〝監視社会〟の風潮を跳ね除けなければならない
- 2015年 10月 31日
- 評論・紹介・意見
- 池田龍夫
さいたま版を読んでないため知らなかったが、サンデー毎日を読んで、〝監視社会〟さながらのケースが2件あったことに驚かされた。
一つは、JR浦和駅東口の公共施設「コムナーレ」内に開設された「市民活動サポートセンター」をめぐる変な話。運営は「さいたまNPOセンター」指定管理者で、同センターに登録している団体数は1727。市民と行政が協働で運営する先進的な施設として注目されていた。ところが10月中旬、市議会は突然、サポセンを「当面の間、指定管理者のNPO法人による運営を停止して、市の直営とする」という条例改正案を、自公の賛成で可決した。突然の暴挙につき自民党議員は「一部の団体が政治利用しているから」と説明しているが、「権力による自由な活動の制限」は明らかではないか。
二つ目は反戦デモを詠んだ俳句をめぐる規制。73歳女性が投句した「梅雨空に『9条守れ』の女性デモ」で、大宮区の三橋公民館の「公民館だより」7月号に掲載予定だった。ところが、公民館側から「集団的自衛権問題で世論が割れている時に一方の意見だけは載せられない」と通告されボツになった。女性は「掲載拒否は表現の自由を保障した憲法21条などに違反する」として、市を相手取って国家賠償訴訟を起こした。
国や自治体が国民の自由な表現を規制する世相は危険であり、抗議の姿勢を強めなければならない。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5748:151031〕
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