NHKスペシャル 「原発避難 7日間の記録 福島で何が起きていたか」 + 3/11 報道ステーション「福島子ども甲状腺ガン」特集関連サイト + あと2つ(「小児甲状腺がん家族会」発足記者会見 他)
- 2016年 3月 16日
- 評論・紹介・意見
- 田中一郎
3/5(土)と昨日の深夜(3/12)に放送された番組です。是非ご覧になってみて下さい。私は地域住民の避難計画を棚上げにしたまま原発再稼働にOKを出した鹿児島県知事や愛媛県知事、そして福井県知事に、この番組に関しての詳細なコメントがほしいと思います。おそらくは、川内原発、伊方原発、そして若狭湾の原発・核施設に大事故が起きれば、この番組にある状態よりも、一層ひどい状況が生まれるであろうと思います。
(番組)NHKスペシャル “原発避難”7日間の記録 〜福島で何が起きていたのか〜
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160305
(必見録画)NHKスペシャル “原発避難”7日間の記録 〜福島で何が起きていたのか〜
(私のこの番組に対する疑問)
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1.SPEEDIが機能しなかったことやその理由についてのNHKの説明は事実に反しているのではないでしょうか。また、SPEEDIの情報が真っ先に在日米軍やアメリカに提供されていた事実の報道が抜けています。
2.安定ヨウ素剤を緊急時に一般住民に服用させるのに、なぜ、医師の判断や指示やつきそいなどが必要なのでしょうか? 安定ヨウ素剤はそんな劇薬ではないはずで、原発事故時などの緊急事態時には飲ませない選択の方が、その副作用よりも、よほど大問題なのに、NHKの説明はおかしなことになっているように思います。安定ヨウ素剤の一般住民への服用をめぐる当時の判断・動き・そして今後の対応の仕方について、再度、総点検が必要だと思われます。
3.原発事故直後の避難をめぐる不備などで、2011年3月中に少なくとも99人の方がなくなりましたとのこと。この人的被害に対する日本政府のレビューや反省と再発防止の検討がなさすぎるように思います。
4.原発から20~30km圏(緊急時避難準備区域)の「屋内退避」指示がとんでもない結果を現場にもたらしていたことがこの番組で明らかになっています。これは、現在の原発再稼働における地域防災計画にどう反映されているのでしょうか?
5.当時の民主党政権の幹部たち、とりわけ菅直人や枝野幸男、あるいは細野豪志らは、この録画を見てどう思うのでしょうか?
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NHKのこの放送は一定の意味があったと思われるが、しかし、実際に今、原発が無謀にも再稼働され、地域住民の避難計画=地域防災計画がないがしろにされている現状を鑑みた場合、全く不十分の内容だったと言わざるを得ません。この国では、いったい誰が、ほんとうのことを伝え、重要なことを有権者・国民・市民に問題提起するのでしょう? 私は、この国が、もはやどうしようもない状況に陥っていることを痛切に感じます。近い将来、このままでは、再び大参事は必至だと思います。
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(追1)3/11 報道ステーション「福島子ども甲状腺ガン」特集関連サイト
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(1)子どもが甲状腺がんに・・・ 母が苦悩の告白3-11報道ステーション(内容書き出し) – みんな楽しくHappy♡がいい♪
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3607.html
(2)報道ステーションの甲状腺癌特集が「凄い」と話題に!福島で発生した33人の小児甲状腺癌!4~5年後という定説も間違いか!?|真実を探すブログ
http://saigaijyouhou.com/blog-entry-2007.html
(3)福島の子、甲状腺がん「数十倍」 悪性・悪性疑い167人 放射能から子どもを守る企業と市民のネットワーク
(参考)「小児甲状腺がん家族会」発足記者会見
https://www.youtube.com/watch?v=Cj4raPndOK0
(参考)ホーム – 311kazoku ページ!
(参考)甲状腺がん悪性・悪性疑い166人〜福島県調査
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/2028
(参考)福島の甲状腺がん推計を近々更新-国立がん研究センター(まさのあつこ) – 個人 – Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/masanoatsuko/20151210-00052304/
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(追2)ノーベル賞物理学者益川氏の日経への投稿について
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO98261630Q6A310C1M13100/
(田中一郎コメント)
困ったものです。益川氏が放射線被曝について考えが甘いことは伝え聞いていましたが、原発についてまでかような発言をしているとは驚きです。一般的な傾向で恐縮ですが、放射線被曝に対して甘いのは物理系・工学系の学者の特徴なのかもしれません。(例:槌田敦氏、今中哲二氏)。しかし、未だに原発についてまでかようなことを言う人は少なくなっています。
私は、共産党や原水協、あるいは被団協などの、3.11福島第1原発事故の前の「原子力平和利用」路線=原発は科学技術のたわもので原爆・核兵器とは違う、という方針や考え方がきちんと「清算」されていないことによるものではないか、と推察しますがいかがでしょうか。
また、社民党・民主党・原水禁系の「原発は即時廃止ではなく、段階的に時間をかけて徐々に廃止していくべきである」などという日和見方針もまた、この益川氏に影響を与えている可能性もあるように思います。
憲法9条や戦争論議や核兵器禁止の世界では、影響力のあるポジティブな発言をしている学者が、放射線被曝や原発のことになると、福島第1原発事故のことも忘れて、原発・被ばくの現場や実態を知らぬままにかようなことを発言する、これも、日本の学者や大学教授どもの「特権意識」の表れなのかもしれません。大学歩けば詐欺師にぶち当たる、大学教授を見たら泥棒(デマゴーグ)と思え、はここでも生きているようです(昨日の報道ステーションに出てきた「福島県民健康調査検討委員会」関連の学者どももそうでしたね:鈴木真一(福島県立医大)や津金昌一郎(国立がん研究センター)や床次眞司(弘前大学)もひどいものでした)。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.ne/
〔opinion5966:160316〕
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