動かす沖縄県民大会決議文
- 2015年 6月 8日
- 評論・紹介・意見
- 小澤俊夫沖縄
メール通信「昔あったづもな」第42号
去る五月十七日、那覇市で辺野古新基地反対の県民大会が開かれ、35000人の大集会になったとのことである。もともと自民党系だった翁長知事が先頭にたっての新基地反対運動なので、今や沖縄県民全体の意思表示になってきた。いや、この問題は日本人全体の問題なのである。決議文では「もはや『辺野古』は沖縄だけの問題ではない。私たちは今、この国の民主主義の在り方を問うている」と叫んでいる。そして、「今新基地建設を止めなければいつ止めるのか」と日本人全体に呼びかけている。ぼくは、この決議文に心の底から揺り動かされた。
各新聞は県民大会の事実は報道したが、決議文全文はほとんどの新聞が掲載しなかった。ぼくが知る限りでは、全文を掲載したのは東京新聞だけだった。この決議文は、日本が民主主義国であり続けられるかどうかの瀬戸際の文書だと思うので、小さな「昔あったづもな通信」ながら、全文を掲載して、できる限り多くの人に読んでもらいたいし、保存しておいてもらいたいと思う。
そして、本土から直接力を貸せる手段として、「辺野古基金」への献金があるので、その送り先も末尾に記しておく。(2015.6.2)
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沖縄県民大会決議全文
今年は戦後七十年の節目の年である。私たち沖縄県民は悲惨な地上戦により住民の四人に一人が犠牲となった。戦後二十七年間は米軍占領統治下に置かれ、日本国憲法は適用されなかった。本土復帰から四十三年目を迎える今も、米軍基地あるが故の事件や事故に苦しみ続けている。私たち県民は長年にわたり、自ら望んでもってきたわけではない米軍基地を挟み、「容認派・反対派」と県民同士が対立し、分断され続けてきた。
こうした中、昨年の名護市長選挙、名護市議選挙、県知事選挙、衆議院選挙の沖縄四選挙区の全てで、米軍普天間基地移設に伴う名護市辺野古への新基地建設反対の圧倒的民意が示された。ところが、安倍政権は、前知事が公約を翻し行った公有水面埋め立て承認を盾に、民意を無視して辺野古新基地建設を「粛々」と強行している。
翁長雄志県知事による海上作業の停止指示を無視し、反対する市民に対しては、海上保安庁や沖縄防衛局による過剰警備によって弾圧を加えている。また、去る四月二十八日、県民にとっての屈辱の日には、日米首脳会談において辺野古新基地建設推進を再確認している。
こうした日米両政府の姿勢は、「自治は神話だ」と言い放った米軍占領統治下の圧政と何も変わらない。県民の意思を侮辱し、日本の民主主義と地方自治の根幹を破壊する暴挙である。もはや「辺野古」は沖縄だけの問題ではない。私たちは今、この国の民主主義の在り方を問うている。
私たち県民は自ら基地を提供したことは一度もない。普天間基地も住民が収容所に入れられている間に建設され、その後も銃剣とブルドーザーによる土地の強制接収によって拡張されてきた。これは占領下においても私有財産の没収を禁じたハーグ陸戦法規に明白に違反するものである。国際法に違反し造られた米軍普天間基地は閉鎖・撤去こそが「唯一の解決策」である。
辺野古新基地建設をめぐるこの十九年間において、今まさに正念場である。今新基地建設を止めなければいつ止めるのか。私たち県民は二〇一三年一月に安倍首相に提出した建白書を総意として「オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念」を強く求めている。
保革を超えて私たち県民がつくりあげた、この沖縄の新たな海鳴りは、沖縄と日本の未来を拓く大きな潮流へと発展しつつある。道理と正義は私たちにあり、辺野古に基地を造ることは不可能である。子どもたちや孫たち、これから生まれてくる次の世代のためにも、私たち県民は決して屈せず、新基地建設を断念させるまで闘うことをここに宣言する。
よって、日米両政府は沖縄県民の民意に従い、米軍普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古新基地建設・県内移設を断念するよう強く要求する。以上、決議する。
二〇一五年五月一七日 戦後70年 止めよう辺野古新基地建設!沖縄県民大会
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辺野古基金の送金先
ゆうちょ銀行 店番:708 口座番号:1365941 「辺野古基金」
コザ信用金庫 那覇支店 口座番号:2032531 「辺野古基金」
琉球銀行 県庁出張所 店番:251 口座番号:185920 「辺野古基金」
沖縄銀行 県庁出張所 店番;012 口座番号:1292772 「辺野古基金」
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