「安倍内閣打倒へ」の声高く - 原発事故から5年で全国大集会 -
- 2016年 3月 28日
- 時代をみる
- 原発岩垂 弘
「原発のない未来へ! つながろう福島! 守ろういのち! 3・26全国大集会」と銘打った集会が3月26日、東京・代々木公園で開かれた。東京電力福島第1原発事故から5年、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故から30年を記念した集会で、全国から3万5000人(主催者発表)が参加し、「世論を無視して原発再稼働や安保法制を推進する安倍内閣を打倒しよう」と声をあげた。
「つながろう福島」「原発のない未来へ」と書かれた紙をかざす集会参加者たち
集会を主催したのは、旧総評系の「さようなら原発1000万人アクション実行委員会」、共産党系の「原発をなくす全国連絡会」、個人中心の「首都圏反原発連合」など4団体。これらの団体による統一行動は昨年の3月8日以来1年ぶり6回目。北海道から沖縄までの全国各地から労組員、平和団体関係者、生協組合員、大学関係者、一般市民らが集まった。ベラルーシからチェルノブイリ原発事故被害者が参加した。
昨年3月8日の統一行動の参加者が2万3000人だったことを考えると、今回の統一集会は脱原発運動の新たな高まりを見せたものと言える。
集会では、各団体代表らがあいさつしたが、初めに登壇した首都圏反原発連合のミサオ・レッドウルフさんは「安倍政権になってから原発政策が後退し、原発再稼働を推進している。前政権は2030年には原発をゼロにするとしたが、安倍政権は原発を重要な電源と位置づけ、再稼働に踏み切った。国民の7~8割が原発に反対しているのに、安倍政権は一部の人たちの利益のために再稼働を推進しており、許せない」と述べ、「来る参院選では、脱原発を訴える政党に頑張ってもらおう」「原発を止めるために継続して頑張りましょう」と話した。
次いで登壇したルポライターの鎌田慧さんは「原発事故後、原発よりも自然エネルギーを、という声が高まっている。国民世論はすでに原発から脱却している。なのに、利権派は自分たちの利益を上げるために、原発事故の責任を取らないばかりか原発再稼働を推進しようとしている。原発の欠陥が明らかになったのに、人格権と相容れない原発の再稼働を進めるなんてペテンだ」「大津地裁が、運転中の高浜原発の運転を差し止めるという画期的な判決を出したが、これは私たちの運動があったからだ。この決定をした裁判官の勇気をたたえ、彼を孤立させないようにしなくてはいけない」「原発再稼働を進める安倍首相を、参院選で政権の座から引きずり下ろそう」と訴えた。
さらに、作家の澤地久枝さんは、まず「原発事故から5年、福島ではいまだに十数万の人々がふるさとを奪われたまま、避難生活を余儀なくされている。政治はその責任を負わされているのに、原発の再稼働を進める。私たちは安倍政権になめられているのだ。なんとしても、来る選挙で反撃せねば」と話した後、安保法制問題に言及し、「安倍政権は、安保関連法を3月29日から施行すると閣議決定した。これで、私たちの我が子、我が孫、我がひ孫のだれもが戦争に送られることになった。それに、防衛省では制服組を文官より上に置く動きが強まっている。私たちは、人の命を守るために、こうしたことに反対の声を上げてゆかねば」と訴えた。
参加者が掲げるブラカードでも「原発再稼働反対」「安倍内閣退陣」を訴えるものが目立った。
この集会を目指して2週間前に福島県郡山市を出発した、歩きながら脱原発を訴える「フクシマ連帯キャラバン」がこの日会場に到着し、参加者の拍手を浴びた。
集会後、参加者は3コースに分かれて渋谷、新宿、明治公園までデモ行進した。
初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye3358:1603128〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。