安保法廃止と安倍内閣打倒を叫ぶ――国会周辺に抗議の人波
- 2016年 3月 30日
- 時代をみる
- 安保岩垂 弘
集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法が施行された3月29日、これに抗議する集会が全国各地で行われた。国会正門前では午後6時30分から「戦争法発動反対!戦争する国許さない 3・29閣議決定抗議!国会正門前大集会」が開かれ、多くの市民がつめかけた(主催者発表では3万7000人)。野党の幹部や各団体代表が口々に安保関連法の廃止と安倍政権の打倒を唱え、集会参加者が発する「戦争する国絶対反対」「国政選挙で野党は共闘」「安倍内閣はただちに退陣」のシュプレヒコールが夜空にこだました。
集会を主催したのは「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。昨年9月までは安保関連法案の廃案、同法成立後はその廃止を求めて運動を続けている団体だ。旧総評系労組などが参加する「戦争をさせない1000人委員会」 、全労連などでつくる「戦争する国づくりストップ!憲法を守り・いかす共同センター」、市民団体の「解釈で憲法9条を壊すな!実行委員会」など19団体で構成されている。同実行委の呼びかけで、この日は夕方から、多くの人々が国会正門前の歩道を埋めた。「戦争法廃止!」あるいは「安倍内閣退陣!」と書いた紙を掲げた人が目立った。
国会正門前の歩道には思い思いのブラカードを掲げた人たちが集まった
集会では、民進、共産、社民、生活の野党4党の代表がスピーチ。民進党の枝野幹事長は「これまでに安保関連法を廃止できなかったことはまことに申し訳ない。歴代の自民党政権は、現憲法下では集団的自衛権は行使できないという見解をとってきた。しかるに、安倍政権は閣議決定で集団的自衛権行使を可能にしてしまった。安倍首相は、北朝鮮の核やミサイル発射、それに尖閣列島問題を持ち出して集団的自衛権の行使が必要と言っているが、尖閣列島問題などは個別的自衛権で対処できる。だまされてはいけない。何としても安保法を廃止しよう」と述べた。
共産党の山下書記局長は「きょうは日本にとって歴史的な日となった。安保関連法がきょう施行されたが、これで、自衛隊が海外で殺し、殺されることになる。その一方で、こんなにも多くの人たちがそれに抗議してここに集まった。何としても、安保関連法を廃止させなくてはならない」「来る参院選では1人区の全選挙区で野党統一候補を勝利させよう。わが党は衆院小選挙区でも野党間の選挙協力を行う用意がある」と述べた。
平和団体の代表は「私たちの未来を決めるのは私たちだ。私たちの未来を自公に決めさせてはならない」と訴えた。
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