燃えるアメリカ -アメリカ大統領選挙戦とカリフォルニア山火事-
- 2015年 8月 5日
- 交流の広場
- アメリカ平田伊都子
2015年8月4日のアメリカは燃えています。 本当に火事なんです。 7月17日に火が点いたカリフォルニアの山火事は、57,000ヘクタールをなめつづけて、、まだまだ鎮火する兆しはありません。 70年前にアメリカが原爆を落として焼き尽くした、広島市に匹敵する広さです。 70年前にアメリカは広島と長崎に原子爆弾を落とし、約30万人以上の日本人同胞を瞬時に殺し、放射能後遺症で住民の多くを苦しめ続け、環境も放射能汚染したまま放置しています。
一方。戦争被害者の日本人はすっかりアメリカに飼いならされ、被害届を戦争犯罪を裁くICC国際刑事裁判所に届けようとせず、賠償金を請求することもしません。 殺された同胞たちの無念な想いが、アメリカの山火事に油を注いでいるのでは??
*バイデン大統領選出馬ニュースで民主党指名候補争いに火が点く:
2015年8月1日、アメリカのマスコミがこぞって、「ジョー・バイデン副大統領(73)が2016年アメリカ大統領選挙に出馬か?」と、騒いだ。
2015年5月30日に脳腫瘍で死んだ息子ボー(享年46)が、「パパ、僕の分まで頑張って!」と、遺言を残していたとか、、バイデン副大統領は、「夏の終わりには結論を出す」と、夏の間は副大統領職に精を出すと語った。
一年前の7月21日に、オバマ大統領はニューヨーカーのインタヴューで、「バイデン副大統領は、大統領の職務をすぐ近くで見てきており、何をすべきか、どのように優先順位をつけるか理解している。社交術も心得ており、議会との重要な関係も築いてきている、、素晴らしい大統領になるだろう」と語った。そして、「バイデン、クリントン両氏はすでに多くの功績を立ててきた。人生のこの段階において、極めて屈辱的とも言える(大統領選の)プロセスをまた一から始めることを望むだろうか」と、両氏の大統領選出馬に疑問をなげかけていた。 が、両氏ともオバマの期待を裏切る生臭い人間で、大統領職に未練たっぷりだったのだ。
*燃えるバイデンとヒラリー:
民主党大統領候補指名を勝ち取るには、民主党大統領であるオバマの支援が一番だ。
大統領選出馬をいち早く表明したクリントン氏は、オバマの支持を得ようと、ゴマをすりまくった。 例えば、イラン核問題合意が成立するとすぐに賛意を表明した。 が、イランを仇敵とするイスラエルが合意に反対すると、今度はアメリカのユダヤロビーにごまをすって、「イランへの圧力を緩めてはいけない」と平和交渉に水を差す反対意見を述べた。
バイデン副大統領が出馬ともなれば、意地悪クリントンの矛先はオバマ大統領に向けられる。 最強の自己中心女性から、どんな悪口雑言が飛び出すのか?見ものだ。
クリントン氏の公私混同は、様々な物議を醸しだしてきた。 クリントン元大統領と共にホワイトハウスから去る時には、カーテンや壁紙までひっぱがして持ち去ったと言う。
国務長官在任中に私用のメールアドレスを公務に使用していたことは、国家機密漏洩の罪になる。 「共和党大統領候補は金持ちばかりだ」とクリントン氏は非難するが、彼女自身が、約3,000億円の選挙資金を集めた超大金持ちだ。 彼女の金庫であるクリントン財団はロシア原子力企業ロスアトムやカナダのウラン開発会社ウラニウム・ワンなどから巨額の寄付金をかき集めた。 さらに、モロッコやFIFA国際サッカー連盟などからも不明な入金があり、外国献金問題を問われそうだ。
確かに、軍資金でも選挙運動でも、バイデン副大統領はクリントン氏に大きく出遅れている。
バイデン副大統領唯一の強みは、オバマ大統領との絆だけだ。
8月4日の大統領日程を見てみる。
11:30、パン・ギムン国連事務総長と会談、バイデン副大統領も同席。
12:30、オバマ大統領とバイデン副大統領が昼食を共にする。
16:25、ユダヤ系アメリカ人団体と会合
確かに、バイデン副大統領とオバマ大統領は仲がよさそうだ。
8月4日はオバマの誕生日で、毎年誕生祝いをするのだが、今年のオバマ・ホームページには「ハピー・バースデイ」の2文字が見られない。 そうだよね、、もう54才になったんだもの、誕生日パーテイ―だなんてやってらんないよね!
「相応しい人に大統領職を渡したい」と、7月末のアフリカ訪問の時、オバマは記者団に語った。 バイデン副大統領ならオバマ・レガシー(遺産)を継いでくれると、オバマは思っているようだ。 レガシー(遺産)の相続人をつくることが、オバマ・レガシーの仕上げになるのでしょうか?
*燃えるカリフォルニア
2015年7月17日以降、米カリフォルニア州のロサンゼルス郊外など各地で山火事が発生した。 7月29日にはカリフォルニア州北部でも山火事が起こり、歴史的な干ばつに加え、強風にあおられて消火活動は難航している。
8月4日には、全州23か所以上に山火事が広がり、州は12,000人以上に避難命令を出した。 消防士10,000人以上が消火にあたっているが、消防士一人が死亡し、50軒の建物が全焼した。 未だに、一割程度の消火見込みしか立っていない。 焦土は57,000ヘクタール以上と報告されているが、間違いなくまだまだ広がっていく、、
いつになったらカリフォルニア山火事は鎮火するのでしょうか?
すくなくともお盆が終わる8月16日までは、怨念の火が燃え続けるでしょうネ、、
文:平田伊都子 ジャーナリスト、写真構成:川名生十、写真提供:広島平和資料記念館
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