安倍体制研究への御招待
- 2016年 4月 11日
- 交流の広場
- 山端伸英
現在の安倍体制は現在の産業体制の重工業化、軍事化へのゆり戻しと、それを支える東大官僚体制の圧力を自民党が救いをかけている構造で、基本的に「うそつき」と言われるほど政権側での政治主導性は伺われない。
政権側は産業側官僚側の圧力(日本会議)に主導があると思い込んで自分らの政治の主体性を見失っているので「嘘」が生じるが、地位が保証されれば問題はないという「政治・行政」の「受益層化・クライアント化」の結果が「安部政治」なのである。これは海外での企業や大使館の意向で動く「商工会議所」的な政権だと言える。問題はこのような自民党政権が続けば「民主主義」は日本から跡形もなく消えうせて「ちょうちん持ちが得する社会」が定着してしまうことだろう。
なんとしても、この構造、この政権を崩さねばならない。現状をよく吟味し、この政権を呼び寄せたわれわれの社会を厳しく検証し、たたきなおした上で、次の政権を厳しく監視する必要がある。そのためには「違憲」行為をすべて洗い出して検察側の摘発作業を国民側から民族運動にしていく必要がある(海外の知識層はそれを期待している)。
マスコミについてはここ10数年来の朝日新聞の変容が朝日新聞出版のような周辺から始まっていることから新聞への構造的批判がわれわれ側から必要だろう。たとえば、「国家」という言葉の使い方が「帝国主義」的ではないかとか、そういった種類の批判が必要なのだ。
新書版に「馬鹿と東大は使いよう」というのがある。その背景を朝日新聞そのものから分析するべきだろう。三菱商事が編集して作った朝日新書「中南米が日本を追い抜く日」もある。つまり、安倍体制はじわじわと形成され今日の姿に仕上がったので、突然、現れたわけではないのだし、そのことを十分反省しておく必要がある。そうでないと、最悪の事態を選挙後に見ることになるかもしれない。
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