○○資本という言い方について
- 2015年 6月 9日
- 交流の広場
- 中野@南京
ブルマンさん。商品から貨幣へという論理展開は、確かに一種の神話かもしれません。しかし、「クソの役にも立たない」論理的ゲームとしての神話を構築するというのも知的刺激があると思いますよ。まあ、これ以上ちきゅう座という公共の場を独占するわけにもいきませんから、後は、ダイレクトメールでやり取りしましょう(私の名刺はお渡ししていますね)。
さて、今日はいつも疑問に思っていることをブルマンさんをはじめ皆さんにお尋ねしたい。というのは、「○○資本」という言い方についてです。
私は、「産業資本」や「金融資本」という言い方はOKだと思うのですが、「固定資本」とか「貨幣資本」という言い方はあまりよろしくないと思うのです。なぜなら、「資本」というのは運動体を示す言葉ですから、「産業資本」や「金融資本」という言葉は運動体を指す言葉なのでOKですが、「固定資本」とか「貨幣資本」というのは資本の運動の一局面を指す言葉なので不適切だからです(とくに、「貨幣資本」は運動体としての「利子生み資本」と混用される場合もあるのでいっそう問題があります)。後者は、厳密には「資本の機械・設備としての定在(Dasein)」などと言わなければならないでしょう。
でも、これじゃ長たらしい。何かもっとよい言い方はありませんか?
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