【集団的自衛権問題研究会 News&Review :特別版 第13号】 (2015年7月4日)
- 2015年 7月 4日
- 評論・紹介・意見
- 杉原浩司
7月3日(金)の安保法制特別委員会では、安倍首相が出席し、総括的集中
審議(NHKも中継)が行われました。審議ダイジェストをお送りしますの
でご一読ください。
いよいよ強行採決の足音が聞こえてきました。質疑終了後に委員会採決の
前提となる中央公聴会の日程が議決されました。13日(月)午前9時から
開催するという与党の提案が、自民、公明に加えて、維新も賛成して議決
されてしまいました。民主と共産は反対しました。維新は、独自案を公表
し徹底審議を繰り返し主張しながら、どうして賛成に回ったのでしょうか。
報道では15日、17日、21日と委員会採決の「候補日」が報じられています。
強行採決を許さない民意を早急に可視化していくことが必要です。
<安保法制特別委員会の今後の日程>
6日(月)那覇市・さいたま市で地方参考人会
8日(水)午前9時~ 一般質疑
10日(金)集中質疑(首相出席、NHK中継)
13日(月)午前9時~ 中央公聴会(衆議院第一委員会室)
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【安保法制特別委員会 地方参考人会(第2班・埼玉県)】
7月6日(月)13時~16時
パレスホテル大宮
(JR大宮駅西口より歩行者デッキを経由し、徒歩3分。大宮ソニックシティ内)
http://www.palace-omiya.co.jp/access/
団長あいさつ(13:00~13:05)
<参考人の意見陳述(各15分、計1時間15分)>
13:05~13:20 石河秀夫(埼玉弁護士会会長)
13:20~13:35 落合洋司(弁護士、東海大学法科大学院特任教授)
13:35~13:50 倉持麟太郎(弁護士、明日の自由を守る若手弁護士の会)
13:50~14:05 佐伯鋼兵(埼玉県商工会議所連合会会長)
14:05~14:20 細谷雄一(慶應大学法学部教授)
<参考人に対する質疑(1時間40分)>
14:20~14:40 岩屋毅(自民)
14:40~15:00 緒方林太郎(民主)
15:00~15:20 太田和美(維新)
15:20~15:40 濱地雅一(公明)
15:40~16:00 塩川鉄也(共産)
団長あいさつ
※委員会としてのインターネット中継は行われませんが、独立メディアに
よる中継が行われると思われます。
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◆枝野幸男(民主)
「安倍政権の姿勢によって報道機関が萎縮している。国境なき記者団の報
道自由度ランキングでは、05年42位、06年37位、07年51位、08年37位、09
年29位、10年17位、11年11位、12年22位、13年53位、14年59位、15年61位。
産経新聞を追い出した韓国よりも低くなっている。安倍政権下で報道の自
由度が明らかに低下した」
安倍首相「一機関の調査だ。一般国民も「本当にそうか」と思うのではな
いか。萎縮しているなら報道機関にとって恥ずかしい。権力におもねるの
でなく、立ち向かう姿勢が報道に求められている。安倍政権は正式記者会
見からどこかの会社を締め出すような事はやっていない」
◆枝野幸男(民主)
「百田氏をNHKの経営委員に任命したが、当時、彼の報道に対するこうし
た姿勢を知っていたのか?」
安倍「幅広い分野で執筆されていた百田氏を一部野党の信任も受けて選任
した」
枝野「答えていない。我々は当時知っていて反対した」
安倍「設問自体理解できない。任命した際の発言ではない。2年半後の発
言は予測し得なかった」
◆枝野幸男(民主)
「新3要件では72年見解の(2)の根本原理に書かれていた「急迫、不正」
の表現が消えている。これがないと概念として広過ぎる。可能性や恐れだ
けではダメだ。72年見解とズレている」
横畠法制局長官「今般は「覆される」「明白な危険」と明記している。全
くズレていない」
◆長妻昭「法律のデメリットは?」
安倍「どういう質問でおっしゃっているかわからない。国民の生命と安全
を守りぬくため必要な法制だ」
長妻「自民党改憲試案の「自衛権」の意味は?」
安倍「まさに自衛権。この法案とは無関係だ。国連憲章上の自衛権と相通
じるもの」
長妻「自民党のQ&Aにはフルスペックの集団的自衛権という意味で書かれ
ている。一回引っ込めて、堂々と9条改正手続きをして国民に問うたらど
うか」
◆後藤祐一(民主)
「ミサイルが飛んでくるリスクがない中で、単に邦人を乗せた米輸送艦が
攻撃された時、集団的自衛権は行使できないとの横畠長官答弁があった。
閣議決定の際の総理の説明は間違いだったのではないか?」
安倍「会見時のパネルは問題意識の共有のため使った。当てはまるかは総
合的判断だ」
後藤「ミサイル飛んでくる明白な危険がない中、存立危機事態に当てはま
る事はないという事でいいのか? お経のような答弁はやめてください」
安倍「ミサイルだけでなく、潜没潜水艇も保有しており、それに乗せる特
殊部隊や工作員もいる。ミサイルが顕在化しなくても存立事態は起こり得
る」
後藤「どうしても負けを認めたくないのがよくわかる」
◆後藤祐一(民主)
「先日も議論したが、他国の掃海艇で足りる場合、第二要件を満たさない
のではないか?「行かないことはあり得ない」との外相答弁は精神論で大
変怖いことだ」
岸田外相「湾岸戦争後の機雷掃海では我が国が4隻、全体で30隻で7ヶ月か
かった。そうした中、高い技術と実績を持つ我が国部隊が掃海に加わらな
いのは考えられない」
◆柿沢未途(維新)
「維新の党は独自案を作った。憲法適合性を確保し国民の不安に応えたと
自負している。「立法事実がない」と言って安保法制全体に反対する立場
はとらない」「中国の国防費は増大し、透明性もない。また、日本固有の
領土をかすめとろうとしている。私は中国を脅威だと感じるがどうか?」
◆下地幹郎(維新)
「私の質疑で80時間を超える。速記が止まったのは81回。あと120時間や
りましょう。強行採決はせず、民主や共産も納得するまでやるべきだ。今
度は答弁席に維新の人間が座り、しっかりと議論したい。維新の独自案は
阪田雅裕、伊藤真、小林節の各先生にも見てもらった」「政府案は最終目
標の憲法改正に水を差すのではないか。まず維新案をやったうえで憲法改
正へ行くべきだ」
◆丸山穂高(維新)
「15日、17日にも採決するとの報道がある。維新案は早くても10日に提案
理由説明を行うことになる。しっかり審議を尽くす必要がある」
安倍「しっかり中身のある審議をしたい。ただ、議論が熟したどこかの段
階で、決めるべきは決めるべきだ」
◆赤嶺政賢(共産)
「百田氏のような発言はこれまでも繰り返されてきた。麻生副総理は外相
時代の2005年に沖縄を訪問した際、普天間基地について、「周りにどんど
ん家が増えて基地として具合が悪くなる」と述べて問題になった」「2003
年3月に森喜朗幹事長(当時)は「沖縄県の教組は共産党が支配していて
何でも国に反対する。二つの新聞もそうだ」とデマ発言を行い、その後陳
謝した。また、2005年には山中防衛施設庁長官が「沖縄の新聞は偏り過ぎ
ている。イエローペーパー、ゴシップ紙だ」と発言した。こうした発言は
政府からも自民党からも繰り返されてきた。こうした認識は深く根をおろ
したものではないか」
安倍「沖縄の苦難の歴史に思いを馳せながら、沖縄の振興、基地負担の低
減に力を尽くしていかなければならない」
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<特別版 第12号(維新独自案発表と研究会声明)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=290
<【声明】[維新独自案]法案の修正ではなく、閣議決定の見直しを>
http://www.sjmk.org/?page_id=283
<特別版 第11号(7月1日の参考人質疑・一般質疑録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=278
<維新「独自案」に関わる3つの論点>
6月29日 川崎哲(集団的自衛権問題研究会代表)
http://www.sjmk.org/?page_id=265
<特別版 第10号(6月29日の審議録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=275
<特別版 第9号(6月26日の審議録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=255
<特別版 第8号(6月22日の参考人質疑録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=251
<特別版 第7号(6月19日の審議録など)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=247
<特別版 第6号(6月15日の審議録など)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=241
<特別版 第5号(6月12日の審議録など)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=239
<2つの政府見解に関するコメント>
6月10日 川崎哲(集団的自衛権問題研究会代表)
http://www.sjmk.org/?page_id=217
<特別版 第4号(6月10日の審議録など)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=226
<特別版 第3号(政府見解等を掲載)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=207
<特別版 第2号(6月5日の審議録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=187
<特別版 第1号(6月1日の審議録)はこちら>
http://www.sjmk.org/?page_id=136
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発行:集団的自衛権問題研究会
代表・発行人:川崎哲
News&Review特別版 編集長:杉原浩司
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◇『世界』7月号、6月号に当研究会の論考が掲載されました。
http://www.sjmk.org/?p=194
http://www.sjmk.org/?p=118
※8月号にも「論点」が掲載予定です。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion5461:150704〕
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