政治的混迷の背後で進む戦争(きな臭い)体制の進行に抵抗を 連帯・共同ニュース 第94号
- 2011年 1月 7日
- 評論・紹介・意見
- 9条改憲阻止の会戦争体制政治混迷
2011年1月6日
■ 新年おめでとうございます。紋切り型しか思い浮かばないというか、それが何となく気持ちを落ち着かせるというのか、こんな挨拶をさせていただきます。昨年は沖縄の基地移設問題を活動の中心にした一年でしたが、今年もそれは変わらないのかもしれません。ただ、今年は政府の対中国、対アジアへの戦争体制の構築に傾斜する動きに対しての抵抗も強化したいと思います。政治的混迷の続く民主党は外交部会で「自衛隊の海外派兵の恒久化や集団自衛権の行使」の検討を進めるとの報道があります(毎日新聞)。かつて自民党の小泉―安倍路線の日米同盟・軍事態勢強化(海外派兵)・新自由主義への回帰を進める民主党菅政権ですが、政治的混迷が続けば続くほどその道に真綿で首が占められるように追い込まれて行くように見えます。
■ 「参院に海外派兵禁止の動議出(いだ)せし父よみがえれ今」(鶴見和子『山姥』)。これは脳梗塞で倒れて療養していた鶴見和子さんの歌です。ここでいう父は鶴見佑輔で保守派リベラルの政治家(参議院議員)でした。自由民主党の議員だったのですが彼らたちですら海外派兵に反対していました。昨今では自民党、民主党を問わず戦争に対する抵抗感が薄れているようにみえます。戦争に対する抵抗感は世代間や地域間の問題になってきているように思えます。地域差とは言うまでもありません、沖縄と本土のことです。僕らは今、この戦争への抵抗の重要性をはっきりと認識し、戦後の日本が太平洋戦争で贖った歴史的遺産として受け継ぎたいと思っています。戦争状態が現出してしまえばそれの批判がどんなに困難になるかはアメリカを見ているだけで十分だろうと思います。他国(他の共同体)の脅威が歴史的な戦争の根底をなしてきたものです。そしてこの脅威論(恐怖の共同性)は根拠も理由も曖昧なまま流通し人々の共同意識となりやすいものです。また、国家権力はこれを根拠にして軍事力を強め、それを批判するものを抑圧します。あるいは脅威論(恐怖の共同性)はタブ―となって共同意識を支えることにもなります。日本は中国などを脅威としないで真正面から向き合うべきであり、戦争や軍事に依らない関係を構築すべきです。そこに道はあります。日本の政党や政治家の見識や構想力の問題ですが、それには国民の声がなければなりません。僕らはそれを運動にしたいものです。 (文責 三上治)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion289:110107〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。