たんぽぽ舎から TMM:No2719
- 2016年 3月 1日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No2719】
2016年3月1日(火)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.動かせば次々に事故を起こす 高浜原発の恐ろしい現実
発電所で発電機にトラブルを起こしても
原因がすぐ分からないのだから深刻である
先日の冷却材漏れといい規制基準適合性審査を通った原発が
次から次にトラブルを起こすのはどういうことか
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.2/28広瀬隆さん「電力自由化で原発と東京電力を葬る」
ガスコンバインドサイクルシステムは高効率の発電システム
冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
★3.書籍の紹介:林田 英明著『それでもあなたは原発なのか』南方新社
「原発とは何かを多角的にとらえている」
原発そのものの否定を基本に考えたいと思った
斎藤なぎさ(たんぽぽ舎ボランティア)
★4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆3/13被ばく学習会「放射能を可視化する」
講演:森 敏さん(東大名誉教授)
主催:放射線被ばくを学習する会
★5.新聞より3つ
◆東電元3幹部を強制起訴 原発事故の責任追及「やっとここから」
(2月29日東京新聞夕刊1面より抜粋)
◆巨大津波予測 最大の争点 東電元トップら強制起訴
福島事故「検察役」最多5人 (3月1日東京新聞朝刊1面より抜粋)
◆終わりと始まり 池澤夏樹
東電の責任と倫理観 原発崩壊は天災でない
(3月1日朝日新聞朝刊3版3面「文芸・批評」より見出しのみ)
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・脱原発川柳【再稼働 まだフクシマを 起こす気か】 乱 鬼龍 (転載自由)
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※3/2高浜原発再稼働やめろ!第14回関西電力東京支社抗議行動にご参加を!
日時:3月2日(水)17時30分より18時30分
場所:富国生命ビル前(地下鉄三田線内幸町駅A7出口すぐ)
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」 TEL 070-6650-5549
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┗■1.動かせば次々に事故を起こす 高浜原発の恐ろしい現実
| 発電所で発電機にトラブルを起こしても
| 原因がすぐ分からないのだから深刻である
| 先日の冷却材漏れといい規制基準適合性審査を通った原発が
| 次から次にトラブルを起こすのはどういうことか
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
◎ テレビカメラの目の前で原子炉がスクラムしたのは史上初めてだろう。
2月29日午後2時頃、冷却材喪失事故の原因もはっきりしないまま再起動していた高浜原発4号機で、原子炉出力10%で発電と送電を行う「並列」という作業を行おうとした瞬間、原子炉が緊急停止(スクラム)した。
高浜原発4号機の発電機からの電気を送り出す「主変圧器」に電力を送る作業を行う「並列」を行った瞬間、「発電機トリップ(停止)」信号が発せられた。
この原因は分かっていない。
発電機が止まるとタービンも止まる。引き続き原子炉が止まるかどうかは場合によるが、今回は起動途中であることや原因が分からないトラブルであることなどから原子炉停止信号つまり「スクラム」信号が発せられた。なお、原子炉を止めずにタービンへの蒸気を復水器に逃がして原子炉を動かし続ける「タービンバイパス」という方法もある。もちろん極めて危険な方法だ。
◎ 電源設備の怖さ
発電所で発電機にトラブルを起こしても原因がすぐ分からないのだから深刻である。止まっていた4年7ヶ月、関電は一体何をしていたのか。発電所を壊していたのだろうか。
長い間止まっている機械は、急激に動かすとトラブルを起こしやすい。徐々に慣らし運転などをして、安全に稼働することを確認するのが常識だ。しかし原発には常識は通じない。スケジュールありきで、何が何でも動かせと政府からも圧力がかかり続けている。
原発の電源設備は極めて重要な「安全系」である。高浜原発では電力は3号機のみで作られている。4号機は発電していないので原子炉の冷却から保安設備まで全て「外部電源」に依存している。所内変圧器から4号機の電気が送られていても3号機の電力は外部電源であることに変わりはない。
原子炉を起動し、タービンが回りだし発電機が並列されると、一定の発電量になれば所内電源に切り替えられる。この段階で起動変圧器から所内変圧器に電源が切り替えられるので、以後は発電機が止まれば直ちに外部電源に切り替えないとステーションブラックアウトを起こす。
福島第一原発2号機では、2010年6月に実際に外部電源喪失から非常用ディーゼル発電機起動失敗事故を起こしている。原子炉はスクラムしたものの炉心水位が急降下し、ECCSの作動寸前にまでいった。
この事故で電源の脆弱性が問題となり、市民団体が東電と保安院に抗議を行っている。その9ヶ月後に福島原発震災が発生し最悪の全電源喪失が発生していた。
この事故を反省し、福島第一原発に電源設備の脆弱性対策が少しでもされていたら、あるいはもう少しマシだったかもしれない。
◎ 原子力規制委員会は何を見ているのか
先日の冷却材漏れといい、規制基準適合性審査を通った原発が次から次にトラブルを起こすのはどういうことかと思われるかもしれない。しかし規制委の審査はそんなところを見ているわけではない。新たな基準に沿った強度、例えば耐震性などがあるかどうか、または規制基準に合致した設備や設計になっているかを見ている。配管からの水漏れだとか電源設備の安定性は規制以前のことであり、そんな当たり前なことは事業社が当然達成していなければならないレベルである。
しかし当たり前のレベルにさえ達しないのが今の電力業者であり原子力産業である。規制委が目をつぶろうと無視をしようと現実には、高尚な事故対策以前に、達成されているべき電源設備や配管の健全性からして、崩壊しているのが今の原発だ。
なぜそうなるのか。いうまでもない。老朽化していて隅から隅まで歪みだらけになっているうえ設計も悪い設備を、金をかけて補修したり健全性を維持したりりすれば、その分儲けが減るからだ。
古い原発はできるだけ費用をかけないで動かさなければ元が取れない。しかも新規制基準に適合するため、既に1000億円もかけてしまった。
そんな事業者の懐具合に親切丁寧なのが規制庁だ。40年の老朽炉1号機にしても日程に間に合わせて動かし続けさせようとしているではないか。
規制委が何かを見つけて危険を未然に回避できるどころか、むしろ見て見ぬ振りで再稼働を推進している。これではどんな事故が起きても不思議ではない。
再び原発過酷事故を引き起こすならば、国や事業者の責任は言うまでもないが再稼働を容認した議会や首長や全ての人々にも応分の責任があることも言うまでも無い。
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┗■2.2/28広瀬隆さん「電力自由化で原発と東京電力を葬る」
| ガスコンバインドサイクルシステムは高効率の発電システム
└──── 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
2月28日たんぽぽ舎第28回総会の記念講演、広瀬隆さん「電力自由化で原発と東京電力を葬る」、プレゼンのタイトル「続・電力自由化と私たちの態度―絶好のチャンスを生かそう!」を聞いて。
広瀬隆さんのお話は魅力がある、論理が明快で面白い、というわけで、第1部総会出席者が105人というのも広瀬効果です。さらに第2部講演会出席者は105人を上回ったそうです。あのスペース(4F・「スペースたんぽぽ」約100平方m=30坪)にどうやって入ったのでしょうか?
◎ 電力自由化は今や最後の段階に入りました。すでに大口ユーザー(家庭以外)は自由化の恩恵を享受しており、大手9電力から離れているか、または買い手に有利な価格で購入しています。これは資本主義においては当たり前のことで、9電力の地域独占体制がいかに一部の人たちの利権構造であるかを示しています。あの甘利元大臣は電力会社にパーティー券を大量に購入してもらって1000万円も受け取っていたのです。マスコミはなぜ報道しないのか?国会議員はなぜ国会で追及しないのか?運命共同体(利益共同体)だから。
◎ 電力業界は大手バイヤーからは利益を取れず、9電力平均で家庭から7割、東京電力に至っては家庭から9割の利益を得ています。家庭が東電から買わなければ東電は倒産するのです。いかにして東電以外から買うかこれが当面の課題です。再生エネルギーの電気を使いたいという人もいるでしょうが、当面は不可能です。自然エネルギー(大部分は太陽光)電気は約3%で、水力を入れても再エネの電気は12%程度です。
ガスコンバインドサイクルシステムは高効率の発電システムです。企業は自家発電を増やしており25%に達しています。送電線網は1つしかありませんから、どこからどのような電気が来るか選べません。別の送電線網を設置するのは経済的に不可能でしょう。
◎ しかしどの新電力でも同じではありません。旧電力と提携している会社(ソフトバンクやKDDI)はダメです。間接的に旧電力から買うことになります。大手ガス会社を中心として地方の多くのガス会社は自家発電を増加させることで販売を増加できます。そうした会社から購入すれば東電をじわじわと追い詰めることができます。
旧電力が必死で原発を動かそうとするのは、しかも建設後40年の古い原発を無理やり再稼働するのは、減価償却の終わった原発からは大きな利益が得られるからです。
倒産を避けるための原発再稼働のために国民は危険にさらされているのです。
全く理不尽極まりないこの国の政治です。安倍政治を許さない!早く退陣させましょう!
※「詳しくは、たんぽぽ舎:新ホームページ http://www.tanpoposya.com/ を参照してください。」
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┗■3.書籍の紹介:林田 英明著『それでもあなたは原発なのか』南方新社
| 「原発とは何かを多角的にとらえている」
| 原発そのものの否定を基本に考えたいと思った
└──── 斎藤なぎさ(たんぽぽ舎ボランティア)
◎ この本は2014年3月20日に発行された。広瀬隆さん、藤田祐幸さん、小出裕章さん、樋口健二さん、石丸小四郎さん、佐藤幸子さん、椎名千恵子さん、宇野朗子さん、依光隆明さん、パーベル・ブドビチェンコさん、青木泰さん、松井英介さん、鎌仲ひとみさんたちの発言を集め、原発とは何かを多角的にとらえている。
◎ 東京電力福島第一原発事故から今年で5年目となるが、被曝労働者、震災がれき、内部被曝など多岐にわたる問題を自分の中で再確認しておこうと読み進んだ。
するとテレビや新聞では出にくい舞台裏を知ることができて面白かった。たとえば毎日新聞の記者である著者ががれきの問題で、北九州市が宮城県石巻市のがれきを受け入れる過程を「市長は拙速に走ってはいけない」(2012年4月30日「毎日新聞」北九州版)と書いたところ社の先輩から「がれき受け入れは『人の道』として至極当然」と反論が届いたという。さらに著者は秋に「一方的な押し付けは横暴」と新聞用に記事を書いたが、社内で掲載見合わせとなり、やむなく日本ジャーナリスト会議の機関紙『ジャーナリスト』に掲載したという。
◎ 信じがたいことに原子力規制委員会は2月24日、40年を超えた関西電力高浜原発1,2号機が新規制基準に適合と判断した。
2010年11月、「ハイロアクション福島原発40年実行委員会」が発足し宇野朗子さんが委員長になる。そのオープニングイベントを半月後に控えた日に原発震災が襲った。宇野朗子さんは福島から即座に脱出し、車、飛行機、新幹線を使い山口県へ行く。その行動力と原発反対運動のけん引力を重ねてみることができた。
◎ 読み終えて、やはり小出裕章さんの「超優秀な核兵器材料となるプルトニウムは人類最悪の猛毒物質。利用すべきではない」(p.72)という原発そのものの否定を基本に考えたいと思った。
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┗■4.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆3/13被ばく学習会「放射能を可視化する」
講 演:森 敏さん(東大名誉教授)
日 時:3月13日(日)13時開場 13:15から17:10
会 場:文京区アカデミー茗台(めいだい)・7階学習室A
文京区春日2-9-5 Tel 03 (3817) 8306
地下鉄丸の内線「茗荷谷」駅下車、
チラシ http://xfs.jp/uhR7P
放射能は見えない、匂いもない、味もない。それでも見えるようにする方法があります。
飯舘村で使われた軍手をイメージングプレートに載せると、軍手についた土に含まれていた放射性セシウムが黒く写ります。
森 敏さんは3.11以降、植物、動物をはじめ、さまざまな物の放射線像を撮ってこられました。モミの木の放射線像では、分裂の盛んな枝の先端の若い葉が、放射能(セシウム)で強く内部被ばくしていることが分かります。
放射能の可視化で何が明らかになってきたか、お話いただきます。
申 込:anti-hibaku@ab.auone-net.jp
主 催:放射線被ばくを学習する会
http://www57.atwiki.jp/20030810/pages/1.html
資料代:800円(学割あり)
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┗■5.新聞より3つ
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◆東電元3幹部を強制起訴 原発事故の責任追及「やっとここから」
東京電力福島第一原発事故で、検察官役の指定弁護士は29日、昨年7月の東京第五検察審査会の起訴議決に基づき、「大津波を予測できたのに対策を怠り、漫然と原発の運転を続けた過失がある」として、東電の勝俣恒久元会長(75)ら旧経営陣3人を、業務上過失致死傷罪で在宅のまま東京地裁に強制起訴した。発生から3月11日で5年。甚大な被害をもたらした原発事故の刑事責任が、初めて裁判で問われる。 (中略)
武藤類子・告訴団団長 進む再稼働「教訓学んでない」
「やっとここまできた」。事故の責任追及を求めてきた「福島原発告訴団」の武藤類子団長(62)は、東京電力の旧経営陣が強制起訴されたことに感慨深げだ。「3人は真実を語り、なぜ事故が起きたかを明らかにしてほしい」
放射能汚染で、日々の営みを奪われた1人だ。2003年に豊かな自然に囲まれた福島県田村市で喫茶店をオープン。裏山で摘んだ野草をお茶にしたり、ドングリを使った料理を振る舞ってきた。だが、約45キロ離れた東電福島第一原発で起きた事故によって、山の幸は汚染されドングリもキノコも食べられなくなり、薪(まき)も燃やせなくなった。店は13年春に廃業した。
「被害の大きさだけではなく、調べれば調べるほど、東電は津波対策を握りつぶしてきたことが分かってきた。想定外ではなかったのに、事故の責任を誰も負わないのはおかしい」
12年に告訴団を結成し、団長になった。福島県民約1300人でスタートし、全国に共感が広がり、1万4千人超にまで膨らんだ。今年1月には、裁判で検察官役を務める弁護士にエールを送るため、「支援団」も発足させた。
「原発事故は収束していないし、被災者はまだ困難な状況にある。責任をうやむやにしてはいけない。反省しなければ、また事故が起きる」と訴える。
(後略) (2月29日東京新聞夕刊1面より抜粋)
◆巨大津波予測 最大の争点 東電元トップら強制起訴
福島事故「検察役」最多5人
東京電力福島第一原発事故で、検察官役の指定弁護士は29日、東電の勝俣恒久元会長(75)ら旧経営陣3人を業務上過失致死傷罪で在宅のまま強制起訴した。公判では、全交流電源喪失が起きるほどの巨大津波の襲来を予測できたかが、最大の争点となる。3被告は公判で「津波の予測は不可能だった」などと無罪を主張するとみられ、指定弁護士は難しい立証を迫られる。 (後略)
(3月1日東京新聞朝刊1面より抜粋)
◆終わりと始まり 池澤夏樹
東電の責任と倫理観 原発崩壊は天災でない
(3月1日朝日新聞朝刊3版3面「文芸・批評」より見出しのみ)
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