東北大学名誉教授、齋藤文良、矢野雅文両氏の論説、「改ざんを含む究極の二重投稿論文とその指摘に対する組織の不適切な対応」が『金属』2016年4月号で公表されました
- 2016年 4月 6日
- 評論・紹介・意見
- 井上合金事件大村泉東北大学
新着情報 No.3 2016年4月6日
『金属』誌の最新号(Vo.86,No.4 (2016),pp.355-362)に収録された標記の論説で、両名誉教授は、井上明久東北大学元総長の「改ざん疑惑を含む極めて特異な二重投稿論文の例を紹介」されています。両名誉教授によれば、井上氏を筆頭著者とする日本金属学会欧文誌に収録された論文(Materials Transactions JIM, Vol.41, No.11(2000), pp.1511-1520)は、米国材料学会誌に掲載された同氏の論文(Journal of Materials Research, Vol.15, No.10 (2000), pp.2195-2208)と使用されている図表の全てが「ほぼ」同一で、文章も容易に「コピペ」と判定できる内容であるにも拘わらず、先行するJMR論文を引用していないだけでなく、まず共著者やタイトルが異なっている。さらに、図の一部で写真の天地が逆になっているだけなのに、図の説明文の実験条件が異なっている、同一データの図なのに軸の表記法が異なっている等、不自然な変更が明らかに認められる。すなわち、このMT-JIM論文は改ざん疑惑を含む、まさに、「究極の二重投稿」と言うべき論文です。しかし、日本金属学会は、両名誉教授の顕名による通報に対して、1年2ヶ月経ってようやく、MT-JIM論文が「オリジナル論文ではない」ことを認めたものの、「JMR論文の二次出版物である」と処理し、「撤回」措置をすることもしませんでした。改ざん等の事実は全く無視しています。両名誉教授は、この不可解な日本金属学会の対応を厳しく批判されています。詳細は標記の『金属』誌最新号をご覧下さい。
初出:「東北フォーラムホームページ 井上[元]総長の研究不正疑惑の解消を要望する会」より許可を得て転載:https://sites.google.com/site/wwwforumtohoku3rd/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion6014:160406〕
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