換位思考
- 2016年 4月 9日
- 交流の広場
- 平和
東京中央3区のビジネス街にある大型マンション。朝5時から15分間隔で1回30~40分マンションベランダで隣とのベランダの仕切りに寄りかかって喫煙する公務員OBの暴煙家。そのため隣に住む78歳の元看護士は気管支炎、喉頭炎を患い,病院通いは続き、喉の痛みは止まらない。
暴煙家は「煙草は吸っていない」、管理組合長「証拠が無い。妄想だ」、その妻「米国では受動喫煙は健康に害が無いと証明されている」と被害者に向かって大声で恫喝。管理組合理事の面々「妄想だ、規約改正は無理」と切り捨て。管理会社は「訴訟しかない」。
マンションの管理規約に「ベランダの火気厳禁、喫煙禁止」を定めることが唯一の解決方法であり、「健康長寿」、「医療費削減」の観点からも必要な事と思えるが、「妄想」として片づける人々は一体何処の国の人間か。
国交省の「マンション標準管理規約」にはこの定めは無く、現在この定めは、マンション住民の総意によって決まるものだが、ネット上で受動喫煙について意見を交わす人は多い。
事故物件について仲介会社は客に「事故があったこと」、「心理的瑕疵があること」を告知する義務がある。隣に暴煙家がいるかことは、「身体的瑕疵がある」ということである。今や被害者は売却、賃貸することもままならない。
隣国の巨大独裁国家の国民を「民度が低い」と言う日本人がいるが、上記の日本人の「臭いものに蓋をする」、「問題を解決しようとしない」、「自分さえよければいい」という性向には実に驚いた。当事者意識の欠如は甚だしく、彼らにとって原発も沖縄問題も他人事であろう。
しかし、民度が低いと言う隣国独裁国家の若者たちは、かつてある事件を巡って、ネット上で激しく意見を交わした際、中国語の「換位思考」と言う言葉を盛んに使った。「換位思考」の意味は「相手の立場に立って考える」という意味である。日本で言う「当事者意識を持って考える」である。今回の事からも日本人にはこの思考が甚だしく欠落しているとしか思えない。時を違えて自分にも同じ災難が訪れるかもしれない、今は偶然自分ではない他人にその災難が訪れているに過ぎないと、どうして考えられないのか。
日本の学校教育には「換位思考」を醸成する教育が欠落している、或いは為政者が国民を分断するために意図してそうしているとしか思えない。多分後者が正しいのだろう。これでは日本に未来も発展も無い。
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