本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(105)
- 2015年 11月 11日
- 評論・紹介・意見
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速い頭脳と強い頭脳
先日、「二日続けて、日本人がノーベル賞を受賞した」という、嬉しいニュースが届いたが、この時に感じたことは、「自然科学」と「社会科学」との「違い」であり、また、「速い頭脳」と「強い頭脳」の「違い」でもあった。つまり、「大自然に存在する物質」について解明する学問が、「自然科学」であり、また、「人間の行動」について、法則などを解明するのが、「経済学」などの「社会科学」と分類されているが、この時の、大きな違いは、「実験が可能か否か?」とも言えるのである。
具体的には、「自然科学」の場合には、今回の受賞者のように、「微生物」と「ニュートリノ」という、「既に存在する物質」について、新たな発見や応用がなされたが、この時には、「理論を生み出すための実験」が可能だったのである。しかし、一方で、「社会科学」の場合には、「人類の歴史」を参考にしながら、新たな理論を構築する必要性があり、この時には、「自然科学のような実験」ができないのである。
つまり、「約200年の歴史」が存在すると言われている、現在の「資本主義」についても、「初期段階」と「現在」とでは、大きな違いが存在し、また、「根本的な研究や検証のために必要なサンプル数が不足している状況」とも言えるのである。しかし、この点を考慮しても、より大きな「違い」として、「速い頭脳」と「強い頭脳」の「違い」が指摘できるようにも感じているが、「速い頭脳」というのは、「答えのある問題を、早く解く能力」であり、また、「強い頭脳」というのは、「答えの存在しない未知の問題を、粘り強く考え続ける能力」とも言えるのである。
そして、現在、「自然科学」の分野においては、「強い頭脳の持ち主」が、学会などのリーダーとなっており、実際に、「謙虚な態度で、真摯に、新たな理論を構築する努力」を行っているようだ。しかし、一方で、「社会科学」においては、「速い頭脳の持ち主」が、「政治」や「経済」などの分野で優位に立っており、その結果として、「過去の理論などに固執し、現状を見ない傾向」が存在するようにも感じられるのである
つまり、「前例主義」による「官僚支配体制」のように、「今までに経験したことが無い事例や新しい理論などが、拒否される傾向」が存在し、このことが、新たな進歩を阻害しているようにも感じられるのである。特に、現在の「経済学」においては、「基礎理論」である「貨幣論」が欠如しているために、これからの「本格的な金融大混乱期」には、相当の混迷状態に陥ることも予想されるのである。(2015.10.15)
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二人のセールスマン
「アフリカの靴売り」という有名なエピソードがあるが、具体的には、「二人のセールスマンが、アフリカの原住民に、靴を販売した時の話」であり、この時、一人のセールスマンは、「全員が裸足だから、靴が売れるはずがない」と考えたものの、もう一人のセールスマンは、「全員が靴を履くようになったら、膨大な需要が生まれる」と勇みこんだそうである。つまり、「売れない」と考えたセールスマンは、「現在」という「三次元の世界」で判断したようだが、「売れる」と考えたセールスマンは、「将来」という「四次元の世界」で、ビジネスチャンスを模索し始めたことが理解できるのである。
また、両者の違いとしては、「現在」だけを見ると「失望感」が生まれ、一方で、「将来」を見た時には、「夢」や「希望」が生まれる状況も考えられるが、このことは、「時間により、世の中が、どのように変化するのか?」を考える「四次元の経済学」の「基本的な考え方」とも言えるようである。つまり、「相場」の場合でも同様だが、実際には、「現時点での割安株」を買い、「将来の変化や値上がり」を待つことが、最も成功する投資方法の一つとも考えられるのである。
このように、「将来、どのような変化が起こるのか?」を考えることが、「投資」や「人生」において、たいへん重要なことだと考えているが、もう一つの重要な点は、「人生で最も大切なものは、一体、何なのか?」を考えることでもあるようだ。つまり、「お金は、あの世に持っていけない」という言葉のとおりに、「お金」や「地位」、あるいは、「名誉」というのは、本当の「宝物」とは言えないようにも感じられるのである。
そして、かりに、「あの世」が存在し、また、「何を、あの世に持って行けるのか?」を考えた場合には、実際のところ、「この世での体験」のようにも感じられるが、具体的には、「楽しい思い出」や「辛い体験」などのように、「自分自身が、実際に経験したこと」、そして、「多くの体験から、どのような事を学んだのか?」だけのようにも思われるのである。別の言葉では、「成長した魂」が、本当の「宝物」のようにも感じているが、このことが、私が考える「五次元の経済学」である。
また、この時に興味深い点は、「次元の進化」とともに、「恐怖心」が消え去るとともに、「喜び」や「楽しみ」が増える可能性でもあるが、実際には、「あの世」へ引っ越すと思えば、「死の恐怖」が無くなり、また、さまざまな「苦労」や「悩み」は、反対に、「自分の魂が成長している証拠である」とも考えられるからである。(2015.10.16)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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〔opinion5769:151111〕
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